CoinPostで今最も読まれています

米テザー社がUSDTの準備資産内訳を公開、短期国債の割り当て増加

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

より詳細な内容を報告

ステーブルコインUSDTを発行する米テザー社が、6月30日時点における準備資産の内訳を公開した。今回は2回目の報告書となるが、前回(3月31日付)の報告書よりも、保有資産の格付けなど、さらに詳細な内容が記されている。

テザー(USDT)とは

テザーとは、テザー社の発行する、米ドルの価値に1:1で裏付けられたステーブルコインのこと。2015年に発行が開始され、数あるステーブルコインの中で最も規模が大きい。

▶️仮想通貨用語集

テザー社は「透明性に関する継続的努力の一環」として、四半期ごとに内訳を公開するとしている。この情報公開の背景には、同社と暗号資産(仮想通貨)取引所のBifinexが、不正融資疑惑を巡る訴訟で、今年2月に1,850万ドル(約20億円)を支払うことで、米ニューヨーク司法当局(NYAG)と和解に至った経緯がある。

関連:謎に包まれていた「仮想通貨USDTの裏付け資産」 内訳をテザー社が初公開

資産配分の変化

今回の報告書では、628億ドル(約7.5兆円)の準備資産の85%が「現金及び現金同等物、その他の短期預金、コマーシャルペーパー」で保有されている。このカテゴリーの資産は前回より9.15%増加。また、デジタルトークンを含むその他の資産の割合は、1.64%から3%に増加した。

一方、「社債、ファンド、貴金属」の割合は9.96%から8%に減少し、担保貸付金に至っては12.55%から4%へと大幅に減少している。

  • 85%:現金及び現金同等物、その他の短期預金、コマーシャルペーパー
  • 8%:社債、ファンド、貴金属
  • 4%:担保貸付金(関連会社向けではない)
  • 3%:その他(デジタルトークンを含む)

現金・現金同等物の内訳

「現金・現金同等物」のカテゴリーの分類の詳細は以下のとおり。前回の区分から若干変更されている。

  • 58%:コマーシャルペーパー(CP)および譲渡性預金証書(CD)
  • 29%:短期国債(TB)
  • 12%:現金および銀行預金
  • 2%:リバースレポ・ノート

今回、米財務省が発行する満期1年以下の短期国債への配分は大幅に増加し、2.94%から29%と10倍になっている。現金に関しては、前回、信託預金として別途計上していたものを、「現金・銀行預金」としてひとまとめにした結果、前回の合計である28%から12%へ減少した。

CP(前回65.39%)の保有割合は58%に減少しているが、特筆すべきは、前回は非公開だったCP(今回はCDも含む)の格付けと満期日の内訳を報告したことだろう。その大半(85%)にはA-1+からA-3の格付けがついていることが報告された。また、満期日に関しては、90日以内のものが約34%、91日〜180日が約21%、181日〜365日が約45%と発表された。

なお、コマーシャルペーパーの発行者については開示していない。

テザー社の前回の報告書については、資産構成が低リスクで流動性の高い短期国債よりも、内容が明示されないコマーシャルペーパーに重点が置かれており、同社は顧客の資金で高いリスクをとっていると批判の声が上がっていた。

関連:公開されたUSDT(テザー)の裏付け資産、専門家が「問題点」を指摘

監査人が検証

テザー社の報告書は、Moore Cayman監査事務所によって検証されており、同事務所は、テザー社の総資産が負債を上回っていると証言している。

また、先月、テザー社のPaolo Ardoino最高技術責任者(CTO)とStuart Hoegner顧問弁護士は、米CNBCの番組で、今後数ヶ月以内に、USDTの監査結果が出るとコメント。これまで発表された報告書より、厳格な調査がなされている模様だ。

関連:仮想通貨テザー(USDT)に関する厳格な監査結果、数ヶ月以内に公開か

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/30 火曜日
10:12
WebX2024、最大73%割引の開幕セール限定チケットは本日販売終了
CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」。最大73%割引のお得な開幕セールは2024年4月30日まで実施中です。
10:00
半減期後のビットコイン、過去と現在の特異点 Binance Japanセミナー
Binance Japan株式会社はオンラインプレスセミナーを開催。代表取締役である千野剛司氏が登壇した。「2024年ビットコイン半減期と暗号資産市場の展望」をテーマに、メカニズムや価格動向、今後の注目点をまとめた。
04/29 月曜日
20:00
株式の信用取引とは|現物取引との違いや効果的な投資スタイルを解説
株の信用取引とは、最大約3.3倍のレバレッジをかけられ、売りからも始められる取引です。そのため現物取引に比べて利益の幅が大きく、投資機会が多いです。仮想通貨の分散投資先の候補として考えてみてください。
16:37
GSTの買い方、特徴やSTEPNでの役割を学べる完全ガイド
歩いて稼ぐフィットネスWeb3ゲーム「STEPN」の注目度が再び高まっています。2024年以降に底値から大幅上昇した暗号資産(仮想通貨)GSTの買い方やGMTとの違い、将来性について初心者にもわかりやすく解説しています。
12:54
ブロックチェーンゲーム「Heroes of Mavia」、MAVIAトークンのインフレ抑制へ
Web3ゲーム「Heroes of Mavia」は、イーサリアムベースの独自トークン「MAVIA」のインフレ抑制のため、ロック解除スケジュールを変更した。
12:27
ワールドコイン開発元、OpenAIらとの提携を検討か=報道
仮想通貨ワールドコイン開発企業は、決済大手ペイパルや、アルトマン氏の別事業OpenAIと提携を模索していると伝えられる。
10:00
仮想通貨の「ポイ活」潮流、将来のトークン配布を見越した投資戦略
ポイ活やエアドロップといった、2024年の暗号資産(仮想通貨)市場におけるトレンドを掘り下げる。将来のトークン発行に向けて最大限の報酬を得るため、ソラナやBASEでユーザーの活動量が増加。資本競争が激化している。
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア