バイナンスが新たにサービス停止へ
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは27日、シンガポールのユーザーに対するサービス内容を変更すると発表した。
協定世界時(UTC)で10月26日4時(日本時間26日13時)以降、同国のユーザーはバイナンス本家の「Binance.com」において、以下のサービスにアクセスできなくなるとしている。理由はコンプライアンスを遵守し、同国の規制に従うためだとした。
- 法定通貨の入金
- 仮想通貨の現物取引
- 法定通貨を介した仮想通貨の購入
- 「Binance Liquid Swap」
今年の4月以降、各国の規制当局はバイナンスに対する監視を強めている。シンガポールについては今月2日、中央銀行(Monetary Authority of Singapore=MAS)が「Binance.com」を「警告リスト(未登録業者)」に追加したことが判明。
その後5日にはバイナンスが、シンガポールの法定通貨の取引ペアとペイメントオプション、およびシンガポールのiOSとGoogle Playのストアにおけるアプリ対応を停止することを発表している。
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バイナンスは今回の発表で、「我々の目的は、ブロックチェーン技術やデジタル資産において、持続可能なエコシステムを構築することだ」と説明。そして「今回のような対応を行うことによって、長期的には業界の成長につながると望んでいる」とした。
シンガポールのユーザーには、期限までに法定通貨を出金したり、トークンを償還したりしておくなど、必要な取引を行なっておくように促している。
シンガポールでの事業
バイナンスは、シンガポールで運営のライセンスを申請中だと報じられている。バイナンスは2019年7月、シンガポール拠点の仮想通貨と法定通貨の取引所を立ち上げた。
ブルームバーグがこの申請を報じたのは昨年の2月で、現在でも審査中だと見られている。シンガポールの中央銀行が警告リストに加えたのは「Binance.com」の方で、バイナンス・シンガポールの「Binance.sg」は追加していない。
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バイナンスの担当者は今月、CoinPostの提携メディアThe Blockに対し、「Binance.sgとBinance.comとは別々の取引所だ。バイナンス・シンガポールの運営企業は現在、シンガポールの中央銀行にライセンスを申請中である」と説明した。
バイナンス・シンガポールは現在、中央銀行から一時的に規制の免除を受け、運営を継続しているという。