仮想通貨相場の影響
エルサルバドルのAlejandro Zelaya財務大臣は13日、最近の暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の価格下落が国家の財務に与える影響は「非常に軽微である」と語った。海外メディアが報じた。
同国は国家予算でビットコインの買い増しを続けており、現在所有するビットコインの価値が約54億円(4,000万ドル)減少。しかし、Zelaya大臣は「4,000万ドルは国家予算の0.5%に満たない程度だ」と説明している。そして、「所有するビットコインの価値は4,000万ドル減少しているが、我々は売却はしていない。これはあくまで含み損である」と述べた。
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エルサルバドルは2021年6月にビットコイン法を可決。同国のビットコイン購入を追跡する「NAYIB BUKELE PORTFOLIO TRACKER」によると、その後10回ビットコインを購入してきた。購入数量の合計は2,301BTC(66億円相当)で、本記事執筆時点で購入したビットコインの価値は50%超減少している。
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ビットコイン債権の発行は延期
エルサルバドルはビットコインを法定通貨として認め、国家予算で買い増しをしているだけでなく、「ビットコイン・シティ」の建設やビットコイン債権の発行なども計画している。
ビットコインの価格下落が財務に与える影響は非常に軽微だとする一方で、ビットコイン債権の発行は延期。ウクライナ情勢や仮想通貨の価格変動を考慮しており、今月Zelaya大臣は、エルサルバドルのリーダー達が「今はビットコイン債を発行するタイミングではない」と考えていると語った。
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債権で調達した資金の半分はビットコイン・シティの建設に充てられ、残りの半分はエルサルバドル政府のビットコイン購入に活用する予定だ。