WebX完全ガイド
TOP 新着一覧 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

検証可能なクレデンシャルとは=XSL Labs寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

検証可能なクレデンシャルとは

この世に生まれた人間は、等しくアイデンティティを与えられます。アイデンティティがなければ、生活ができなくなりますし、人と区別することができません。人々はそれぞれの苗字、名前、生年月日と出生地を持っています。こういった情報はバイタルレコードに登録するために人から収集されます。身分証、免許証、パスワードなど、アイデンティティを証明する公式な書類のおかげで買い物したり、仕事したりすることができます。

そして、アイデンティティは人の性格についての情報を明かしますが、実は、この記録がなくても、それぞれの人は、生い立ちや経験、趣味、行動によって識別することができます。

GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)第4条により:「(1) 「個人データ」とは、識別された自然人又は識別可能な自然人(「データ主体」)に関する情報を意味する。 識別可能な自然人とは、特に、氏名、識別番号、位置データ、オンライン識別子のような識別子を参照するこ とによって、又は、当該自然人の身体的、生理的、遺伝的、精神的、経済的、文化的又は社会的な同一性を示す一つ又は複数の要素を参照することによって、直接的又は間接的に、識別されうる者をいう」とされています。

この定義では、個人データとは、識別可能な個人に関連するデータです。身分証明書や識別子などの正式な文書がない場合でも、個人と関係するヒントだけで、特定の個人を識別でき、個人のプロファイルに添付されたデータを個人情報と見なすことができます。RGPD(GDPR)によると、アイデンティティは人々の重要な記録に限定されず、心理的な情報が含まれます。

「現実の」世界では、人を識別するのは簡単ですが、(例:ライブラリへアクセスするためには、身分証を見せるだけで入れます)インターネットの場合、実際のIDではなく、プロファイリングを使用してアイデンティティを作成します。データベースに「吸収」されるデータは、GDPRに基づいた行動に関するデータと個人データです。いうまでもなく、個人データは、アイデンティティデータの単純な定義よりもはるかに複雑です。我々の「アイデンティティ・ソリューション」は、SDI、分散型識別子および検証可能なクレデンシャル(資格情報)を使用して構成されています。 (SDIなどの記事はホームページのブログにあります)。

検証可能なクレデンシャル(Verifiable credentials:VC)は、個人を取り巻く「デジタル識別情報」および「証明書」に相当します。例えば、運転免許証または卒業証書は私たちのアイデンティティの一部であり、さまざまな情報を証明するために使用できます(例:特定の種類の車を運転できること、卒業を証明できることなど)。VCはとても便利で、デジタルの世界で、ユーザーが要求した情報を第三者に証明するシステムです。クレデンシャルの改ざんができず、暗号的に証明される情報です。

W3Cワーキンググループ(*1)は、VCの前提と目的をWeb規模で確立しました。ワーキンググループの作業の結果は、2019年11月に「W3C 勧告」の最終段階の目標を達成しました。(*2)

検証可能なクレデンシャルはいくつかの役割を果たします。

所有者(ホルダー): 検証可能なクレデンシャルを持ち、確認が必要の場合、検証可能なプレゼンテーションを生成することができる個人、組織、またはオブジェクトです。

DIDサブジェクト:DIDサブジェクトはVCリクエストを依頼します。DIDサブジェクトの役割を所有者の役割と間違える人が多いですが、未確認の情報は所有者にリンクされます。しかし、場合によっては、親は自分の子のVCを所有することが可能で、ここは所有者が親であり、DIDサブジェクトが子供です。ペット、アイテム等の場合も、可能です。

発行者:所有者に検証可能なクレデンシャルを発行できるものです。

検証者:検証可能なクレデンシャルを認証するために、検証者へ検証可能なプレゼンテーションを提供します。 この役割の詳細は、次の図表をご覧ください。

出典:XSL Labs

このエコシステムは、検証可能なデータベースに依存しています。このデータベースの役割は、もっと流動的なシステムを作成することです。いくつかの集中型・分散型のデータベースがあります。XSL LABSは、ブロックチェーンを使用して機密性の低い情報を保存するおかげで、整合性を保証することができます。

