ロシア銀行協会、自己管理型仮想通貨ウォレットの違法化を提案

自己管理型ウォレットを違法化する提案

ロシア銀行協会は、自己管理型の暗号資産(仮想通貨)ウォレットで資産を保有することを違法化する提案を行った。

同銀行協会が、ロシアの中央銀行や財務省などの政府機関に書簡を送付し、その中で仮想通貨取引所の口座以外で仮想通貨を保有し、そのことを申告しなかった場合に刑事罰を科すべきと唱えた格好だ。地元メディアIzvestiaが報道した。

ロシア銀行協会とは

ロシアの全国的な銀行連合。同国の大手信用機関、外資系銀行、地銀、金融機関や銀行組織にサービスを提供する非銀行組織、公共機関、マスメディアなど300以上の会員から成る。銀行セクターの信頼構築、業務効率化、平等な競争などを推進している。

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ロシア銀行協会の幹部Anatoly Kozlachkov氏は、この提案はロシア内務省と協議して策定したと述べている。同氏は、現在の方針について次のように話した。

現在、当協会は、自己管理型ウォレットを所持しているというだけで罰するのではなく、権限のある機関にウォレットの鍵を提供しないことに対して刑事責任を問うべきであるという、民法に基づくアプローチに傾いている。

こうしたアプローチでは、ある債務者が自己管理型ウォレットを持っている場合、その鍵を当局に渡すか、デジタル通貨の形で財産を隠しているとして処罰されるかを選択させることができる可能性があるという。

自己管理型ウォレットとは

取引所などではなく、自分で秘密鍵を管理して資産を保有するために使用するウォレットのこと。「自己ホスト型」や「セルフカストディ型」などと呼ばれることもある。

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提案の背景

背景としては、自己管理型ウォレットに債務者や犯罪者の資金が保管されている場合、回収に困難が生じることを懸念している格好だ。自己管理型ウォレットでは、仮想通貨の所有者が匿名で、所有者の同意なしに操作を行うことが技術的に困難であり、資産没収などの法的執行が非常に難しいとしている。

また、ロシアに仮想通貨が流通する「閉ざされた回路」を作るという課題も提案の動機になっているという。

ロシア銀行協会は、自己管理型ウォレットに存在する仮想通貨に対して法的執行を行うための効果的なシステムなしに、そのことは不可能だと主張している。

提案への批判

銀行協会の提案は、仮想通貨規制に関する議会のワーキンググループの専門家会議でも発表された。ロシアの国会議員や市場関係者からは、刑事罰を科すという考えに対して批判の声が上がっている。

ワーキンググループの副代表であるAndrei Lugovoi氏は、銀行協会の懸念は理解できるが、その提案は、仮想通貨市場に法的根拠を与える妨げになると述べた。

また、法律の専門家Andrei Gusev氏も、仮想通貨を特定の個人に結びつけることは技術的に可能であり、刑事罰ではなく、厳しい行政処分を与えることで十分だと意見した。税制上の優遇措置や、行政上の罰金も資産を隠匿させないためのインセンティブになるはずだとしている。

ロシアでは仮想通貨規制に関する議論が活発になっているところだ。ロシア財務省は先日、仮想通貨についての法案をロシア政府に提出したと発表した。

この法案は、仮想通貨市場に関する、包括的な規制の構築を規定するもので、デジタル通貨は「通貨以外の決済手段、および投資手段」としてロシアで受け入れられるとする。仮想通貨マイニングに関する規定も明確化するものだ。

関連:ロシア財務省、仮想通貨の包括的規制法案を提出

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