「新テクノロジーを後押しすることが目的」
米ニューヨーク市のエリック・アダムス新市長は23日、改めて暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)で給与を受け取ったことの目的を説明した。
アダムス市長は、事前に宣言していた通り、最初の給与をビットコインとイーサリアム(ETH)で受け取っていたが、タイミング悪く、受取直後に仮想通貨市場が急落していた。
Asked if he has any regrets about getting his first paycheck in Bitcoin since the market for it has gone down pretty drastically, Eric Adams says "the purpose of the Bitcoin is to send a message that NYC is open to technology." pic.twitter.com/5jiTeNN7j9
— Aaron Rupar (@atrupar) January 23, 2022
CNNのキャスターはこの件について「下落の直前に受け取ったことを後悔はしていないか」とアダムス市長に質問。同氏は、「長期投資を考えているならば、一時的な損失が回復することもある」との認識を示し、次のようにコメントした。
ビットコインで給与を受け取ったのは、ニューヨーク市が新興技術にオープンであることを伝え、若い世代が、こうした新たな市場に参与することを後押ししたかったからだ。
この都市の将来と次世代の若者に新たな技術へのアクセスを提供することに期待している。
アダムス市長は21日にも仮想通貨で給与を受け取った直後に「約束を果たした」と動画を投稿。この中でも「ニューヨークは、イノベーションと新しいアイデアの中心地となるべき」と述べていた。
Promise made. Promise kept. pic.twitter.com/rSafDZDViN
— Mayor Eric Adams (@NYCMayor) January 21, 2022
アダムス市長は、21年6月の予備選挙の時点ですでに、こうした考えを表明。ニューヨーク市が「生命科学を始め、サイバーセキュリティ、自動運転車、ドローン、ビットコインの中心地となる」と演説していた経緯がある。
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米国では、雇用主側が直接に、仮想通貨で給与支払いを行うことはできないため、アダムス氏は給与の仮想通貨受取を可能とするコインベースのサービスを使用すると説明していた。
なお、ニューヨークでは、草の根でコミュニティ独自の仮想通貨を発行する、シティコインプロジェクトも始動。ニューヨーク市自体が運営しているわけではないものの、調達した資金を地域発展に活用することもできる仕組みだ。
シティコインの取り組みはフロリダ州のマイアミやテキサス州の州都オースティンなどでも行われている。
CityCoinとは
仮想通貨スタックス(STX)のプロトコルを用いて地域通貨を発行するプロジェクト。マイナーはSTXをプロトコルに送信して入札し、その額に応じて、地域コインを受け取れる仕組み。自治体が同意すれば、その自治体の所有するウォレットに収益の一部を配布することができる。
▶️仮想通貨用語集
仮想通貨支持を表明する政治家
最近、政治の世界でビットコイン支持を表明しているのはアダムス氏だけではない。一例としては、オハイオ州で共和党の上院議員に立候補したジョシュ・マンデル氏がいる。
States that submit to the authority of Almighty God // states that don’t
— Josh Mandel (@JoshMandelOhio) December 28, 2021
States that are pro-family // states that aren’t
States that invest in #bitcoin infrastructure // states that won’t
Ohio must be a pro-God, pro-family, pro-bitcoin state.
I promise we will be.
マンデル氏は「オハイオ州は神、家族、ビットコインを支持する州になるべきだ」とツイートした。
また、フロリダ州のロン・デサンティス知事は21年12月、同州の企業が、仮想通貨で州費を支払うことができるようにするシステムを検討していると発表した。