FTXを率いる億万長者
米国の「タイム(TIME)」誌は、22年の「世界で最も影響力のある100人」の1人として、大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXのサム・バンクマン・フリードCEOを選出した。
サムCEOは、MIT(マサチューセッツ工科大学)卒業後、Jane Streetなどを経て2019年に仮想通貨デリバティブ取引所FTXを設立。
同取引所の成長とともに保有する資産価値は増加しており、フォーブス誌の米国の長者番付にもランクイン。先日には、仮想通貨や株などの取引サービスを提供するロビンフッド・マーケッツ(ロビンフッド)の株式を、7.6%取得したことが判明した。
タイム誌は、サム氏を「Titans(巨人)」の1人として選出。以下のように紹介している。
過去2年間における、主流文化内での仮想通貨の台頭に、サム・バンクマン・フリード氏ほど大きな影響を与えた人物はいないだろう(中略)バンクマン・フリード氏は、仮想通貨が有する変革の力を信じて、同領域に対する世間からの評判を改善しようと活動している。彼は利他主義者として、仮想通貨が金融市場の民主化や貧困と、腐敗の削減に貢献できると考えている。
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米国部門は株取引を提供開始
サム氏が率いるFTXは、拡大のための動きを続けている。
19日には米国部門「FTX US」が、株を取引できるプラットフォーム「FTX Stocks」をローンチ。このプラットフォームは、普通株とETF(上場投資信託)を含め、米国に上場する何百種類もの有価証券を取り扱っており、ユーザーはFTXのアプリから取引が行える。
「FTX US」はこのサービスを拡充する姿勢を見せており、24日には、少なくとも3つの株取引関連スタートアップの買収を打診していることが、米CNBCから情報筋の話として報じられた。
FTXとは
FTXは、主にデリバティブを提供する仮想通貨取引所で、出来高はバイナンスに次ぐ規模。最近では日本に進出したことでも大きな注目を集めた。「SBF」の通称で知られるサム・バンクマン・フリード氏が最高経営責任者を務める。
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