Baking Badのアカウントを制限
暗号資産(仮想通貨)取引所大手バイナンスは26日、法執行機関の要請により、テゾス(XTZ)ステーキング関連サービス企業Baking Badのアカウントを制限したと発表した。Baking Badへの返信の形で明らかになった。
The account in question was restricted as the result of a law enforcement request, which @TezosBakingBad is well aware of, as he was already advised of this multiple times and provided the LE contact form through our support chat system on 7/6, 7/12, and 7/22.
— Binance (@binance) August 25, 2022
Baking Badは26日、「7月1日から私達のバイナンスアカウントが、何の説明もなく凍結されている。そして今日、私たちの残高がゼロに設定された。残高は約1.4億円(100万ドル)以上あった」と述べている。
これに対してバイナンスは、「このアカウントは、法執行機関の要請により制限されている。BakingBadは、7/6、7/12、7/22と複数回にわたって、そのことを通知されている」と回答。
さらに、バイナンスは顧客サポートのチャットシステムを通じて、Baking Badに、法執行当局へのコンタクトフォームを教えているとも続けた。バイナンスも「他の取引所と同じように、当局の要求に協力することが求められる」とする格好だ。
Baking Badは、その後バイナンスから返答がないことについても不満を表明したが、バイナンスは「手続きは当局を通して行われるもので当社はその過程をまったくコントロールしていない」と返している。
バイナンスは法執行当局の所属国や名前などの詳細については明かしていない。
バイナンスが行った最近の制限事例としては、ウクライナ戦争に伴い、ロシアの取引口座を一部制限したことがある。
関連:バイナンス、「顧客データを露政府に渡すことに合意した」とする報道を否定
規制強化するエストニア
Baking Badはエストニアを拠点としている。エストニアは最近、仮想通貨企業に関する規制を強化しているところだ。
3月からは、仮想通貨企業の新ライセンス制度が施行された。トラベルルールなど金融活動作業部会(FATF)の勧告を適用し、またエストニアで事業を行う企業、またはエストニアとつながりのある企業のみがライセンス申請できるようになる。
以前の規則では、ライセンスを取得した企業を、エストニアと関係のない第三者に転売することが可能だったために監督上の不具合があった。その他には、資本要件についても引き上げられている。
エストニア金融情報局のマティス・メーケル局長は規制強化について次のように語った。
暗号資産サービスプロバイダー(VASP)の数が増え、マネーロンダリングやテロ資金調達のリスク、さらには制裁関連の(現在は、ロシアのウクライナ侵攻に関わる制裁)リスクを軽減することができないことが分かった。
そのため、われわれの市場に誰を参加させるべきか、もっと規則を設ける必要がある。