はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ソラナDEX「Raydium」ハッキング被害、約3億円が不正流出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Raydiumで不正流出

ソラナ(SOL)ブロックチェーン基盤の分散型取引所(DEX)「Raydium」で、16日にハッキングによる暗号資産(仮想通貨)の不正流出が発生したことが明らかになった。

Raydiumは16日23時(日本時間)過ぎに被害を報告。スマートコントラクトの管理者権限がハッカーにより侵害されたことを認めた。権限は既に停止処置を取られたが、取引エンジンである「AMM(自動マーケットメイカー)」と資産をロックアップする「流動性プール(LP)」に影響を及ぼしている。

Raydiumはエクスプロイトを認め、攻撃者がエクスプロイトを実行するために取引所を制御したと考え、調査中であると述べた。

攻撃により、ソラナエコシステムの資産が奪われている。複数のブロックチェーン分析会社の調査によると、被害総額は推定約2.7億円〜5.4億円(200万ドル〜400万ドル)。ハッカーが関与した資産の内訳は以下の通りだ。

  • 10.9万 SOL (140万ドル相当)
  • 187万 RAY (25.3万ドル相当)
  • 975万 ZBC (14.4万ドル相当)
  • 2,100万 UXP (11万ドル相当)
  • 3,200 stSOL (4.4万ドル相当)

これらのトークンはステーブルコインUSDCoin(USDC)へと売却され、ワームホールを通じてイーサリアム(ETH)ブロックチェ―ンに移された。

分析企業CertiKによると、攻撃者はイーサリアム圏のDEX「Uniswap」でUSDCをすべてETHに交換。最終的に1,080 ETH (1.64億円)をTornado Cashに送付した。

なお、別の分析会社のArkhamによると、攻撃者は現在、合計400万ドル相当のトークンを保有している。ソラナアカウントに約150万ドル相当のSOLとstSOL、そして250万ドル相当のイーサリアム(ETH)をTornado Cashで保有している。

また、イーサリアムのアカウントについて、ガス代をTornado Cashを通じて調達していたことが分かっており、攻撃者の資金経路を辿ることは出来ない状況となっている。過去には、FTXハッカーがガス代補填用のトロン(TRX)を仮想通貨取引所クラーケンでKYC(顧客確認)済みのアカウントから送付したことで追跡調査の手がかりとなった事がある。

関連:FTXのハッカー、盗んだ資産をイーサリアム(ETH)に集約か

ソラナ上のDEXアグリゲーターPrysmなどは、不審な取引に気づきRaydiumに預けていた流動性を引き出した。そうした影響でRaydiumにロックアップされた総資産額(TVL)は事件前の4,800万ドルから3,200万ドル(43億円)へと縮小している(DeFiLlama調べ)。

関連:BNBチェーン、ハードフォークを実施 不正流出受けブリッジの安全性を強化

DeFiがハッキングの標的に

攻撃者が管理者キーを入手し、DeFi(分散型金融)プロトコルを侵害する手口が続いている。12月初旬には、BNBチェーンなどでリキッド(流動的)ステーキングを提供するAnkrプロトコル(ANKR)のデプロイキー(コントラクトの管理鍵)が奪われ、コードが悪質なものに更新されてaBNBcが大量に発行される事案が発生。

22年3月には、NFT(非代替性トークン)ゲーム「Axie Infinity」のサイドチェーン「Ronin Network」とイーサリアムをつなぐRoninブリッジのバリデータの秘密鍵が悪用されて、17万3,600ETH(当時720億円)と2,550万USDC(31億円)が盗まれた。

ブロックチェーン分析企業Chainalysisによると、ハッキング攻撃のターゲットは中央集権的な取引所から、DeFiプロトコルへとシフトしている。

関連:チェイナリシス、仮想通貨分野のハッキング「10月は過去最大規模」

2020年にDeFiへのハッキングは全体の約30%だったが、2021年に約70%へと急増。さらに2022年は、10月時点でハッキング全体のDeFiへの攻撃の割合は約90%を占めていた。10月末時点で2022年のハッキング総額は既に2021年の被害総額の2倍近い水準に達していた。

Tornado Cashとは

仮想通貨の取引データを複数混ぜ合わせることによって、その仮想通貨の出所や保有者のアイデンティティを隠す仮想通貨ミキシングサービスの一種。

▶️仮想通貨用語集

関連:Lodestar Financeにハッキング、仮想通貨9億円相当が不正流出

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/26 金曜日
06:55
トラストウォレットで9億円以上不正出金、数百人のユーザーが被害か=報告
オンチェーン探偵のザックXBT氏が、トラストウォレットの複数ユーザーから資金の不正流出報告があったと明らかにした。クローム拡張機能のアップデート後に発生し最低でも600万ドル以上が盗まれたと推定。
06:40
金融庁、仮想通貨の担当部署を「課」に昇格へ
金融庁は、2026年7月の次期事務年度に仮想通貨の担当部署を「課」に昇格させる方針を固めたことがわかった。金融サービス変革への対応能力を強化する。
05:45
ロシアの主要証券取引所、2026年の規制発効で仮想通貨取引提供開始へ
ロシアのモスクワ証券取引所とサンクトペテルブルク証券取引所が、2026年に予定される仮想通貨規制の発効後に仮想通貨取引の提供を開始する準備ができていると発表した。
12/25 木曜日
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