ウクライナでテザー需要増加 ロシアの侵攻受け

テザー(USDT)の需要増加

ウクライナの中央銀行は24日、ロシアの侵攻にともない金融機関に関する緊急決議を発表した。その中で外貨市場や「電子マネー」の発行・分配を一時停止することを命じている。

また同日、ウクライナの法定通貨とテザー(USDT)の取引ペアの出来高が10月以来の高水準となった。

暗号資産(仮想通貨)データ企業Kaikoによると、ウクライナ・フリヴニャ建てのテザー取引量は24日、2つの仮想通貨取引所で850万フリヴニャ(約3,300万円)を超えたという。ウォールストリートジャーナルが報じた。

テザーは、米ドルと紐づけられたステーブルコインであり、ウクライナで外貨へのアクセスが難しくなる中、需要が高まっている模様だ。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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ウクライナ中銀の決議

ウクライナ中銀は決議の中で、24日からの一時的措置の一環として、次のように述べた。

金融機関は、電子マネーの発行、デジタルウォレットへの電子マネーのチャージ、電子マネーの配布を一時停止すること。

「電子マネー」がビットコイン(BTC)など仮想通貨も対象範囲とするかどうかは、現在不明だ。PayPalなどの送金アプリで保有されているような法定通貨のことではないかと推測する声もある。

決議は他に、外国為替市場の運営停止、消費者の外貨引き出し停止、為替レートの固定、銀行からのユーザー資金引き出しに上限を課すこと、国際的な外貨支払の原則的停止などを定めた。なお、銀行は制限のもとで業務を継続、ATMの現金に関する機能も維持されるという。

ウクライナへの寄付が活発化

ウクライナ情勢の緊迫化を受けて、同国へ寄付する動きも活発になっている。

大手仮想通貨取引所FTXは25日、プラットフォーム上のウクライナ人ユーザーに25ドル(約2,800円)を配布することを発表した。

また、ウクライナの国軍や民間人を支援する団体への寄付は急増している。一例として、ウクライナ軍を支援するNGO「Come Back Alive」が受け取った寄付額は24日だけで約40万ドル(約4,620万円)に達したと伝えられる。

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Kaikoの分析

仮想通貨通貨データ企業Kaikoは23日、地政学的なリスクが高まる中、ゴールド(金)と紐づけられたステーブルコインの取引高が上昇していることも指摘していた。

PAX Gold(PAXG)の取引量は9月以降ほぼ倍増しており、Tether Gold(XAUT)の取引量もわずかに増加傾向にあると分析している。

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