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「全責任は私に」米メタ社のザッカーバーグCEOが1万人超の解雇を発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

全従業員の13%を削減

米メタ(旧フェイスブック)社は9日、全従業員の約13%にあたる1万1,000人超の解雇を発表した。

マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は社員に向けたメッセージで、今回の大規模な人員削減を「メタの歴史の中で最も困難な変化」と形容。直接影響を受けた社員に対して特に申し訳なく思っていると述べた。

ザッカーバーグ氏は人員削減に踏み切らざるを得なくなった理由として、経営判断を誤った責任を認め、以下のように説明した。

  1. コロナ禍の急速なオンライン化とeコマース急増により収益が大幅増
  2. 成長は加速度的に続くと予測し、大幅な投資増額を決断
  3. eコマースはパンデミック前のトレンドに回帰する一方で競争激化。広告収入減少で予想を大幅に下回る収益に

メタ社の9月末時点の従業員数は約8万7,000人。コロナ禍でオンライン活動が拡大し、急成長した同社は、2020年と2021年には合わせて2万7,000人、今年1月から9月までの9ヶ月間でさらに1万5,000人を超える従業員を新規に雇用していた。同社の従業員数は3年弱で倍増したことになる。

同社の中核事業であるソーシャルメディア部門は、米アップルによるプライバシー規制の強化や、動画アプリTickTokとの競争激化、企業広告予算の減少などにより、成長が停滞。一方、ザッカーバーグ氏が企業戦略として押し進めるメタバース部門は巨額の損失を積み重ねている。

ザッカーバーグ氏によると、厳しい財政状況の中、予算削減、福利厚生や不動産の縮小など事業全体のコスト削減を行い、チームの再編成などの対策も実施したが、収支の改善には不十分なため解雇という「苦渋の決断」に至ったという。

関連:巨額損失続く米メタ社、今週中に数千人規模の人員削減を計画か=報道

ビデオメッセージも

ザッカーバーグ氏は社員へのビデオメッセージ(解雇された社員が米NBCニュースに提供)で、大量解雇の決断に対する全責任は自身にあると発言。「私は創業者でありCEOだ。会社の健全性と方向性に責任を持ち、今回のようなことも含めて、その実行方法を決定するのは私であり、これは最終的に私の決断だった。」と述べた。

しかし、多くの社員の生活と同社のミッションに大きな影響を及ぼす、今回の決断は「18年間傾斜を経営してきた中で最も難しい決断の一つ」だったと強調。そして「何十億もの人々がつながるために使う製品」に貢献する役割を担い、メタ社の成功に一役買ってきた社員に感謝の意を表した。

ザッカーバーグ氏によると、影響を受けた従業員には、基本給16週間(4ヶ月)分と勤続1年ごとに追加で2週間分の給与が、退職金として支給される。

効率的なインフラ投資にシフト

ザッカーバーグ氏は来年第1四半期まで新規雇用を凍結するとともに、インフラ支出の徹底的な見直しを行うと述べた。その中にはメタバース部門である「Reality Labs」とSNS事業を担う「Family of Apps」の人員削減も含まれる。

インフラは今後もメタ社にとって重要な強みとなるため、AIのインフラ構築は継続しつつ、効率的な生産能力確保に努めるという。メタ社の株価は年初来70%以上も下落しており、赤字が続くメタバース関連事業への巨額の投資は、一部の投資家から批判の声が上がっていた。

ポンプリアーノ氏の見解

暗号資産(仮想通貨)投資運用会社「モルガン・クリーク・デジタル」の共同創業者であるアンソニー・ポンプリアーノ氏は、「混乱と不確実性」に満ちたこの1週間を「大パンデミックバブルがはじけている」状況だと説明した。

9日の投資家向けニュースレターでポンプリアーノ氏は、ツイッターをはじめとする、相次ぐテクノロジー企業の大規模な人員削減に言及。ツイッターの元CEOジャック・ドーシー氏が、急速で行きすぎた会社の規模拡大について責任を認め、謝罪するツイートを紹介した。

また、Stripeの創業者のパトリック・コリソン氏が「二つの非常に重大な間違いを犯した」と認める文面も紹介した。間違いの一つは、2022年〜2023年のインターネット経済の成長を楽観視しすぎ、成長が減速する可能性と影響について過小評価したこと。二つ目は営業費用の拡大を急速に進めすぎた結果、非効率な業務運営が浸透したことだという。

ポンプリアーノ氏は、資産バブルに関して1年で大きく変化した現在の状況を、これまで犯した罪を償っているのようなものだとして、以下のように総括した。

今日の問題の多くは、金融システムにあまりにも多くの資金が流れ込み、起業家たちが次に何が起こるかを予測したり、計画することができなかったために生まれたものだ。

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