はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

DeFiに多額投資の大手VC「a16z」、トークン委任体制の詳細を公開

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

a16zがトークン委任体制を公表

米大手ベンチャーキャピタル「アンドリーセン・ホロウィッツ (a16z)」は26日、トークン委任(デリゲーション)プログラムの詳細を発表した。

a16zは6月、新たに約2400憶円規模の暗号資産(仮想通貨)ファンドを立ち上げており、これまで仮想通貨セクターやDeFi(分散型金融)に多額の投資を行ってきた。このためDeFiのトークンも多く保有しており、それを第三者に委任してきたが、今回その内訳を公開した格好だ。

トークンのデリゲーションとは、一般的にトークン保有によりもたらされる投票権などを第三者に委任することである。トークンは、仮想通貨でもある一方、DeFiプロジェクトを中心として、ガバナンス投票に参加することでプロジェクトが発展していく方向性に影響を与える手段として存在していることもある。

トークンの持ち主は、第三者のパートナー組織に、トークンとそれに伴う影響力を委任可能だ。委任には影響力の集中を避け、プロジェクトの参加者を拡大するという効果もあると言われている。

a16zはこれまでに、学生運営の組織である「スタンフォード・ブロックチェーンクラブ」、「ハーバード法学ブロックチェーン・フィンテックイニシアチブ」「UCLAブロックチェーン」「バークレーブロックチェーン」などにトークンを委任したことを明かしていた。

ガバナンスとは

ある集団の経営・運営を管理監督するプロセスや仕組みのこと。DeFi(分散型金融)プロジェクトの多くでは、ガバナンストークンと呼ばれる、あるプロジェクトのガバナンスに参加するための投票権のようなものが存在する。ユーザーは、報酬のガバナンストークンの価値上昇を期待して、流動性を提供する。流動性を提供するユーザーが増えると、プロダクトの有用性が高まり、プロジェクト自体の価値が上昇する仕組みだ。

▶️仮想通貨用語集

公表の経緯

しかし、a16zの委任体制について懸念を抱く意見もあった。例えば7月に「ハーバード法学ブロックチェーン・フィンテックイニシアチブ」はUniswap treasuryから2,000万ドル(約22億円)の助成金を受け取った。DeFi Watchの創設者Chris Blec氏によると、この決定はa16zからトークン委任された者達の影響が大きかったという。そこでBlec氏は、a16zにトークン委任の仕組みについて透明性を高めるよう求めていた。

こうした声に応える形で、a16zは26日にブログ記事を公開。トークンの委任プロセスについて、その仕組みや、既存の委任ネットワークの構成、今後の改善のためのアイデアなどを掲載している。

「被委任者の独立性を重視」

a16zは、トークン委任について「長期的に質の高いガバナンス体制を発展させるための効果的な方法」であるとして、次のように続けた。

このような効果を真に引き出すためには、表面的にガバナンス権限の集中を低下させるだけでなく、ガバナンス体制の質と多様性を向上させる委任の形が必要だ。おそらく最も重要なのは、被委任者がトークン保有者とは独立して、自分の思う通りに投票できる権限を与えることである。

さらに、こうした独立性は「委任プログラムを適切に行う上で、不可欠な特性」であるとも述べており、被委任者が自由に判断することを重視していると強調した格好だ。

また、DeFiコミュニティが委任の条件や、トークン保有者との関係などに関する情報にアクセスできるようになることが、今後ますます重要になるとも指摘。a16zが委任先を評価する上では「プロトコルへの寄与」「専門性」「a16zからの独立性」その他の点から採点していると明かした。

ユニスワップとコンパウンドトークン委任先の内訳

a16zはUniswapとCompoundの現在の委任先の内訳を公開している。

出典:Andreessen Horowitz(a16z)

