はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

フランス中銀、デジタル通貨「CBDC」の実験結果を報告

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ホールセール型CBDCを実験

フランス中央銀行は8日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関するこれまでの実験結果を一部発表した。2020年より合計9つの実験プロジェクトを行っており、その内7つまで完了したことを受けたもの。

CBDCは、銀行など金融セクター間で決済を行うのに用いる「ホールセール」型と、消費者が日常的な商品購入などに使う「リテール」型に大きく分けられる。フランス中銀は「ホールセール」型に焦点を当てており、分散型台帳上の資産の取引と決済について重点的に試験を実施した。

CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは

各国・地域の中央銀行が発行するデジタル化された通貨を指す。仮想通貨との大きな違いは、CBDCは法定通貨であること。通貨の管理や決済等においてコスト削減や効率性向上が期待できる一方で、個人情報やプライバシーの保護、セキュリティ対策、金融システムへの影響など考慮すべき課題は多い。

▶️仮想通貨用語集

フランス中銀の金融安定化・運用担当責任者Nathalie Aufauvre氏は、次のようにコメントした。

昨今トークン化された金融資産が登場している状況だが、CBDCと様々なテクノロジーを組み合わせることで、こうした資産取引を安全に決済し、イノベーションを安全に発展させることができると示された。

なお、フランス中銀は、具体的にCBDCの導入計画を立てているわけではない。今回の報告内容も、あくまで作業中の仮説であり、これからさらに実験を行っていく必要があるとしている。

証券決済・クロスボーダー取引に重点

実験は、主に次の2つについて探るものだった。

  1. 様々な形式、資産クラスの証券を決済するために、どのようにCBDCが使えるか
  2. 国境や通貨を超えた取引を実施するために、CBDCがどのように使えるか

1番目の項目では、ユーロ圏の中銀が取り入れている資金決済システム「TARGET」のような既存インフラの活用も含め、中央銀行が分散型台帳(DLT)を使って、CBDCにより証券を決済する様々な方法を検討。

フランス中銀は、CBDCにより、中央銀行の管理の下で、トークン化された金融市場を安全に発展させ、同時に市場参加者がDLTの利点を享受できるようになる可能性があると述べた。

2番目の項目については、将来的に様々な国や地域がCBDCを発行する可能性があることに言及。それらCBDC間の相互運用を可能とするシステムは、国際決済を効率的にして利用しやすくすると指摘している。こうしたことを背景に、どのように複数のCBDCを相互運用していけるかも探ったという。

また、実験では、CBDCがプライベートチェーン(ネットワーク参加に承認が必要)、パブリックチェーン(誰でもネットワークに参加可能)、その他の分散システムなど、様々なタイプののDLTに実装できることが示された。

今後調査すべき課題

フランス中銀は、CBDCは、新しい機能やユースケースを法定通貨に与え、金融市場のイノベーションを促進し得ると述べている。同時に、これからさらに探るべき課題も浮き上がったという。

