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イベントレポート:gumi國光社長が語る分散型ネットワークの可能性と、商用利用

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Business Insider Japan主催「仮想通貨の新ルール 〜コインチェック事件を経て、これから何が起きるのか〜」
Business Insider Japan主催のイベント「仮想通貨の新ルール 〜コインチェック事件を経て、これから何が起きるのか〜」が5月30日、東京都内で開催されました。同日にブロックチェーンファンドが報道されたgumi國光 宏尚社長や、Hotaru.Inc篠原ヒロCEOを登壇者に迎え、ブロックチェーンの今後について鋭いディスカッションが行われました。

ブロックチェーンファンドを発表したgumi國光社長登壇

Business Insider Japan主催のイベント「仮想通貨の新ルール 〜コインチェック事件を経て、これから何が起きるのか〜」にCoinPost編集部も参加致しました。

おしゃれな図書カフェスペースで開催された同イベントでは仮想通貨、ブロックチェーン業界の今後について、ブロックチェーンファンドを発表したgumi國光社長や、ブロックチェーン業界では著名なHotaru.Inc篠原ヒロCEOが登壇し、ディスカッションが行われました。

登壇者のお二人がお酒を飲みつつ、和やかな雰囲気でスタートしたイベントは時間が経つにつれて徐々にヒートアップ。2時間ほとんどノンストップでお二人が喋り、深い内容まで踏み込んでお話いただきました。

イベントの一部に焦点をあてて紹介致します。

第1部「アフターコインチェック 日本と世界の仮想通貨市場の現状」

撮影:CoinPost編集部

仮想通貨取引所の今後について

國光氏は取引所について、
将来的にDEXでの取引が中心となっていくだろう。フィアットと仮想通貨の交換としての入り口の部分だけがゲートになっていき、残りはDEXになっていく(と考えている)
との旨を述べ、今後は仮想通貨取引所が現在のような収益力を維持する事について難しいとの意見を述べておりました。

ICOに関するリーガルコスト

篠原氏はリーガルコストについて
ICOに関するリーガルコストを計算すると、凄い金額になると思う。それならばVCに話をした方が早い
と意見を述べ、國光氏も
(ICOに関して)各国ごとの法律の対応が必要になる。リーガルコストだけで数百万後半するのではないか。であるなら、一般的な上場準備をした方がいい
と応じました。

第2部「徹底トーク:仮想通貨の新ルール ブロックチェーンと仮想通貨にこれから起きること」

仮想通貨社会は本当に来るのか

撮影:CoinPost編集部

仮想通貨社会は本当に来るのかという質問に対し、國光氏は
私は間違いなく来ると思っております。仮想通貨、ブロックチェーンの本質的な価値の部分は非中央集権、Decentralizeなところではないでしょうか。

通貨という形、しかもロシア、ウクライナ、東南アジア、中国のような(政府に対する信用力が未だ低い)国から起こってきていた事は偶然ではないと考えておりまして、国家に信用できない、国家からDecentralizeさせたいと考える人が今後もこういった国では増えていく流れになると思います

と述べた他、
通貨という意味での(仮想通貨社会が)来るのか、来ないのかという流れは、グローバル化が今後10年、20年どこまで加速していくかにかかっているのではないでしょうか。グローバル企業、グローバリストが増えていけば、そういった社会が来るでしょう
といった旨の考えを述べておりました。

ブロックチェーンのどんなユースケースから商用利用が始まるのか

「ブロックチェーンのどんなユースケースから商用利用が始まるのか」という議題に対して、國光氏は
スマホゲームが流行った時に、まず最初は家庭用ゲームのようなものを移植しようとしたけど流行らず、スマホでしかできない例えばパズドラのゲームのようなものが流行したように、重要なのはブロックチェーンでしか出来ない事が一番重要ではないでしょうか。

ブロックチェーンでしかできない事で、注目しているのは2つあり、まず一つ目が、ビットコインのようなトラストレスで自律的に動き、Decentralizeなネットワークです。これはブロックチェーンでしかできない事の典型例です。

