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米マイアミ市、ビットコインを市民に配布へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マイアミコイン収益を市民へ配布

米フロリダ州マイアミ市のFrancis Suarez市長は11日、同市がシティコインプロジェクトで得た収益を暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)として市民に分配すると発表した。

CoinDesk TVに出演した際に「ビットコイン収益を直接住民に配当として付与する、米国初の自治体になる見込みだ」と述べた形だ。

「マイアミコイン」のウォレットを取得し、配当に必要な登録を行い、ユーザー認証を済ませた住民に直接支払われるという。

この利回りは、8月より導入された独自の仮想通貨「マイアミコイン」のステーキングから得られたもの。市自体が発行している訳ではないが、マイニング収益の30%がマイアミ市に配られる仕組みで、同市は過去3カ月間で、すでに2,100万ドル(約24億円)以上を得ている。

Suarez市長は、ステーキング収益を現在のペースで維持できれば、一年間で、マイアミ市の年間税収総額4億ドル(約456億円)の、約5分の1を得ることができると指摘。長期的には、マイアミ市民が税金を払う必要がなくなる可能性があり、それが実現できれば「革新的」なことだと話した。

マイアミコインとは

マイアミコインとは、市民がビットコインにスマートコントラクト機能をもたらす仮想通貨スタックス(STX)をプロトコルに預け、マイニングする仮想通貨。マイアミコインを保有したり、ステーキングすることでSTXやBTCを獲得するイールドファーミングもできる。

▶️仮想通貨用語集

また、Suarez市長は、マイアミ市がデジタルウォレットを通じて、市民が各種料金の支払いを行えるようにする予定があると説明。様々な仮想通貨取引所とも協力して、住民がウォレットを入手、登録、認証できるようにする計画である。

シティコイン・プロジェクトの仕組み

このマイアミコインを発行しているのは、地域コインを作成する草の根プロジェクトである「CityCoin(シティコイン)」だ。

仕組みとしては、マイナーは、Stacksプロトコルでマイアミコインが生成されるブロックごとに、仮想通貨STXを送信してコインを入札。その額に応じて、各ブロックで生成されたマイアミコインを受け取れる。

ビットコインなどを採掘する際に必要となるようなマイニングマシンを用意する必要はないため、多くの人々がマイナーとして参加できる形だ。

マイニング入札に使われたSTXは、70%が同コインのステーキングを行う者に、30%が市のウォレットに配布される。収益をあげるために新たな参加者を必要とする現状の仕組みについては、ポンジ・スキームに近いのではないかという懐疑的な意見もある。

シティコイン・プロジェクトの公式サイトによると、「マイアミコイン」などシティコインの最初の恩恵は、仮想通貨STXを稼げることだが、シティコインはプログラム可能であるため、それぞれの都市が、様々な機能を開発することが出来るという。

例えば、報酬としてトークンを付与するアプリを作成したり、地域の福祉に貢献するプロジェクトを行ったり、入場券として使ったり、トレーディング、レンディング、NFT作成などの機能を持たせることが考えられるとしている。

このため、マイアミ市がこれから先、どのような用途にマイアミコインを活用していけるのか注目されるところだ。マイアミコインについては、幻冬社とCoinPostの共同YouTubeチャンネルCONNECTVにて、HashHubの平野淳也CEOが詳しく解説している。

関連マイアミコインから紐解くシティコインの可能性【CONNECTV・動画解説】

「ニューヨークシティコイン」も発行へ

仮想通貨支持派のEric Adams氏が次期市長に当選したニューヨーク市でも、このシティコイン・プロジェクトが導入される。シティコイン・プロジェクトは10日、この「NYCCoin(ニューヨークシティコイン)」をマイニングする準備が整ったと発表した。

関連ニューヨークシティコイン、10日よりマイニング始動へ

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