はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

「有事のビットコイン」説復活なるか、BTC相場はさまざまな意味で重要局面 仮想通貨・週次市況(bitbank寄稿)

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(2/26〜3/4)の仮想通貨相場

今週のビットコイン市場は一時35,000ドルを突破するなど堅調な動きを見せるも、ロシア軍がウクライナにあるザポロジエ原子力発電所に侵攻したことなどを受け価格は反落。約38,600ドルにまで急落している。


目次
  1. 各市場の騰落率
  2. bitbank寄稿

各指標の騰落率一覧

4日の終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。

週間騰落率

月初来騰落率

月間騰落率

年初来騰落率

年間騰落率

(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)

(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)

2/26〜3/4のBTCチャート

Tradingview

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

2/26〜3/4レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は、週明け28日に上値を追う展開を演じた後、520万円周辺で上値を抑えられ、4日正午時点では上値の重い展開に転じ、上げ幅を縮小する展開となっている。

週末にプーチン露大統領が核抑止部隊に特別警戒令を出したことで緊張感が高まり、BTCは4万ドル水準となる460万円から反落し440万円を一時割り込んだ。しかし、28日米市場寄付き前にバイデン政権が露中銀との取引停止と資産凍結の追加制裁を発表すると、ルーブル防衛失敗による暗号資産(仮想通貨)への逃避が想起され、相場は上値を追う展開となり460万円を突破。この日行われたロシアとウクライナの最初の停戦協議は、成果こそ出なかったものの次回協議の余地を残して終わったことも安心感につながったか、相場はそのまま500万円周辺まで上値を伸ばした。

3月1日のBTC相場は、米株の下落に上値トライを阻まれるも、欧州の包括的仮想通貨規制方針となる「MiCA」草案からPoWアルゴリズム禁止の文言が取り消されたことが好感され、500万円周辺で底堅い推移となった。

一方、その後もBTC相場は520万円上抜けを試すも、米時間2日に行われたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言で、ロシアによる仮想通貨を駆使した制裁逃れが指摘され、パウエル議長も規制への呼びかけを行なったことが嫌気され、再び上値トライに失敗。3日にはクリーブランド地区連銀のメスター総裁が、ウクライナでの戦争の影響による物価上昇圧力を懸念しタカ派な発言をしたことで、相場は500万円を割り込み、4日東京時間にロシア軍がウクライナ南東部にある欧州最大級の原子力発電所ザポロジエを砲撃し、火災が発生しているとの報道が転がり込むと、相場はさらに下げ足を速め、480万円を割り込んだ。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

東京市場4日の後場には、ザポロジエの火事は鎮火されたとウクライナ緊急事態庁が明らかにし、リスクオフムードは徐々に後退しつつある。ただ、今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合が迫る中、メスター総裁が政策金利の引き上げ加速に言及した。その前日には、パウエル議長が今月のFOMC会合では25bpの利上げを支持する意向を示していたが、3日の上院議会証言では、インフレ対策に「もっと早く動いていればよかった」とも発言しており、二日間に及んだ議会証言では政策引き締め加速への余地を残しつつ、淡々とこれまでの引き締め方針を実施していくとの印象が強かった。

現時点ではウクライナ情勢を受けた引き締めペース減速を支持する当局者の声もなく、4日の雇用統計と10日の消費者物価指数(CPI)の結果次第では比較的ハト派な当局者のタカ派傾斜も視野に入るか。来週からは当局者のメディア・ブラックアウト期間に入るため、ウクライナ情勢も含め身動きが取りにくい状態が続きそうだ。

ただ、ルーブル暴落で仮想通貨のルーブル建て取引が増加する中、先進国各国による対露経済制裁はエスカレートし続けており、ルーブルがもう一段と下落することがあれば、28日のようなBTC相場急伸シナリオもあり得るか。4万ドル水準となる460万円以下ではショートポジションが蓄積された公算が高く、中期レジスタンスとなっている520万円の突破に成功すれば、ショートの踏み上げで上昇に勢いが付く可能性もあろう。

対ドルで4.5万ドルとなる520万円水準を背に、BTC相場は安値圏で安値を切り上げつつアセンディングトライアングルを形成しているが、「有事のビットコイン説」を復活させることができるか、さまざまな意味で重要な局面と言えよう(第2図)。

第2図:BTC対ドルチャート(日足)出所:Glassnodeより作成

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ウクライナの軍事衝突でビットコイン一時急落、利上げ幅を巡る不透明感も依然燻る