まず、CBDCを多くの参加者が利用する場合は、マクロ経済や金融政策に大きな影響を与える可能性があるため、それを明らかにする必要がある。

次に、ホールセール型CBDCの発行と配布をサポートする技術について、様々な選択肢を慎重に検討していかなければいけないことを挙げた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/02 火曜日
10:14
リップル、シンガポールでライセンス範囲拡大 XRPとRLUSDによる決済事業を強化
リップルがシンガポール金融管理局から主要決済機関ライセンスの拡大承認を取得。XRPとRLUSDを活用した決済サービスを強化。アジア太平洋地域のオンチェーン活動は前年比70%増で、同地域での事業拡大を加速。
10:02
ビットコイン100万円幅急落、yETH流出事故で大規模清算|仮想NISHI
ビットコインは軟調な推移が続いている。1日には一時8万5,000ドルを割り込み、日本円ベースでも24時間比で100万円超の下落となった。背景には、イーサリアムが「フサカ・アップデート」を目前に控えロングポジションが積み上がる一方、Yearn FinanceでyETHの流出事故が発生し、ロングポジションの清算が連鎖したことがある。
09:20
リミックスポイント、12億円規模のWeb3関連事業投資を中止へ
リミックスポイントは、事前に予定していた12億円規模のWeb3関連事業投資の中止を決定。仮想通貨ビットコイン購入以外の調達資金使途を変更した。
08:40
ハッキング被害から3.7億円相当回収、ヤーン・ファイナンス
ヤーン・ファイナンスがyETH関連のハッキングで盗まれた資産のうち約240万ドル相当を回収した。回収作業は継続中で被害者への返還を予定している。
07:35
mNAV1倍割れでも「最後の手段」に、ストラテジーがビットコイン清算条件を明示
ストラテジー社のフォンレCEOがビットコイン売却の具体的条件を初めて明言した。株価が保有資産を下回り資金調達が不可能になれば売却も選択肢の1つとなる。
07:05
ストラテジー、約2240億円の米ドル準備金を確保
ストラテジー社は、優先株の配当と負債の利子の支払いのために約2,240億円の米ドル準備金を確保したことを発表。目的を説明し、仮想通貨ビットコインの買い増しも報告した。
07:00
チェーンリンク初のETF、NY証券取引所に上場予定
仮想通貨チェーンリンク(LINK)に投資する上場投資信託(ETF)が12月3日にニューヨーク証券取引所で取引を開始予定。NYSEアーカがグレースケール・チェーンリンク・トラストETFの上場を認証した。
06:45
米バンガードが仮想通貨ETF取引を解禁、5000万人超の顧客にアクセス提供へ
ブルームバーグが報じたところによると、世界第2位の資産運用会社バンガードは12月3日から仮想通貨を主に保有するETFとミューチュアルファンドの取引を許可。遂に長年の保守的姿勢から転換。
06:25
米下院共和党が仮想通貨の「ディバンキング問題」を追及、チョークポイント2.0報告書を公開
下院金融サービス委員会の共和党議員が12月2日、バイデン前政権による仮想通貨業界への組織的な銀行サービス拒否を批判する53ページの報告書を公表した。ストライクCEOの口座閉鎖事例なども議論を呼んでいる。
05:55
ビットコイン8.5万ドル割れ、個人買い増しとクジラ失速が鮮明に=アナリスト指摘
ビットコインは12月1日深夜8.4万台まで続落した。大口保有者の購入鈍化と日銀の植田総裁によるタカ派発言が圧力となり、4億ドル以上の清算が発生。
12/01 月曜日
18:34
日経グループQUICK、ビットコイン指数の算出開始
QUICKは12月1日、円建てビットコイン指数の本格公表を開始した。試験運用から更新頻度を毎日に引き上げ、12月22日からはリアルタイム指数も提供する。暗号資産ETFなどでの利用を想定。
17:07
イーロン・マスク氏「エネルギーこそ真の通貨」、ビットコインは基づくと主張
テスラCEOのイーロン・マスク氏が「エネルギーこそ真の通貨」と主張し、ビットコインはエネルギーに基づいていると説明。一方、著名経済学者やピーター・シフ氏は「本質的価値がない」と批判を続けている。
17:01
政府・与党、暗号資産の分離課税導入を検討へ 調整開始─NHKなど報道
政府・与党が暗号資産投資の分離課税化を巡り調整に入ったとNHKが報道。現行は最大55%の総合課税で、制度見直し議論が年末の税制大綱へ進む見通し。
16:26
「チェーンリンク」の将来性は?トークン化市場に必須インフラ
チェーンリンク(LINK)の将来性を解説。2030年に16兆ドル規模が予測されるトークン化市場で、既存金融とブロックチェーンを接続するオラクルとして80%超のシェアを獲得。SWIFT・J.P.Morganとの提携事例も紹介。
16:00
スイ(SUI)のステーキングで高利率なのは?自分で行う方法と取引所比較
SUIのステーキング方法を徹底解説。取引所(年利最大4.28%)、ウォレット、リキッドステーキングの3つの運用方法を比較表付きで紹介。初心者向けのOKCoin Japanから、Slushウォレットでの自己管理、Haedalでの高度な運用まで、リスクと利回りを考慮した最適な選択をサポート。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