上記の図表の中央には、VCホルダー(所有者)がいます。所有者は、検証者にリクエストしたことを証明できるように、発行者にVCを要求します。

W3Cワーキンググループは、プライバシーとデータセキュリティがVCエコシステムの中核であると考えています。

どんな状況でも、ユーザーが必要最低限の情報を提供する必要があります。コンセプトは、必要な情報のみを含む検証可能な提示を作成することです。

検証可能なプレゼンテーションは、特定の検証者と共有するために、1つまたは複数のVCから派生したデータと結合させます。

たとえば、就職を希望する人は、経験、教育、資格などを証明する必要がある場合があります。既存のVCからの情報をまとめた検証可能な提示が、検証者(この場合は採用担当者)に送信されます。検証者は、申請者の請求が真実であることを確認し、検証可能なクレデンシャルのコンテンツにアクセスすることなく、検証者は情報が信頼できる発行者から来ていることも確認できます。

いくつかのケースでは、ゼロ知識証明(*3)を使用して、検証可能なクレデンシャルを明らかにすることなく、請求を証明できます。例えば、生年月日に関するVCを使用したら、最低年齢を証明することができます。

この全てのコンポーネントは、W3C勧告に記載されている特定の技術標準に準拠しており、テクニカル・ドキュメントにて詳しく説明しています(*4)。これから作成されるシステムの相互運用性を保証しますので、標準に準拠することは非常に重要です。

従って、VCのエコシステムのおかげで、エンティティは属性を含む証明書を取得して、この証明書の所有者になり、要求する他のエンティティと共有するかどうかを選択することができます。

このようなシステムが機能するために、また、エンドツーエンド原理(信頼性)を確保するために、デジタル署名が発行者によって追加されます。このように、検証者は送信された情報の有効性と、信頼できる発行者からのものであることを確認できます。

ここで、VCの発行者、所有者、検証者の分散型識別子の公開鍵が使用されます。SDIなどの分散型識別子にリンクされた公開鍵により、検証者が発行者のアイデンティティと、情報の信憑性を確実に認識していることを保証します。

W3C勧告を超えて、セキュリティはVCエコシステムにとって非常に重要です。このように、送信されるデータと情報の整合性を確保することが含まれます。これは、VCまたはVPのコンテンツが改ざんされていないことを保証するVCのハッシュ(ブロックチェーン上のVCトレース)によって実現されます。

つまり、検証可能なクレデンシャル(VC)はXSL Labsエコシステムの中核です。VCを使用すると、SDI所有者のデジタル・アイデンティティを構築し、ユーザーのプライバシーとユーザーのデータの安全性を守りながら、ユーザー間での「信頼できる相互作用」を保証できます。XSL Labsのエコシステムは、デジタル利用の増加及び、個人データを保護するための規制の進化に対応していきます。

