CoinPostで今最も読まれています

マイクロソフトが企業のブロックチェーン採用に革命をもたらすか?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マイクロソフトの新システム「Coco Framework」
マイクロソフトがブロックチェーンを企業に採用しやすくするための新たなシステムCoco Frameworkを発表しました。
ブロックチェーンの欠点を補う
既存のブロックチェーン技術の欠点を補ったうえで企業の採用を促します。
大手企業からも注目を集めている
すでに大手企業とのサポートが決定しており、期待感が伺えます。

ブロックチェーンはデジタルトランスフォーメーションにより企業が業者や消費者、いろいろなパートナー間に新たな変化をもたらす可能性を秘めた革命的な技術です。

ますます多くの企業がブロックチェーンに投資をし、それは資産の所有者の割当に透明性を与えやビジネスプロセスの共有、更には新しいビジネスモデルの開発や他の企業とのコラボレーションを可能にします。

マイクロソフト社はブロックチェーンの採用を決定し、それに伴い消費者やパートナーそしてブロックチェーンコミュニティとともに未来の企業のあり方への準備に目を向けて話し合いを進めています。

弊社の使命は、スタートアップから小売業者、保健医療供給者、グローバル銀行まであらゆる企業がビジネスプロセスの共有の仕方を革新的によりよいものにするために利用できる、自由度が高くより大きなプラットフォームとサービスを提供することにあります。

企業がブロックチェーン技術を採用しビジネスニーズを満たそうとする中、既に存在する多くのブロックチェーンは企業が必要とする最低限の性能、秘密性、管理体制、そして処理能力がまだ完全には備わっていないことが懸念点であることがわかりました。

なぜならブロックチェーンが元々のシステムが匿名で信頼性のない不透明なものに最大の透明性を与える形で設計されたものであるからでしょう。

これにより取引履歴は全ての利用者に公開された上でネットワーク内の全ノードの取引が行われるため、誰もが認められるアルゴリズムを採用する必要があることは明確です。

このような既存のブロックチェーンの性質を利用するためには主要企業がスケーラビリティや機密を代償にしなければなりません。

既存するブロックチェーンプロトコルを適合させるにしろ、ニーズに合わせた全く新しいプロトコルを作り出すにしろ、企業はなんらかの犠牲をしなければならないのです。

秘密性を改善するためにはより複雑になり、処理能力自体の低下という問題を引き起こすこともこのような問題の一つです。

企業のブロックチェーン採用を促進化

本日、私(著者:マイクロソフトAzure CTO マーク・ルシノビッチ氏)はCoco Framework(ハイスケールかつ企業がブロックチェーンネットワーク内で要する必要条件全てを満たしたオープンソースシステム)を発表できることを光栄に思います。

これにより企業がブロックチェーンのシステムを採用することを促進させることは明白でしょう。

Cocoはノードとアクターの明確にして管理した上で機密性を持たせることでこれらの企業の必要としている部分を補います。

要するにCocoは既存のブッロクチェーンの利点であるセキュリティと普遍性を犠牲にせず、企業が必要とするスケーラビリティや分散管理また機密性の部分の強化を可能にし多くのニーズに答えます。

現存するブロックチェーンプロトコルやIntel SGXおよびWindows Virtual Secure Mode (VSM)を利用し、Cocoはブロックチェーンネットワーク内で以下の点を企業に提供します。

  • 処理容量と待ち時間の改善
  • より豊富で柔軟性のあるビジネス特有の機密性モデル
  • 分散管理によるネットワーク上のセキュリティの向上
  • 非決定的な取引をサポート

Cocoはこれらの性能によって、既存のブロックチェーンプロトコルを統合させ企業対応のレッジャーソリューションを提供し、ブロックチェーンビジネスを強化する信頼性の高い基盤を提供します。

弊社はすでにCocoが活躍できるであろう小売、供給チェーン、金融などの多数の業界での調査を開始しています。

『Coco frameworkによって現存の供給チェーン‘Dapp code’をより円滑に機能できるようになることは企業の業績向上や、小売りのお得意先にブロックチェーンの導入の話を持ち出すとき円滑に話をすることにつながり対応性の向上にもつながります。

代償を伴わずデータの機密性を高めることができるのは、私たちが想定している技術変化をより早くより的確に採用できることを意味します』そう述べる、Mojix社グローバルリテールビジネス開発部副社長 トム・ラチェッテェ氏。

顧客がの貿易や金融ソリューションを設計したいときやブロックチェーンを使用してセキュリティを確保したいとき、またEnterprise Smart Contractを活用してオフィスの効率向上を目指すときなどの全ての条件にCocoは活用できます。

マイクロソフトは、ブロックチェーン上に構築されている幅広いアプリケーションに対してAzureシステムを提供し、社内と公共部分の一貫性を大きなスケールで提供する唯一のクラウドソリューションです。

An open approach

設計上、Cocoは一般化されておりどのブロックチェーンプロトコルにも対応します。マイクロソフトはすでにCocoをイーサリアムに組み入れており、J.P. Morgan Chase、Intel、R3がエンタープライズ・レッジャーであるQuorum、Hyperledger Sawtooth、Cordaと提携すると公表しました。

これは始まりにすぎず、弊社は更なる企業との統合を模索しています。

『マイクロソフト社のCoco Frameworkは高い拡張性と機密性を意味し、ブロックチェーンシステムの新たな土俵で重要な役割となるイーサリアムや他のブロックチェーンネットワークを促進させるでしょう』とConsenSys創業者ジョセフ・ルビン氏は述べる。

私はCocoが活躍できるのはブロックチェーンイノベーションを促す多様性に溢れたオープンソースコミュニティだけだと信じています。CocoはAzureとMicrosoft Reearchの共同で開発されましたが、すでに無数の消費者やパートナーによる支持を得ています。

Cocoを一般公開することにより私たちが当初想像した以上の開発ができたため、ソースコードを2018年初旬にコミュニティに公開する予定です。

Cocoは設計上どのレッジャーのプロトコルにも対応しTEEをサポートするオペレーティングシステムやクラウドで動作することができます。

コミュニティがCocoを組み入れられるように更なる柔軟性を追求し、私たちが想像したこともないような事業をハードウェアを利用した上で可能にすることを目標としています。

ブロックチェーンが企業の信頼を得るにはまだ時間が必要ですが、ブロックチェーンの熱狂的支持者は増加傾向にあり、私たちは開発のスピードと多くのコミュニティと協力した上で企業が採用できるように尽力します。

考察

革新的な技術と言われ注目を浴び続けるブロックチェーン技術。注目を浴びて利用者が増えるにつれて問題が浮き彫りになっている現状もあり、まだまだ企業が採用するには欠点も見受けられます。

このブロックチェーンの利点を残しながら欠点を補う、企業がブロックチェーンを導入するシステムとしてマイクロソフトがCoco-Frameworkを発表しました。

これにより一般のブロックチェーン導入が広がるにつれて暗号通貨全体の盛り上がりをみせることは間違い無いでしょう。

一般向けの公開も2018年初旬に発表ということでこれからの業界全体の加速にも注目できるでしょう。

Announcing the Coco Framework for enterprise blockchain networks

2017年8月10日

原文はこちらから
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア