仮想通貨関連事業が増収を牽引
国内大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックを傘下に収めるマネックスグループは29日、2022年第2四半期の決算を発表した。
2021年の2Qにおける累計の連結税引前利益は71.61億円で、前年同期比+74%、収益全体は前年同期比8倍の増収となった。
日本セグメントにおけるDeFi(分散型金融)プロジェクトの売却益16億円や、クリプトアセット事業セグメントにおけるNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」やIEO(イニシャル・コイン・オファリング)といった新規事業収益も2Qの大幅増収に寄与した。
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2022年3月期上半期の主要3セグメント(日本セグメント・米国セグメント・クリプトアセット事業セグメント)の収益は、464億円で前年同期比+74%と大幅に増加。中でも、暗号資産(仮想通貨)のクリプトアセット事業が全体を牽引しており、割合は44%を占め、204億円の収益をあげている。
コインチェックは今年3月にNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」を、同7月にIEOプラットフォーム「Coincheck IEO」を提供開始した。これら新規事業の成長や仮想通貨全体の価格高騰により、営業利益率は2021年上半期比較で32%から67%に上昇した。
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ブロックチェーン・仮想通貨関連収益の内訳は、コインチェックの販売所やNFT・IEOなどの収益が204億円で前年同期比8倍。マネックスグループによるブロックチェーン関連投資で得た28億円など合計で240億円となる。
マネックスグループは、前年同期比で大幅増収を遂げた要因について、「市場活況と取り扱い暗号資産の拡充、TVCMなどによる本人確認口座数の大幅な増加に伴い、販売所取引量が大きく増加。また、新規事業も好調な立ち上げ」と分析している。
一方で、前四半期比ではトレーディング損益は減少しており、「暗号資産市場の取引量」が落ち着いたことを要因として挙げた。
過去最高値の2万ドル水準を約3年ぶりに更新して以降の2021年1Qは、米テスラ社などの米国の大企業が相次いでビットコインなど仮想通貨保有をに乗り出し、仮想通貨バブルの様相を呈していた。
同4月には米大手取引所コインベースが、仮想通貨企業として初めて米ナスダックの株式上場を果たし、当時ビットコイン価格は史上最高値を更新。
しかし、5月以降は高騰の反動安に加え、テスラ社が一転してビットコイン決済の受け入れ中止を発表したこと、中国による仮想通貨関連事業の全面禁止方針などネガティブサプライズが相次いだことを受け、9月頃まで仮想通貨市場の低迷が続いた。
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