ブロックチェーンで海運物流データを管理
海運コンソーシアムGlobal Shipping Business Network(GSBN)は9日、世界通運システムにおけるブロックチェーン・プラットフォームのローンチを発表した。
開発にはオラクルやマイクロソフト、アント、アリババなどのIT大手が携わった。これにより、世界通運における全てのコンテナに関するデータの3分の1がブロックチェーン上で管理されることとなる。
GSBNはブロックチェーン技術を活用した通運企業向け非営利コンソーシアム。異なる企業や市場間の信頼性、そして効率性やセキュリティの向上を目指し、8社の大手海運企業が参画している。
具体的には、書類の発行や入出港、物流データなどのプロセスをデジタル化して、コンソーシアムブロックチェーン上で管理する。長期的には、より様々な国と地域、そして銀行やフィンテック企業などの誘致も目指しており、物流業界のデジタル化(DX)を推進していく。
IT大手との連携
また、GSBNは技術面でオラクルやマイクロソフト、アリババなどのIT企業と連携した。
グローバルな物流データ管理システムのブロックチェーンネットワークには オラクルブロックチェーンを活用。企業規格のパーミッションド・ブロックチェーンとして認知されている。
プラットフォームレイヤーでは、マイクロソフト・アジュールの東南アジア地域のシンガポールを選択。ステーrアビリティと機能性、セキュリティからシンガポールに決定した。
さらに、中国におけるデプロイメントにはアリババ傘下のアント・グループが手かげるブロックチェーン、アントチェーンとアリババ・クラウドを採用。こちらも企業規格のセキュリティとIoTなどの技術を提供する。
物流業界におけるブロックチェーン技術が導入される事例は少なくない。改ざん耐性を持つブロックチェーンの特性は、物流データの記録や管理に適しているとされる。
国内でも、日立製作所とみずほフィナンシャルグループが物流データを共有するブロックチェーンプラットフォームの実証実験を行った経緯がある。また、三菱商事やNTTも共同出資企業「インダストリー・ワン(Industry One)」を介して食品流通業界におけるブロックチェーンの実証実験を行っていた。
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