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米上院議員、通貨監督庁の仮想通貨ガイダンス撤回を要請

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

銀行の仮想通貨活動を懸念

暗号資産(仮想通貨)に懐疑的な姿勢で知られる米上院議員は10日、Michael Hsu通貨監督庁(OCC)長官代理に宛て、仮想通貨に関する一連の解釈文書の撤回を求める書簡を送った。

書簡を送ったのは民主党のElizabeth Warren議員、Richard Durbin議員、 Sheldon Whitehouse議員と無所属のBernie Sanders議員の4人。議員らは「最近の仮想通貨市場の混乱を踏まえると、仮想通貨に関するOCCの措置が銀行システムを不必要なリスクに晒した可能性がある」と主張。これまでに発行されたすべての仮想通貨関連ガイダンスを取り消し、連邦準備理事会(FRB)および連邦預金保険公社(FDIC)と連携した包括的な指針に差し替えるよう求めている。

OCC(米通貨監督庁)とは

米財務省に所属する独立機関の一つ。米国で連邦法によりライセンスを受けて営業する国法銀行などを監督している。

▶️仮想通貨用語集

議員らが問題視しているのは、前任者のBrian Brooks長官代理の下で、2020年7月から2021年1月にかけて発行された三つの解釈文書(1170、1172、1174)とHsu長官代理の下で発行された最新の解釈文書(1179)。

先の三つの解釈文書でOCCは、以下の仮想通貨関連業務に銀行が従事することを許可する判断を示していた。

  • 顧客に対する仮想通貨保管サービスの提供
  • ステーブルコインの準備金として機能する預金の保有
  • 独立したノード検証ネットワーク(INVN)の運営
  • ステーブルコインの支払い業務

Hsu長官代理は2021年5月に就任後、これらの政策の一部は一方的であり、「すべての利害関係者との十分な調整を踏まえた上で発令されていなかった」として、方針を見直す考えを示していた。

 

関連:米通貨監督庁、仮想通貨関連の政策方針を見直しへ

しかし、OCCは同年11月に発表した新たなガイダンス(解釈文書1179)で、銀行が「監督官庁が納得する形で、安全かつ健全な方法で活動を実施するための管理体制を備えていることを証明できれば」、合法的に「特定の」仮想通貨関連業務に従事できるとした。

関連:米規制当局、銀行の仮想通貨事業についてルールの明確化を計画

市場保護の重要性

議員らは、Hsu長官代理下で発表された解釈文書は「基本的に銀行に特定の仮想通貨活動を行う自由な機会を与えたもの」であり、仮想通貨関連の銀行業務のリスクに何ら対処していないと批判。5月のテラの破綻に端を発し、7月にはThree Arrows Capital、セルシウス、Voyagerが、相次いで破産申請を行ったことに言及し、「金融システムや消費者に対する仮想通貨リスクを軽減するために、より強い保護が必要である」と強調した。

また、議員らは、銀行がどの程度仮想通貨関連業務に携わっているかを理解するため、解釈文書で以下のような点について回答を求めた。

  • 最新解釈文書以後に、OCCに許可を得て仮想通貨活動に従事した銀行名
  • 仮想通貨関連活動で、OCC規制下にある銀行の数と名称
  • OCC規制下にある各銀行の仮想通貨業務(上記参照)ごとの推定金額
  • OCC規制下にある銀行が、仮想通貨融資、仮想通貨やデリバティブ取引などに従事しているか。その場合の銀行名と活動内容、及び推定金額。

対照的な二人の長官代理

銀行による仮想通貨業務参入の基礎を短期間で築いたのは、2020年5月から2021年1月14日の間にOCC長官代理を務めたBrian Brooks氏だ。長官代理就任前は米大手取引所コインベースの最高法務責任者を務めていた人物で、米貯蓄貸付組合および国民貯蓄銀行に対して仮想通貨の取り扱いを許可する声明を発表するなど、銀行の仮想通貨事業を推進する規制に積極的に取り組んでいた。

退任後、米国版バイナンスのCEOに就任するも、3ヶ月で辞任。現在は、仮想通貨企業BitfuryのCEOを務めている。

一方、現職のMichael Hsu氏はOCC入局前にFRBの監督規制部門の副ディレクターを務めていた。同氏は規制当局が仮想通貨に効果的に対応していくためには、省庁間の協力と協調が必要であると主張している。就任直後には、OCCとFRB、FDICの省庁間の連携する「デジタルアセット・スプリント・イニシアチブ」の設立に尽力した。

また、同氏はフィンテック企業による銀行設立について、OCCが「フィンテックを銀行システムにどのように組み込むことができるか」「責任あるイノベーションを促進するための、サンドボックス制度の適切な活用」を検討するべきだとの立場をとっている。現在、フィンテック企業への条件付き国法銀行設立承認は、保留中となっている。

関連:米OCC、大手仮想通貨信託銀行Anchorageに改善命令

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