中銀と財務省が進展の兆し
ロシアの財務省と中央銀行は、国際貿易の支払いに暗号資産(仮想通貨)を利用できるようにするため、法整備を行う必要があると考えていることがわかった。現地メディア「TASS」が5日に報じた。
ウクライナ侵攻によって実施されている制裁の下で効率的な国際貿易を行うには、仮想通貨が必要だと判断。ロシアは仮想通貨を含むデジタル通貨の規制を整備中だが、仮想通貨を禁止したい中銀と、規制しつつも認可したい財務省と意見が合わないなど、法制化がなかなか進まない状況が伝えられていた。
双方の考えが相違する中、財務省と中銀は今回、仮想通貨を合法的に利用できるようにしないと国際貿易が行えなくなるという認識で一致。一方で、現行法では利用ができないため、これから規制の枠組みを構築する必要があるとした。
ロシアを巡っては8月末にミハイル・ミシュスチン首相が、デジタル資産を含めた技術の開発に集中して取り組まなくてはならないと発言。この際、デジタル資産の導入を含むイノベーションを推進すれば、金融システムの安全性の向上や輸出品のシームレスな支払いを実現できると説明している。
8月には、同じく制裁を受けるイランが輸入取引の支払いに仮想通貨を利用するための規制を制定したことが分かっており、ミシュスチン首相は「デジタル資産」という言葉を使っていたが、ロシアも貿易に仮想通貨決済を導入する可能性があるとの見方が上がっていた。
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仮想通貨へのアプローチに変化か
今回は仮想通貨決済を国際貿易に導入することに前向きになっていることが報じられたが、現在ロシアでは仮想通貨の取引は合法である一方、商品やサービスの決済に用いることは禁止されている。
しかし最近は、同国に対する制裁が行われる中で考え方が変わってきていると見られ、プーチン大統領は金融面の自立を強化する必要があると考えているという。
ミシュスチン首相は今年3月、同国の金融システムにデジタル通貨の流通メカニズムを取り入れることが必要だと発言していた。