仮想通貨取引ベースの収益が増加
7月末にナスダックに上場したばかりの人気投資アプリ米ロビンフッドが、第2四半期(4~6月)の決算報告を行った。仮想通貨取引からの増収分の内、ドージコイン(DOGE)によるものが多くを占めたことを明かした。
ロビンフッドによると、2Qの仮想通貨取引による収益は2億3,300万ドル(約256億円)で、前年同期の500万ドル(約5.5億円)から大幅に増加した。取引ベースの収益に占める仮想通貨の割合は約52%だった。
ドージコイン(DOGE)
2013年にジョークとして開発された柴犬をモチーフにした仮想通貨。2021年2月にイーロン・マスク氏が、ツイッターでドージコインについて盛んに投稿したことをきっかけとして人気が急上昇した。パロディ通貨としての側面を持つ一方で、通貨の開発・改良も積極的に行われている。決済スピードが速く、発行上限枚数が定められていないことが特徴。
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2Qはこれまでの四半期のうちで、初めて「新規ユーザーのうち、株式ではなく仮想通貨で最初の取引を行ったユーザーの割合が多かった」という。また、資金をチャージしたアカウントのうち60%以上が、2Qの間に仮想通貨取引を行っていた。
ロビンフッドはIPOの目論見書でも、2Qには総収益の41%が仮想通貨取引から得られた収益によるもので、この割合は1Qの17%から増加したと報告している。
ドージコイン取引の多さはリスク要因の一つ
一方で、2Qの仮想通貨取引から得られた収益の62%がドージコインの取引に由来していたことも明かした(1Qでこの割合は34%)。
このため、ロビンフッドはドージコイン利用率の高さを、これからの業績に関わるリスク要因の一つに挙げており、目論見書では次のように述べている。
仮想通貨取引から得られる、純収益の最近の成長の多くは、ドージコイン取引に由来している。ドージコイン取引に対する需要が減少し、これが当社のプラットフォームで取引可能な、他の仮想通貨に対する新たな需要に置き換わらない場合は、当社の事業に悪影響を及ぼす可能性がある。
当初はジョークとして作成されたドージコインは、イーロン・マスク氏がツイッターで言及したことも影響して人気急上昇。16日には、ドージコイン財団も活動を再開することを発表した。こうした勢いが続いていくのかどうか、行方が注目される。
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ロビンフッドの2021年2Q総収益は、前年同期の2億4,400万ドル(約268億円)から131%増加して、5億6,500万ドル(約620億円)に達した。
ただ、第3四半期にも成長を維持できるかは不透明である。ロビンフッドは「全般的な市場の状況や個人投資家の動き、予期できない市場イベント」など多くの要素に業績が影響され、2Qはそうした要因がプラスの方向に働いたと説明した。
しかし9月末に終わる次の四半期では、市場で取引活動が低下し、それにともない収益や新たなユーザーも減少することを予測しているという。