ビットコイン債の発行に向け前進
エルサルバドルの議会は、デジタル資産に関する法案「Digital Securities Law(デジタル証券法)」を可決した。
この法律は、同国が法定通貨と認定したビットコイン(BTC)以外のデジタル資産に適用。ビットコインに関連したデジタル資産は対象になるため、法律が施行されれば、ビットコイン債が発行できるようになる。
ビットコイン債とは
エルサルバドルが資金調達を行うために発行を計画している債券。10億ドル(約1,300億円)分のビットコイン債を発行して資金を調達し、「ビットコイン・シティ」を建設したり、ビットコインの買い増しを行ったりすることを計画している。
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法案の可決は、エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領も報告。その際ブケレ大統領は、自身が管轄する国家組織「The Bitcoin Office」の説明を引用している。
El Salvador’s Legislative Assembly has just approved, by an overwhelming majority, the new Digital Securities Law!
— Nayib Bukele (@nayibbukele) January 11, 2023
Forward, always forward…
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The Bitcoin Officeは、ビットコイン債を近く発行し始めると説明。ビットコインを法定通貨にしたことに加え、新たに金融革命が前進すると期待を示しているが、ビットコイン債の発行は、ウクライナ情勢や金融市況を理由に発行を延期してきた。
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現在、すでにウクライナ情勢や金融市場が改善したとは言いがたい状況だが、ビットコイン債の発行に向けて準備を進めている様子は以前から伝えられている。
法律には懸念も
デジタル証券法の詳細が明確にされているわけではないが、暗号資産(仮想通貨)の銘柄としてエルサルバドルが特化するのはビットコインで変更ない模様。The Bitcoin Officeが「エルサルバドルはビットコインの国」とツイートしており、「ビットコインを基盤に未来を作る人々に事業機会を解放する」とも述べている。
この法律では、ビットコイン債といったデジタル資産を発行するにあたり、詐欺などから顧客や投資家を保護するための規則を制定。健全な市場を構築するため、「National Digital Assets Commission」という組織を設立することも定めた。
一方、現地メディア「ElSalvador.com」によると、現在の内容で法律が施行されれば、ビットコイン債などのデジタル資産の発行を促すことになり、マネーロンダリングや脱税につながるといった懸念の声も上がっているという。