ビットコイン時価総額、再び1兆ドルに
ビットコイン市場は6日から7日にかけて高騰。7日8時時点では、日本円建取引で600万円を上抜け、前日比7%高の613万円で取引されている。
BTCの時価総額は、米ドル建で1兆ドルを突破した。2021年9月8日も1兆ドル(9,890億ドル)を目前に反落しており、5月以来の大台突破となった。
BTC価格は、過去最高値の64,000ドルまであと1万ドルほどとなり、年内の高値更新も視野に入る状況にある。
高騰の背景には、①ビットコインETFの承認期待、②ジョージソロス率いるヘッジファンドがBTC保有を明かした点、③大口のビットコイン購入など複数要因がある。
ビットコインETF期待
「ビットコイン上場投資信託(ETF)」は、2017年から米国で相次ぐ申請が却下されてきたが、10月に可否判断を迎える先物ベースの新たなETFで、承認が現実的とみる見方が出ている。
これまで承認が見送られてきた現物の裏付けを伴う現物ETFに対し、対象となる法律や、すでにビットコイン先物取引が米国規制市場下で実現している点などが異なるポイントで、SEC委員長などの発言から、同ETFの承認期待が高まっている。
専門家の見解としては、Bloombergの上級ETFアナリストEric Balchunas氏が10月中の承認の可能性が75%あると予想している。
Yes, the SEC has kicked can on bitcoin ETF approval BUT that is for the physically-backed ones under '33 Act. The futures ETFs filed under the '40 Act (which Genz loves) are very much alive and likely on schedule (we think 75% chance approved in Oct). Here's our odds: https://t.co/cSZ8aDsITl pic.twitter.com/DUEvRANvO7
— Eric Balchunas (@EricBalchunas) October 2, 2021
現時点で13の企業がビットコインETFを申請し、SECの可否判断を待つ状態にあるが、10月中の可否判断日程で最も早いのは「ProShares Bitcoin Strategy ETF」がある。先物運用型のETFであり、これが該当するものと見られる。
米国市場におけるETFの実現は、機関投資家マネーの流入期待が高まる一方で、先物運用型のETFは、直接ビットコインの現物市場に影響がでるインパクトも小さい可能性が高い。しかし、これまで三年に渡って停滞してきたETFの1例目に、市場の期待感があるのも否めない状況だ。
ソロス設立ヘッジファンド、BTC保有へ
世界の3大投資家の一人であるジョージ・ソロス氏が設立したSoros Fund Management社のDawn Fitzpatrick CEOは6日、ビットコイン(BTC)などの暗号資産(仮想通貨)の保有を明らかにした。
以前から関係筋の話として憶測があったが、同ファンドのCIO兼CEOであるFitzpatrick氏がブルームバーグのインタビューに出演し、初めて保有を認めた。
米国経済の現状や、インフレについて語る中でビットコインをはじめとする複数の仮想通貨を保有しているという。
ビットコインを「もはや単なるインフレヘッジではない」と指摘しつつ、市場規模やユーザー規模から「仮想通貨は主流になった」とコメントした。特定分野については、DeFi(分散型金融)への関心が高いという。
大口取引の影響
一方、最も直接的な影響が出たと見られるのが、ビットコインの大口取引だ。
Someone(s) bought up $1.6B worth $BTC via market orders in just 5 minutes.
— Ki Young Ju 주기영 (@ki_young_ju) October 6, 2021
Short liquidations seem relatively smaller like $17M at that time.
This is more like whale buying, not cascade liquidations.https://t.co/dD3OsykiET pic.twitter.com/0NnvbmaYYm
データ分析企業CryptoQuantのKi氏は自身のツイッターで、ビットコインの現物市場で約5分間の間に16億ドル(約1780億円)もの買いが発生したとするデータを報告した。
同規模の取引である場合、よりマーケットインパクトを抑えるOTC取引や機関投資家向けサービスを介した取引が一般的だ。これは、取引による価格への影響が、結果として自身の購入量を減らす結果に至ることが主な理由になる。(この規模ではOTCでも最低複数回に分ける必要が生じる)
Ki氏はCoinDeskの取材に対し、「他の投資家の関心を集めるための行動で、あえて公開市場内で大口売買した可能性がある」と指摘した。
なお、デリバティブ(金融派生商品)市場における同期間の清算データは、急騰幅に対して小さく、主要取引所の24時間精算値で4億ドル相当となっている。
また、ニュース関連ではブラジルのビットコイン法定通貨化についても話題となったが、現地記者らは可能性を否定している。