- 仮想通貨市場は回復傾向
- 仮想通貨市場は、24時間で130億USD(1.42兆円)の時価総額を回復。仮想通貨投資ファンド「Pantera Capital」のCEOであるDan Morehead氏は、5年間で仮想通貨産業は年率165%の成長率で急伸していること、機関投資家の資金流入前であることを理由に、年末には2万ドル(約215万円)になると予想しています。
- メインネット移行通貨が急上昇トレンド入り
- EOSやTRONなど、メインネット移行通貨の高騰が目立つことで、今後移行予定の通貨であるZILやONTの相場状況を良くしている可能性も。
- メインネットとは
- 市場における実際の取引データが収納されているブロックチェーンのこと。TRONやEOSなどのイーサリアムネットワーク上で機能していた仮想通貨が「独自のネットワーク」で機能するようになることで、メインネットへの移行成立となる。
仮想通貨市場は、24時間で約1兆円を大きく超える時価総額の回復を記録しました。
coinmarketcapのデータによると、2日の7時30分時点で3300億USDであった時価総額は、3日7時30分時点では3430億USDまで続伸し、24時間で130億USD(1.42兆円)の時価総額回復となりました。
日本時間3日の正午の時点では、時価総額が3450億USDと堅調に価格を維持しています。
BTCの価格は前日比1.6%ほどのプラスに留まっているものの、BCHが8%、EOSが16%、ZIL、ONTは10%の高騰を遂げ、時価総額が高い通貨が市場全体の回復を支えています。
ビットコインの底値ラインは
5月7日から続いた仮想通貨市場全体の下落は29日にBTC価格が78万円を記録した後に留まり、現在は少し価格を盛り返して同価格帯で揉んでいる、いわゆるレンジ相場と言えるでしょう。
上図の赤枠で示すように、BTC/JPYは大きな高騰は見受けられないものの、現在84万円のラインまで到達、堅調なラリーを継続しています。
現在のBTCの価格推移を鑑みると、価格回復が今後も継続するとの見方が強く、状況次第では5月29日の78万円が底値となる可能性があります。
しかし取引量の増加など、大きな価格高騰への足がかりが必要な状況ではあるため、再度70万円に突入した場合は注意が必要となるかもしれません。
BTC テクニカルアナリスト ウィリー・ウー氏は5月26日、BTCは6000ドル(約65万円)を切る可能性が高く、しばらくは5500~5700ドル(およそ60万円~62万円)の間を彷徨うと流通するすべての仮想通貨の市場価値と取引量を用いて指摘しましたが、3月以降落ち込んでいるBTCの取引量の推移は今後の価格推移を見る上でも重要となるでしょう。
また、底値予想とする一つの根拠として、仮想通貨やフィンテック関連に注力している投資ファンド、Pantera CapitalのCEOである、Dan Morehead氏は、仮想通貨の下落状況をビットコインの買い場と捉えています。
Dan氏は、5年間で仮想通貨産業は年率165%の成長率で急伸していることと、一般市場の機関投資家による、資産の流入が仮想通貨市場には起こっておらず、依然として過小評価されている段階であることを挙げました。
これらを理由に、年末には2万ドル(約215万円)になると言及し、現在の価格は買い時であると言及している。
メインネット移行通貨が高騰トレンド入りか
ここ数日高騰しているEOSやTRONは、ERC20ネットワークから独自メインネットへの移行をした通貨になります。
メインネットを移行するにあたり、トークンの変更手続きなどが必要になる場合があるので、保有している投資家は注意が必要です。
これらの通貨は、ICOを行う際のトークン発行としてイーサリアムブロックチェーンを利用し、プロジェクトの本格始動に伴う形で、メインネットへの移行を行なっています。
これからも数多くのERC20トークンがメインネットへの移行を表明、移行日程が近付く中、すでに移行開始したEOSとTRONの高騰が、今後移行予定の通貨であるZILやONTにとっても、相場状況の追い風となる可能性があります。
特に上昇値が顕著なEOSは、メインネット移行以外の材料として、EOS.ioの開発支援を行うための投資企業「SVKクリプト」と提携、5,000万ドル(55億円)規模のファンド立ち上げたとする発表が、価格の高騰を後押しした形となりました。
CoinPostの参考記事
XRPのBTCペア建取引の減少
仮想通貨「XRP(リップル)」のデータを開示するxrpchartsのデータにて取引高上位の4取引所を見ると、XRPのBTCペアの取引が減少、JPYやUSDTとの取引ペアが大きなシェアを占めていることがわかります。
特に世界中で取引されている「Binance、Okex、Huobi」の3大取引所は、XRPだけでなくBTCなど主要通貨を中心にUSDT取引の需要が増加傾向にあります。
また、2018年5月のXRP取引高1位を達成した日本の取引所「Bitbank」では、世界のXRP取引量の内、16.7%となるJPY取引が占めており、月間XRP取引量世界1位をマークしたことを発表しています。
先日、Ripple社CEOのGarlinghouse氏は、『ビットコインの価格とその他の通貨の価格が(過剰までに)強い相関関係にある現状は、人々が各通貨の差異に気づくに連れて、間もなく終わりを迎える』と言及しました。
現状多くの通貨は、ビットコインの価格変動にそれぞれの通貨の価格が吊られる形で変動し、必要以上に強い相関関係が指摘されています。
Garlinghouse氏は、人々が各通貨の違いを理解して動くなど、それぞれの通貨に対する理解が進むことで、中身のあるプロジェクトへの個別評価が進むと言及。
このようなBTCペアにおける現象が進むことも、個別通貨に対する評価がより直接的に市場価格へと反映される状況を作り上げることに繋がるため、投資家にとっても良い傾向と言えるでしょう。
CoinPostの参考記事