仮想通貨取引所の無許可営業
韓国で暗号資産(仮想通貨)取引所を監督する韓国金融情報分析院(FIU)は、無登録で営業した疑いで、仮想通貨取引所16社を捜査機関に通知したことが明らかになった。
8月18日付けのNews1韓国によると、FIUは当局に申告せずに仮想通貨取引事業を行ったとして以下の16社を指摘。業務停止命令を出している。
- KuCoin、MEXC、Phemex、XT.com、Bitrue、ZB.com、Bitglobal、CoinW、CoinEX、AAX、ZoomEX、Poloniex、BTCEX、BTCC、DigiFinex、Pionex
これらの企業は昨年7月に一度警告を受けていたにもかかわらず、継続的に韓国語で仮想通貨取引サービスを提供し、韓国人向けのプロモーションイベントなど積極的なマーケティング活動をしてきたと見られている。
韓国で仮想通貨関連事業を行うには、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証の取得などの要件を満たした上で、FIUに届け出が必要だ。FIUの関係者は以下のように述べている。
未報告の仮想通貨事業者は、特金法上の報告義務である情報セキュリティ管理システム(ISMS)が整備されていないため、個人情報の流出やハッキングなどのリスクにさらされ、マネーロンダリングに悪用される恐れがある。
韓国の仮想通貨規制
韓国で特金法(特別金融取引情報法)に違反する事業者は、約500万円(5,000万ウォン)以下の罰金か、5年の禁固刑が科される可能性がある。また、向こう5年間、国内の仮想通貨事業者として申請できない。これらのルールは外国企業にも適用される。
FIUは、韓国ユーザーが無許可の仮想通貨事業者を利用するのを抑制するため、該当サービスのネット接続を遮断するよう放送通信委員会に要請した。また、クレジットカードの仮想通貨購入サービスを提供する事業所に関して、クレジットカード発行会社と連携して対処しているという。
8月11日には韓国の検察当局が、約409億円(4,000億ウォン)相当の外国為替取引について違法な仮想通貨取引が疑われるとして、関係者3人を逮捕していた。3人は「ペーパーカンパニーを設立し、無登録で仮想通貨取引事業を運営していた」とされた。