ブロックチェーンツールを使用
ニューヨーク州のKathy Hochul知事は2日、同州の金融サービス局(NYDFS)による対ロシア制裁の執行強化策を発表した。ブロックチェーン分析ツールの迅速な追加調達を含む措置を講じていく。
同局は以前より、データ主導型の金融サービス規制に関する取り組みの一環として、多くの分析ツールやサービスプロバイダーを検討してきた。
今回、調達が予定されているブロックチェーン分析ツールは、暗号資産(仮想通貨)業者とロシアの制裁対象業者(個人、銀行、その他事業体など)間の取引の検出・監視を強化するためのもの。
「調達プロセスを加速させることは、当面の危機(ロシアの制裁逃れ)と、それ以降におけるマネーロンダリング(資金洗浄)防止法および銀行機密保護法の施行能力を強化するための重要なステップとなる」と説明している。
ウクライナとロシアの戦争をめぐって、世界各国から課せられたロシアへの制裁を背景に、ロシア・ルーブル(RUB)建て仮想通貨出来高が急増したことから、仮想通貨が制裁逃れの手段として利用される懸念が挙がっている。
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ただ、専門家の間では、仮想通貨による制裁逃れの可能性は低いとする見方もあり、今回のツール導入に関する措置は、これらの問題の明確化に繋がるかもしれない。
ウクライナへの協力的な姿勢
Hochul知事は先日、ニューヨーク州の全ての機関・当局に対して、ロシアからの公的資金の見直しと売却を指示。また、州へのウクライナ難民受け入れを約束した。
「私たちはウクライナの人々と肩を並べ、ロシアの不当な攻撃に対し、米国による対ロシア制裁を強化するために引き続き役割を果たすつもり」として、ウクライナへの協力的な姿勢を見せている。
また金融サービス局のAdrienne A. Harris氏は、ロシアの仮想通貨による制裁逃れの可能性があるとした上で、「リアルタイムで取引と資金を監視する能力が不可欠」と説明。
「連邦政府や他の州の規制当局と緊密に連携し、規制対象業者とコミュニケーションを取りながら、ウクライナ保護のために、我々の規制体制の総力を挙げ続ける」とした。