そして、もう一つは、コンテンツビジネスが根底から変わって行くという事です。インターネット以前のビジネスって本を売る、ゲームのパッケージを売るといったビジネスでしたが、インターネット時代の到来によって、デジタルデータは複製が可能であり、違法に無料で流通し、インターネット以前の時代のコンテンツビジネスとは大きく変わりました。

つまり現在のコンテンツビジネスは、物を直接を売るようなビジネスではなく、ゲームは無料にしてサービスを売るような形に変わったというわけで、Spotifyも音楽を売るのではなく、音楽を見つけやすいといったサービスを売るというように、コンテンツ自体が売れないからサービスを売るといったモデルに変わったのです。

一方で、ビットコインはそれ自体が複製されない唯一無二のデータであり、それでいてトレーダブルで、資産性がある、つまりデジタルデータに価値が生まれたという観点は非常に注目すべき点だと考えております。

との考えを示しました。

分散型ネットワークの可能性

撮影:CoinPost編集部

分散型ネットワークの可能性についても國光氏は
トラストレスで自律的、Decentralizeなネットワークな例を挙げていくとしたら僕らが投資しているThetaというところの例が挙げられます。同社をわかりやすく言えば、AWSの分散型版です。

例えば今のニコニコ動画のような画質ぐらいであれば、データサイーバーを中央集権的なAWSのような仕組みのところでも採算はありますが、ここから4K、8Kと画質が高まっていき、更にはVR動画となると、データ容量は100倍以上にもなります。100倍以上ものデータ容量を今のサーバーコストで換算するとビジネスの採算は合わなくなります。今後、そこまでサーバーコストが安くなる事に関しても疑問を持っております。

そこで先ほど例にあげたThetaがやっている事になるのですが、PtoPでみんなの空いているリソースをシェアリングしていくような試みをしております。これまでPtoPの動画配信の仕組みってWinnyであったり、ビットトレントがありましたが、これは上手くいかなかったと思っております。

これが上手くいかなかった、成立しなかったのはユーザーがダウンロードする時は使うけれど、アップロードには非協力的であった為、ネットワークがイコールにはならなくなって、ワークしなかった。ブロックチェーンの仕組みではインセンティブが非常に重要で、ネットワークを繋ぎっぱなしにしていると、マイニングと同様にトークンが入っている事は非常に興味深い仕組みです。

マイニングもそうですが、ネットワークの信頼性を担保する為にユーザーがリソースを提供しているのではなくて、利己的な欲のためにユーザーがリソースを提供する事でネットワークが成立している。これが自利的で非常に面白い仕組みなのです。

Winnyであったり、ビットトレントが上手くいかなかった理由は人の善意に頼った為であると考えているのですが、人は利己的な生き物です。でもThetaの仕組みを使うと、ネットワークに接続しリソースを提供するだけでインセンティブがもらえるような形ができるわけです。

これから4Gから5Gに移行していくと、みなさんのスマホはネットワークに繋がっていくでしょうし、今現在ほとんどスマホやPCのリソースってたくさん余っていますが、皆さんがリソースを出し合えば、AWSを超える仕組みができるのではないでしょうか。

と語りました。

まとめ

2時間ほとんどノンストップのディスカッション。登壇者のお二人がお酒が少し入っていたこともあり、ここでは触れられないような自粛内容(?)も多く、非常に盛り上がったイベントで、イベント終了後は参加者から「本当に今回のイベントは面白かった!」「ここ最近で参加したブロットクチェーンイベントの中で、一番良かった」との声も聞かれ、筆者も全く同様の意見です

CoinPostもそうなのですが、メディアがイベント主催する意義は難しいものがあります。しかし、今回Business Insider Japanさんのイベントはメディアだからこそ開催できる、トークできるイベント内容であり、非常に開催運営の部分でも勉強になりました。

Business Insider Japanさん、今回参加させていただきましてありがとうございました!(イベントで販売していた本も購入させていただきました!)

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