(1)https://www.w3.org/2017/vc/WG/

(2)https://www.w3.org/TR/vc-data-model/

(3)https://www.xsl-labs.org/blog/zero-knowledge-proof-en/

(4)https://www.xsl-labs.org/blog/technical-document-part-3/

SYLは12月2日、Liquidに上場しています。

Google Newsでフォロー
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/25 土曜日
07:10
ストラテジー、ビットコイン保有価値の新指標公表
最大手ビットコイントレジャリー企業『ストラテジー』が、負債と優先株を控除した純ビットコイン保有価値を示す新指標を導入した。株主にとっての実質的な保有価値がより明確になると主張。
06:20
米クラリティー法案、年内成立の確率が30%まで低下=ギャラクシー・リサーチ
仮想通貨市場構造法案クラリティー法について、ギャラクシー社が2026年中の成立確率を30%に引き下げた。上院共和党の賛成票は50票程度にとどまり、採決の見通しは不透明だ。
05:50
米上院版クラリティー法案、7民主党議員が反対 全米警察友愛会は支持
仮想通貨市場構造法案「クラリティー法」の米上院修正草案について、民主党7議員が反対姿勢を示す一方、全米警察友愛会が支持を表明し、法案審議は正念場を迎えている。
05:00
海外仮想通貨取引所29社、韓国グーグルプレイで新規インストール非対応に
韓国のグーグルプレイストアで、OKXやバイビットを含む海外仮想通貨取引所29社が新規インストール不可となっていることが判明した。
07/24 金曜日
18:00
伝統金融とDeFiの融合、新しい金融商品が問う市場の境界線|WebX2026
WebX 2026のパネル「伝統金融×DeFi」をレポート。Wintermute、Gauntlet、イタリア中央銀行が、トークン化やボールト、非ドル・ステーブルコインを軸に、DeFiと伝統金融が交わる市場の境界線を論じた。
17:14
仮想通貨マイニングのプーリン破産申請、負債1億7300万ドル超
プーリンが米ニュージャージー州の裁判所に連邦破産法11条を申請。負債は1億7,300万ドル超に上り、資産売却を経て清算計画の承認を目指す。2021年の中国採掘禁止令や2022年のウォレット危機からの経緯を読む。
16:49
円ステーブルコイン決済の実装期、5社が語る現在地|WebX2026
WebX2026「円ステーブルコインの実装期」セッションレポート。Binance Japan・HashPort・Slash Vision・ネットスターズ・トレーダムが決済実績と普及への課題を議論。
15:47
コンヴァノ、保有仮想通貨87億円分を全量売却へ
コンヴァノが臨時取締役会で、保有する仮想通貨の全量売却方針を決定した。株主優待分を除く全銘柄が対象で、2026年3月末時点の帳簿価額は87億6,674万円。BTCトレジャリー戦略からの転換で、売却資金の使途と今後の展開を読む。
14:38
バウンドレス、AI推論参入 コスト最大50%減目指す
バウンドレスがZK証明用に構築した約4000基のGPU網をAI推論向けに転用すると発表。ハイパースケーラー比で最大50%低コストの推論実現を目指し、ZKCトークンをステークする運営者制度も導入。今夏に本格ローンチする計画。
14:30
ビットコインは「マクロ資産」へ、保有者の大規模再編も進行=バイナンスの2026年上半期レポート
バイナンス・リサーチが2026年上半期のビットコイン市場を分析したレポートを公開した。びットコインは世界の金融環境に左右される「マクロ資産」へ移行したことを示す半年だったと総括している。また、保有者の大規模な再編も進んだ。
14:00
ウィンクルボス兄弟、トランプ支援組織にビットコインで16億円相当を提供
仮想通貨取引所ジェミニ創業者のウィンクルボス兄弟が、トランプ大統領を支援するスーパーPACに16億円相当のビットコインを拠出したことがFEC書類で明らかになった。
13:47
コインベース、AIエージェント向け決済機能を発表 x402採用
コインベースが、AIエージェント向けの決済関連機能を相次いで発表。企業のUSDC決済受け入れやAI活用取引ツール、決済規格x402対応の開発者向けSDKなど3施策を通じ、エージェント経済圏の整備を進める。
13:15
米上場企業Zhibao、新株発行の対価でビットコイン370億円相当を受領へ
ナスダック上場企業Zhibaoが、PIPEファイナンスの対価として約3,500BTCを受け取る非拘束的な基本合意書に署名した。実現すれば買主が取締役会の過半数を握る見込みだ。
10:42
アルパカ、ブロードリッジと提携 トークン化株に議決権行使
アルパカが米ブロードリッジと提携し、トークン化株式の投資家に議決権行使など株主向け機能を提供開始する。Broker APIとProxyVote.comを統合し、議決権行使や開示資料閲覧などができる仕組みを解説する。
10:02
イーサリアム、対ビットコインで割安圏も大底はまだ先か クリプトクアント分析
クリプトクアントはイーサリアムの底値を分析。対ビットコインで割安圏に近づく一方、取引所流入比率など複数指標からは大底がまだ先になることが示唆されると見解を述べた。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