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/12 火曜日
20:03
米ウォーレン議員、仮想通貨規制強化を求めトランプ政権の影響に懸念
米民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は米国には強力な仮想通貨規制が必要であると主張し、共和党主導の規制は業界への便宜供与であるだけでなく、トランプ大統領の腐敗を助長すると警告した。
17:54
ビットフライヤー、イーサリアムのステーキングサービスを開始
仮想通貨取引所ビットフライヤーがイーサリアム(ETH)ステーキングサービスを開始。年利2.03%で毎週報酬付与、資産ロック不要でいつでも売却・送付可能となっている。
17:00
「Web3決済の社会実装へ」UPCXのCEOが語る実用化戦略|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のタイトルスポンサーとしてブース出展を決めた、UPCX中野誠CEOの独占インタビュー。2016年からブロックチェーン開発に従事し、日本の暗号資産取引所への上場を実現。WebX 2025での展示内容や決済分野でのWeb3実装について聞く。
15:05
CEAが240億円相当のBNB購入 IPトークンの仮想通貨トレジャリー企業も登場
CEAが仮想通貨BNBトークンを240億円相当購入し、BNB財務戦略を進めている。一方、ヘリテージはストーリープロトコルのIPトークンを120億円相当購入する計画だ。
13:02
メタプラネット、約90億円でビットコインを追加購入
株式会社メタプラネットは2025年8月12日、仮想通貨ビットコインのトレジャリー事業の一環として518BTCを追加購入。保有量は18,113BTCに達し、戦略的な財務運用が続いています。
11:00
ビットマインのイーサリアム保有量7000億円突破 「5%の錬金術」戦略進める
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が7,350億円相当を突破。100万ETH超を保有する初のトレジャリー企業になった。シャープリンクも新たに資金調達しETH蓄積を進める。
09:51
ジェフ・ベゾス氏のブルーオリジン、仮想通貨決済を導入
Shift4は、ジェフ・ベゾス氏の米宇宙開発会社ブルーオリジンのニューシェパードへの搭乗に仮想通貨決済を導入したことを発表。ビットコインやイーサリアムなど対応銘柄の例も挙げた。
08:57
トランプ一族関連のWLFIトークンの財務戦略、仮想通貨企業ALT5が開始へ
トランプ一族関連のWLFIトークンの財務戦略を開始することを仮想通貨フィンテック企業ALT5が発表。資金調達を行い、総供給量の約7.5%を保有する計画だと述べている。
08:52
ビットコイン最高値圏から反落、米CPI発表を前に警戒感強まる|仮想NISHI
アナリスト仮想NISHIのビットコイン最新相場分析。過去最高値から反落の背景と今後の展望。米CPI発表前の市場心理、イーサリアムとの連動性、オプション市場動向を専門アナリストが解説した。
08/11 月曜日
19:45
エルサルバドル、新法可決でビットコイン投資銀行実現へ
エルサルバドルが投資銀行法を可決し、機関投資家向けビットコイン投資サービスが解禁となる。投資銀行の設立条件は、最低資本金5000万ドルで、25万ドル以上の資産保有者がサービスの対象となる。
18:45
トランプ政権、仮想通貨評議会高官が退任 民間復帰へ
米ホワイトハウス仮想通貨評議会のボー・ハインズ事務局長が退任し民間復帰する予定だ。同氏はトランプ政権の仮想通貨政策報告書作成をデビッド・サックス氏と共に主導していた。
09:30
アーサー・ヘイズ、先週売却のイーサリアム買い戻し 予想外の相場上昇で方針転換か
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏は先週売却したイーサリアムなどの銘柄を買い戻した。短期下落予想が外れ、ETHは4,200ドルを突破して7日間で約20%上昇している。
08/10 日曜日
12:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、リップル裁判終結やイーサリアム関連の投資根拠分析など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン1730万円台回復、利下げ期待で反発も来週CPI警戒|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン相場はFRB人事のハト派傾斜や利下げ期待で1730万円まで回復。雇用統計下振れによる景気後退懸念から一時1660万円まで下落したが、トランプ政権の仮想通貨政策やETF資金流入回復で持ち直し。来週のCPI発表がカギ。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米401k仮想通貨投資解禁の大統領令に高い関心
今週は、アーサー・ヘイズ氏と金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏によるビットコイン下落可能性の指摘、トランプ大統領による米401k仮想通貨投資解禁の大統領令への署名に関するニュースが最も関心を集めた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