
繊維メーカーである株式会社北紡は7月14日、昨年11月に新株発行で調達した資金の使い道を一部変更すると発表した。
当初予定していたM&A(企業買収)資金の30億2,000万円のうち10億円を、新たに参入する暗号資産事業に使うことにした。
ビットコイン購入に8億円、マイニング事業に2億円を充てる計画で、6月30日開催の定時株主総会で事業目的の追加について承認を得た。
暗号資産事業への10億円投資の内訳
北紡は2024年11月19日に新株発行による資金調達を発表し、事業拡大を目的としたM&Aの資金として30億2,000万円を調達する計画だった。しかし、暗号資産やRWA(現実資産のトークン化)関連事業への参入を決定したことで、このうち10億円を新規事業に充当することにした。

出典:株式会社北紡
マイニング事業では、再生可能エネルギー(バイオマス発電など)を使って自社でビットコインを生成するほか、マイニング用の機器製造を委託する計画だ。同社は「暗号資産は金融業界で確固たる地位を固めつつあり、次世代の金融の基盤になる可能性を秘めている」と新規参入の背景を説明した。
事業転換に向けた体制整備
北紡は従来の繊維・紡績事業に加え、成長が期待される分野に進出することで収益源を増やす狙いだ。暗号資産やマイニング事業を展開する海外企業との業務提携を視野に入れており、新たな販路開拓と収益機会の創出を目指す。海外でのマイニング関連企業の設立も検討中で、国内では専門人材の確保を進めている。
同社は今後の業績への影響について、詳細が判明次第、適切に開示するとしている。
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