イエレン米財務長官、退職金口座での仮想通貨投資に懸念表明

401kなどでの仮想通貨購入を懸念

米国のジャネット・イエレン財務長官は9日、401kなどの退職金口座での暗号資産(仮想通貨)投資について、「リスクが高く」議会が制限することも可能だと述べた。

ワシントンで米ニューヨーク・タイムズ紙が開催したイベントに出演した際の発言であり、「老後のために貯蓄しているほとんどの人には勧められない」と意見している。

さらにイエレン氏は、401kプランのような税制優遇のある退職金制度にどのような資産を組み込むべきか、議会が規則を定めることも妥当であると付け加えた。

401kとは

公的年金に加えて任意で加入できる企業年金の一種。企業が掛金を毎月積み立て(拠出)し、従業員(加入者)が自ら年金資産の運用を行う年金制度のことで、運用結果に基づいて年金給付額が決定される。

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背景

この発言の背景には、米国企業の一部が仮想通貨へ投資できる401kを打ち出していることがある。例えば、米国の投資大手フィデリティは4月、401k口座を通じて、確定拠出年金口座の一部をビットコイン(BTC)購入に充てる新プランを発表した。

開始は2022年中旬を予定し、初の導入企業は、ビットコインを財務資産として購入していることで知られるマイクロストラテジー社となっていた。

しかし、このプランについては、米労働省のアリ・カワリ次官補代理が、退職金口座の最大20%を仮想通貨に投資できるようにする点などに触れつつ懸念を表明。バイデン政権が仮想通貨の退職金口座を規制する可能性が浮上した格好だ。

労働省は3月時点ですでに、退職金口座への仮想通貨導入に警告する文書を発表していた。労働省は退職金口座の提供事業者は「参加者の経済的利益のためにのみ行動」しなければならないとしている。

また、「確定拠出年金制度が、参加者に投資オプションを提供する場合、その選択肢が慎重で健全なものであることを確認する義務がある」「不適切な投資手段を回避する責任を、口座加入者に転嫁してはならない」とも続けていた。

労働省は仮想通貨について、詐欺や盗難、投機性のリスクがあり、適切な投資判断をくだす難易度が高いものであるため、退職金口座のオプションとすることが「慎重で健全」かどうかについては深刻な懸念があると表明している。

議員の間で賛否分かれる

退職金口座の仮想通貨投資オプションについては、議員の間でも意見が分かれているところだ。

エリザベス・ウォレン議員とティナ・スミス議員は、フィデリティの新プランについて需要の低さや仮想通貨のリスクを理由に挙げて懸念を表明した。

一方で、トミー・タバーヴィル議員は、労働省が401k参加者の、投資対象を制限する規制や指針を出すことを禁止する法案「金融自由法(Financial Freedom Act)」を提出している。

タバーヴィル議員は、法案の公式発表で次のように説明した。

バイデン政権は、仮想通貨を対象とした規制指針を発表することで、どの資産が退職後の投資に値すると見なされるかを独断で決定しようとしている。これは政府の行き過ぎた介入である。

政府は、自分で投資先を選びたい退職金積立者の邪魔をする筋合いはない。給料を稼いだら、そのお金をどう投資するかは自分で決めるべきことだ。

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