仮想通貨市況
米NY株式市場では、ダウ平均株価が3営業日ぶりに上昇した。米長期金利(10年債利回り)の低下を背景に「ドル売り円買い」が優勢となったほか、ダウやナスダック総合株価指数など主要株価指数が一斉反発した。
これに伴い、26日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格が前日比+3.27%の517万円(40,537ドル)と反発。
デリバティブ市場で売りポジションの増加傾向が確認される中、結果的に38,000ドル付近のサポートライン(下値支持線)がワークした。昨今では米株指数との相関係数が高まり地合いの影響を色濃く受けるなど、主体性の喪失が目立つ。
オンチェーンデータ分析
FRB(米連邦準備制度)の金融引き締め加速懸念が強まるにつれ、金融市場の地合いが急悪化。これに伴い、米株指数やビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)相場は3月下旬以降大きく下落している。
弱気を鮮明にする中、少なくとも暗号資産(仮想通貨)オンチェーンデータ上では、いくつかの買いシグナルも出始めている。
Santimentの提供する「MVRVレシオ」によれば、イーサリアムは-10%から-15%未満の「オポチュニティゾーン」に達した。
MVRVは、投資家の平均利益/損失を評価するために用いられるインジケーター。-10%未満の水準は、損失(含み損)を抱えた短期保有者が売却(損切り)していることを示唆する。相場サイクルの底値圏ではさらなる売却リスクが比較的低く、長期保有者がポジションを積み増す傾向があるため、買いの好機と呼ばれることがある。
30日間平均で見た場合、2月24日と3月7日のローカルボトム形成後は、いずれも2週間以内に約30%上昇した。
Phoenix氏はGlassnodeのデータを元に、主要取引所におけるビットコインのネットポジション(買いと売りの差)が、力強い「買い集め」を示唆していると指摘した。
21年5月〜6月や21年11月〜12月は、大口投資家の「売り抜け」を示唆するデータが抽出されていた。
その一方、5月上旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)の発表前後は相場の不確実性がより高まることが想定され、ボラティリティ(価格変動性)が急上昇するおそれがあるため注意したい。
アルトコイン市場の動向
ドージコイン(DOGE)が、一時前日比26%急騰した。
Twitterには、すでに仮想通貨ビットコインとイーサリアム決済をサポートするインフラストラクチャ(投げ銭機能:Tips)が実装されていることから、ドージコインの主要支持者として知られるイーロン・マスクCEOの動向が思惑買いを集めたものとみられる。
最初にTwitter株の大量保有報告が発表された4月14日には、DOGEの取引高は前日比145%急増している。
Twitter社は26日、テスラのイーロン・マスクCEOからの440億ドル(5.6兆円)規模の買収提案を受け入れる方針で合意したと発表した。浮動株の9.2%にあたる大量保有報告を出す直前(22年4月1日)のTwitter株終値に38%のプレミアムを乗せ、1株あたり54.20ドルで買収する最終合意に達した。
Twitter社は規制当局の承認を終え、買収が完了次第、株式の非公開化により非上場企業となる見込み。提供する最大手SNSサービスTwitterの1ヘビーユーザーでもあるイーロン・マスクCEOは、直近のTwitterの規制強化ポリシーに「言論の自由」の観点から反発していた。
Twitterのサービス面については、ユーザーエクスペリエンス変更のほか、新機能導入やアルゴリズムのオープンソース化、蔓延するスパム(不正bot)対策など複数の改善案を示唆している。
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