大学のグループやシミュレーション・プラットフォーム「Gauntlet」や仮想通貨レンディングサービスDharmaなどを運営するスタートアップ企業、仮想通貨の専門家と並んで、マイクロファイナンスを提供するKiva、人道支援を行う団体Mercy CorpsといったNPOも、a16zからトークンを受け取っていることが初めて明らかになった。割合としては大学の組織が一番多く、スタートアップ企業、NPOと続いている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/19 金曜日
13:45
FOMC利下げ後、ビットコイン市場の課題と展望=Glassnode分析
米FOMC利下げ決定後のビットコイン市場をGlassnodeが分析したレポートを発表し、先物・オプション市場の動向、オンチェーン指標から今後のトレンドを予測した。次の方向性を見極める水準として、BTCのコストベースである11万5,200ドルという価格を提示した。
12:00
ステーブルコインに関する税金の基本 仮想通貨初心者こそ覚えておきたいポイント|Aerial Partners寄稿
日本でJPYC・USDCなどステーブルコインの利用が拡大中。仮想通貨にも詳しい税理士が税務上の取り扱いを初心者にもわかりやすく解説。雑所得の計算方法、確定申告の注意点、NFT購入・DeFi運用・他通貨交換時の課税ルールを具体例とともに詳しく紹介します。
11:56
BNBが大台の1000ドル突破、DOGEとXRP ETFの取引量はアナリスト予想を大きく上回る
暗号資産市場でBNB(旧:バイナンスコイン)が過去最高値の1,000ドル突破を達成。バイナンス創業者CZ氏のCEO復帰思惑や「Megadrop」需要が背景に。一方、米国初のドージコインETF(DOJE)とXRP現物ETF(XRPR)が取引開始から驚異的な取引量を記録し、アナリスト予想を大幅に上回る滑り出しを見せた。
11:40
ビットコイン建て分散型予測市場の魅力とは? 研究者が提唱
コンピュータ科学者のシャバシェフ氏が仮想通貨ビットコイン建ての分散型予測市場を提唱。ステーブルコイン建ての機会損失を解決するとして、3つの流動性供給方法を分析した。
11:03
Blockstream、Liquidで挑むアジア太平洋市場──アダム・バックCEOに聞いたEchoXとの連携の狙い
Blockstream CEOアダム・バック氏。ビットコイン拡張ネットワーク「Liquid」でのUSDT活用、RWAトークン化戦略、Echo Xとの提携によるアジア市場展開について語った。
10:50
クラーケン、ICOプラットフォームをローンチへ
仮想通貨取引所クラーケンは、ICOと初期のトークンセールのためのプラットフォームKraken Launchのローンチを発表。ローンチの目的や特徴などについて説明した。
10:15
仮想通貨取引所ブリッシュ、純利益160億円で黒字転換 決算発表
機関投資家向け仮想通貨プラットフォームBullishが2025年4~6月期決算を発表。純利益160億円で黒字転換を達成した。その他「Pudgy Penguins」のオーナーIglooとの提携も開始している。
10:05
メタマスク独自トークン「MASK」発行の可能性、ルービンCEO「予想より早く実現」
コンセンシスのジョー・ルービンCEOがメタマスクの独自トークンMASKの発行が予想より早く実現する可能性を明言。
09:02
PayPalのステーブルコインPYUSD、7チェーンに拡大
決済大手PayPalのステーブルコインPYUSDが、レイヤーゼロのスターゲートブリッジを通じてアプトスなど7つの新しいブロックチェーンに展開。「PYUSD0」として相互運用性を強化。
08:48
仮想通貨関連企業Bakkt、日本市場向けに「bitcoin.co.jp」のドメイン取得を発表
米仮想通貨企業Bakktが当初予定していたbitcoin.jpドメインの権利を放棄し、bitcoin.co.jpドメインの取得を完了したと発表。日本市場向けのプレミアムドメインとして選択。
08:30
ミシガン州の仮想通貨準備金法案が前進、ビットコイン団体は反対表明
ミシガン州議会で仮想通貨準備金法案HB4087が2月以来初めて進展した。州資金の10%投資を認める内容だが、ミシガンビットコイン貿易評議会は全仮想通貨対象のため反対を表明している。
07:50
リップル社、DBS・フランクリンテンプルトンとRWA領域で提携
リップル社は、DBSとフランクリン・テンプルトンとRWA領域でパートナーシップを締結。適格投資家や機関投資家に取引と融資のソリューションを提供することが目的である。
07:15
コインベース、USDC貸出サービスで10%以上の高年利を提供開始
コインベースが仮想通貨USDCの貸出サービスを開始し、年10.8%の高利回りを提供すると発表した。モルフォプロトコルとの連携により、従来の4.1%を大幅に上回る収益機会を提供する。
06:40
ソルメイト、443億円調達でソラナ特化企業に転換 Arkなどが出資
米上場企業ブレラホールディングスがソルメイトに社名変更し、アーク・インベストらから3億ドルを調達してソラナ特化のDAT企業に転換すると発表した。
06:15
エヌビディア、インテルに7400億円投資でAIチップ共同開発へ 株価22%高騰
エヌビディアがインテルに50億ドルを投資し、データセンター向けAIチップとPC向けチップの共同開発を発表した。インテル株は22%急騰し38年ぶりの上昇幅を記録した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