- バイナンスで不正投票の疑念強まる
- バイナンスで開催中の人気投票で不正が指摘されている。途中経過ランキング1、3位のMithril、Libra Creditに疑惑が持ち上がった他、2位のNKNも投票開始前日に行なった大規模airdropが問題視されている。
バイナンスで不正投票の疑念強まる
世界有数の仮想通貨取引所Binanceで、取引所に上場するトークンを決める「第8回 Community Coin of the Month」が7月25日から行われる中、今回の投票で、一部通貨の投票において”不正がある”のではないかと訝る声がコミュニティ内から噴出しています。
また同社CEOであるCZ氏が、ツイッターにて「投票操作の疑いがある場合は、厳しく追及を行う」と言及していました。
Vote manipulation will be dealt with, strictly.
— CZ (not giving crypto away) (@cz_binance) 2018年7月27日
BinanceのCommunity Coin of the Monthとは、コミュニティ内の人々の投票によって、どの仮想通貨(トークン)を上場させるかを選ぶ人気投票のようなシステムのことを指します。
最も多くの得票数を得たトークンは、最終的な調査の末、無料で仮想通貨取引所Binanceに上場する権利が与えられます。上場自体に極めて大きな価値を生み出すほか、大手取引所に上場するには、数千万円から数億円の手数料を取られることが多いことを考慮すれば、トークン発行者にとって非常に魅力的なシステムであると言えるでしょう。
投票方法と疑惑内容
この投票にユーザーが参加するには、Binanceのユーザーである必要があり、その独自トークンであるバイナンスコイン(BNB)も所有していなければなりません。
ユーザーは、その所有するBNBに応じて、投票権を得ることができ、1BNBを所有していることで1投票権を獲得、そして500BNB以上を所持している場合、500投票権を得ることができるのです。よって、1投票者につき、最大500投票権が与えられる仕組みになっています。
7月30日時点の「第8回 Community Coin of the Month」ランキングは、以下のようになっています。
- Mithril (MITH) 50.82%
- NKN (NKN) 28.74%
- Libra Credit (LBA) 18.69%
- Polymath (POLY) 1.05%
- LockTrip (LOC) 0.69%
しかし7月26日、Mediumにて、少数の仮想通貨ウォレットが、Mithril(MITH)に8万ほどの投票を間接的に行い、投票が公正に行われていないことを主張する記事が投稿されました。
記事を執筆したTheCryptoGuy氏によると、2、3個ほどのETHウォレットを資金源として、約500BNBが、160以上ものBinance口座に送金されており、複数の口座を通じて、不正に8万ほどの投票数を獲得しているのではないかと主張しています。
さらに、起業家のJuli Fernandez氏もMediumにて、第3位に位置付けているLibra Credit(LBA)でも不正投票が行われていると言及しました。Fernandez氏は、Libra Credit運営のものであると考えられるウォレットを資金源として、2万BNBが複数のBinance口座に送金され、その後も7,000BNBが、あるウォレットに送金された後に複数のBinance口座に送金されていると記述しました。
このMITHおよび、LBAにおいて、実際に不正な投票操作が行われているか否かは、未だ推測の範疇であり、定かではありませんが、もしこれが事実なのであれば、投票数で優っていても、Binanceへの上場権利を獲得することはないでしょう。
NKNにも疑惑
そして、現時点で第2位に位置付けられているNKN(NKN)も、この第8回 Community Coin of the Monthが開始される前日に10万NKNのairdropを行ったことから、懐疑的な意見が出てきています。
過去に行われた第6回Community Coin of the Monthでも、第1、2位をとったElastos(ELA)および、WePower(WPR)が、実際に複数回投票による不正行為を行なったと認められ、その投票は無効となりました。よって、第3位になっていたZilliqa(ZIL)が繰り上げ当選を果たし、その後、取引所Binanceに上場する結果となっています。
BinanceのCEOを務めるCZ氏も7月26日、「不正投票は、厳格に取り締まる」と警告しており、ランキング通りのトークンが上場を果たすのか、または不正が認められ、下位のトークンが繰り上げ上場を果たすことになるのか、注目が集まっています。