STEPNが新オフィス創設へ
M2E(Move to Earn:動いて稼ぐ)アプリ「STEPN(ステップン)」のJerry Huang共同創設者は、地域本部として香港にオフィスを創設する計画を明かした。Huang氏から情報を入手した「South China Morning Post(SCMP)」が5日に報じた。
新オフィスは、香港政府が所有する企業が運営する「Cyberport」に設立。ステップンはCyberportのトップから、Web3スタートアップ企業のための環境を香港に構築するサポートをして欲しいと頼まれたという。SCMPによれば、ステップンがオーストラリア以外で地域本部を設立するのは香港が初となる。
Cyberportとは、スタートアップ企業や技術企業が1,800社以上集まっているデジタルコミュニティ。Web3大手企業アニモカブランズは、Cyberportを拠点にしている。Cyberportのビジョンは、香港の新しい経済の原動力を生み出し、デジタル技術のハブ(中心)になることだ。
今回Huang氏は新しいオフィスを設立する香港について、西洋と東洋の文化がうまく融合しており、世界金融の中心地の1つであると説明。同氏は今月始めに開催された「Digital Entertainment Leadership Forum」というイベントで、Cyberportのトップから誘いを受けたことは明かしていた。
現時点では、いつ香港オフィスが稼働するかは説明されていないが、最初にコアチームが移動する時には、株式による資金調達を検討するともHuang氏は述べている。
STEPNとは
ウォーキングやランニングを行って、暗号資産(仮想通貨)を稼ぐことができるM2Eアプリ。NFT(非代替性トークン)として発行されるデジタル・スニーカーを購入して利用する。
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香港を離れる企業
香港は1997年7月に英国から中国に返還され、今年で返還25年になる。中国と1つの国であるが香港は「特別行政区」とされ、「一国二制度」の下で金融中心地としても成長を遂げてきた。
現在はWeb3環境の整備を推進しているようだが、過去には仮想通貨関連企業が香港から離れる事例も確認されている。昨年には、仮想通貨規制を強化する動きも報じられた。
21年には大手仮想通貨取引所FTXが、香港からバハマに移転することが明らかになっている。同社のサム・バンクマン・フリード最高経営責任者(CEO)は当時、「バハマは仮想通貨に対して包括的な規制の枠組みを設けている数少ない国。現在はコロナ禍から回復してきており、入国時の隔離がなく、安全な場所でもある」と説明していた。
ステップンは日本でも広く普及したが、今年5月に中国でのサービス提供を中止することを発表。その際、「ステップンは設立以来、中国本土でいかなる事業も行っておらず、ダウンロードも提供していない。常にコンプライアンス義務を重視し、現地の規制当局の要件を厳格に遵守している」と述べている。