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仮想通貨融資大手セルシウスの出金停止、競合他社の反応は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

財務の健全性をアピール

暗号資産(仮想通貨)のレンディング大手Celsius Network(セルシウスネットワーク)が顧客資金の出金を停止したことを受けて流動性危機への懸念が高まる中、CeFi(中央集権型金融)の競合他社が財務の健全性をアピールしている。

大手仮想通貨貸借プラットフォームBlockFiのZac Prince CEOは、「stETHのエクスポージャーはゼロ」であることを強調し、出金を含め通常営業を継続する方針を示した。英仮想通貨レンディング企業NexoのDeFi(分散型金融)ストラテジストのKiril Nikolov氏は、「財務に影響しない範囲でしかstETHを保有していない」ことをCoinPost提携メディアThe Blockに認めている。

stETHとは、DeFiプロトコル「Lido Finance」でイーサリアム(ETH)をステーキングした際に受け取る債権トークン。ステーキング金利を獲得しながらstETHを担保に資金を借りるなどDeFi運用上の利点があり、Lido Financeには410万ETH(約6,500億円)が預けられている(執筆時点)。

The BlockのLarry Cermakリサーチャーのオンチェーン分析によると、Celsiusが少なくとも40万9170 stETH(約600億円)を保有していると見られている。しかし、stETHの取引環境が悪化したことで流動性危機に陥っているというのが、今回の顧客資金の出金停止措置の背景にあると見られている。

関連:レンディング大手セルシウス(Celsius)、資金引き出しの一時停止を発表

セルシウスの流動性危機

Celsiusは最大17%の高利回りを維持するために、顧客資産を使ってDeFiを含む様々なイールドファーミング(金利獲得)活動を実行してきた。利用規約でも、Celsiusが顧客預金を裁量で運用できることが記されている。

しかし、stETHのメイン取引である分散型取引所CurveのstETHとETHを交換できる流動性プールにおいて、stETHはETHに対して5%の割引価格で取引されている。過去数週間に大量のstETHが売り込まれた結果、14日時点に同プールのETH比率は20%(約14万ETH)まで低下。40万stETHものCelsiusの流動性を現金化し難い状況となっている。

こうした中、Celsiusが抱える大量のstETHを割引価格で買い取るための交渉がOTC(相対取引)を中心に進められている。Nexoがその一社だ。

Nexoは13日、Celsiusが保有する適格資産の「仮想通貨担保によって保証されている未払い担保付貸付債権の一部か全部」の購入を正式に打診した。適格資産とは売却するために相当の時間を要する資産のこと。このオファーは6月20日午前4時30分(UTC)まで有効とされている。

NexoのKiril Nikolov氏がThe Blockに語った内容によると、同社は過去数ヶ月間に渡るリスクオフプロセスでDeFiでのポジションを減らしており、外部資本調達なしにCelsiusの適格資産を購入できるだけの強固な流動性を確保している。

14日午後追記:DAIの担保資産の清算ライン

ウォレットアドレスの追跡調査から、CelsiusはstETH以外のポジションも保有しているとみられている。13日にはCelsiusと関連付けられたウォレットアドレスから合計2001.76WBTC(約60億円)の追加証拠金が主要なDeFiプロトコルのMakerに送られた。

Makerでは、WBTC*を担保に米ドル・ステーブルコインDAIを借りることができる。ここでCelsiusは23962.63WBTC(約650億円)を担保に2億7,800万DAI(約330億円)を借り入れているとみられ、担保用資産の価値低下により清算ラインが迫っていた。

Block Analiticaが提供するMakerの金庫別リスク統計によると、2,000WBTC補充後のCelsiusのポジション清算ラインは、ビットコイン価格16852.34ドル(2,268,333円)と算出されている。*ラップド・ビットコイン(イーサリアム・チェーン上で流通可能版のビットコイン)

セルシウスの出金停止の影響

一方で、Celsiusの顧客資金の出金停止措置の影響を受ける機関投資家も出てきている。ドイツのフィンテック企業Nuri(旧Bitwala)の「Nuri Bitcoin Interest Account」は、ビットコイン預金に最大3%の利息を提供するビットコイン利息口座。

同商品はNuriとCelsiusとの提携により、21年5月に販売が開始されたが、今回のCelsiusの措置によってNuriの顧客も出金と新規投資ができない状態となっている。Nuriは公式サイトで、出金停止中も「利息は蓄積され続け、やがて支払われる」ことを強調している。

厳しい市況を受けて多くの仮想通貨企業がリストラを図る中、Nuriも5月末に従業員の20%を解雇していた。BlockFiも13日に約20%の人員削減を発表。仮想通貨取引所などを運営するCrypto.comのKris Marszalek CEOも11日、弱気相場の中で収益性を最適化し、長期的に持続的な成長を確保するために、従業員の5%にあたる約260名を削減すると述べていた。

関連:BlockFiとCrypto.comが人員削減、弱気相場を受けて

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