はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米コインベース、リキッドステーキングRocket Poolと提携か イーサリアムの分散化に寄与

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Rocket Poolのリキッドステーキング

Coinbase Venturesがリキッドステーキングプロトコル「Rocket Pool(RPL)の運営にかかわるDAO(分散型自律組織)に参加することが12日に明らかになった。

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のリキッドステーキング市場におけるトッププロバイダーLido Financeの一極集中状態が緩和される可能性がある。

Coinbase VenturesはETHステーキング環境の分散化について以下のように述べている。

Rocket Poolコミュニティに参加し、イーサリアム・ステーキングの分散型をサポートすることに興奮している。

Coinbase Venturesは、米国の大手仮想通貨取引所Coinbaseの投資部門。Rocket Poolのdiscordチャネル上の発表によると、CoinbaseはRocket PoolのOracleDAO(oDAO)に加わる。

oDAOはRocket PoolのETHステーキングノードの運営とRocket Poolのスマートコントラクトへのアップグレードに関する投票に責任を負う。oDAOのメンバーは報酬としてRocket Poolの独自トークンRPLを受け取る。

リキッドステーキングとは、仮想通貨のステーキング金利を受け取りながら、その代替資産(ステーキング証明トークン)を運用できるDeFi(分散型金融)の仕組み。LidoとRocket Poolでイーサリアム(ETH)をステークすると「stETH、rETH」を受け取り、レンディングの担保としたりDEX(分散型取引所)等で運用できる。

自前でノードを設置する手間を省き、32ETHの最低ステーキング数の条件も回避できるなどユーザビリティに優れるリキッドステーキングは、今年3月実施予定のイーサリアムアップデート「shanghai(上海)」後にさらに重要になると見られている。

2020年11月にビーコンチェーン(コンセンサスレイヤー)が稼働して以来、ステーキングコントラクトに預けられたイーサリアムは執筆時点で1,600万ETH(約3兆1,800億円相当)に上る。ステーキング報酬として合計100万ETHが発生しているが、元本も報酬もshanghaiまでは引き出せない仕組みだ。

関連:流動的ステーキングがETHにもたらすリスク、イーサリアム財団が警告

イーサリアムステーキングの分散化

データサイトDUNEによると、リキッドステーキングはイーサリアム(コンセンサスレイヤー)のステーキング量全体の42.54%を占める。

特にLido FinanceはETHリキッドステーキング市場のシェアトップ(65.8%)であるだけでなく、イーサリアム・ステーキング全体のシェアトップ(28.9%)でもある。ステーキング・エコシステムの寡占化については、イーサリアムの開発者を含む複数のアナリストが警笛を鳴らしてきた。

特定のプロトコルが流通するETHの大部分をステークすることになればバリデーター(検証者)のカルテル化を助長し、最終的にイーサリアムプロトコルにとって脅威になると主張されている。

関連:流動的ステーキングがETHにもたらすリスク、イーサリアム財団が警告

一方、Coinbaseはリキッドステーキング市場で2位(14.8%)、Rocket Poolは同市場3位(3.0%)のサービスプロバイダーだ。Coinbase VenturesのoDAO参画は、リキッドステーキング市場2位と3位のなんらかの連携を予感させるため、最終的にLidoとの差を緩和する事になるとも期待される。

なお、Rocket Poolコミュニティの中には、米国で規制された組織の参加がoDAOの分散型統治システムに検閲上の悪影響を及ぼすと危惧するものもいる。しかし、Rocket Poolのコミュニティ支援者Jasper氏は、Coinbaseの支援はエコシステム全体を後押しすると強気の見解を示す。

分散型プロトコルとしてLidoと比較したRocket Poolの特徴は、16 ETH+RPL(16ETH相当)のデポジットで誰でもバリデーターを運営できること。LIDOの50倍となる2000件のバリデーターにより維持されており、各バリデーターはETHのステーキング報酬だけでなくRPLで手数料収益や報酬を受け取る。

関連:3月予定の上海アップグレード、イーサリアム市場に与える影響は?

DeFi Llamaによると、Lidoの利回りは5.0%、Rocket Poolは4.43%となっているが、今後RPLの価格が上昇するようであれば利回り状況にも変化があると期待される。

13日には仮想通貨の自己管理型ウォレット「MetaMask(メタマスク)」が、LidoとRocket Poolを介したETHリキッドステーキングのサポートを開始した。LidoとRocket Poolの独自トークンであるLDOとRPLはそれぞれ23年1月中に120%、64%上昇している。

出典:Tradingview

なお、ETHリキッドステーキングを提供する他の分散型プロトコルではStakewise(SWISE)のトークン価格も過去1か月で2倍に成長している。

関連:仮想通貨ウォレットMetaMask、イーサリアムのステーキング機能を実装

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/08 月曜日
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
10:45
SBI VCトレードとサッポロビール、黒ラベルTHE BARリニューアル記念でNFT配布キャンペーン開始
仮想通貨取引所SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3技術を活用した実証実験を12月5日に開始した。黒ラベルTHE BARのリニューアルを記念し、応募者全員にNFTを配布。保有者は店舗で特別なビール体験が受けられる。
10:10
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、5週連続で資金流出 4200億円規模に
ブラックロックの仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」から5週連続で約4200億円が流出した。上場以来最長の流出超過を記録。同社の事業開発ディレクターは「正常な動き」と述べた。
09:30
米SEC、仮想通貨プライバシー円卓会議を来週開催 ジーキャッシュ創設者も参加
米証券取引委員会が金融監視とプライバシーをテーマにした円卓会議を12月15日に開催予定。ジーキャッシュ創設者ゾーコ・ウィルコックス氏を含む専門家がパネリストとして参加し、仮想通貨の匿名技術と監視措置について議論を行う。
08:35
トム・リーのビットマイン、今週約9.8万ETHを追加購入 総保有額1.8兆円相当
ビットマインは今週もETHの押し目買いを実施し9万7650イーサリアムを追加購入した。アーカムのデータによると、同社の総保有額は1.8兆円に達しETH総供給量の3.16%を占めている。
08:00
KLab、ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を発表
KLabは、仮想通貨ビットコインと金を財務資産に組み込むデュアル・ゴールド・トレジャリー戦略を実施すると発表。同日発表した資金調達で得る約51億円のうち36億円を充当する。
07:35
ウィズダムツリー、欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場
ウィズダムツリーが4日、Lidoプロトコル経由でミントされたstETHのみを保有する欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場した。運用資産約5000万ドルでドイツ、スイス、フランス、オランダの取引所で取引が開始された。
06:30
ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
米ナスダック上場企業ストライブがMSCIに対し、ビットコイン保有企業を株式指数から除外する提案に反対する書簡を送付した。同社は7500BTC以上を保有する企業として、50%基準は不公平で実行不可能だと主張。
05:55
仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘
証券取引等監視委員会が5日、フィスコとクシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、それぞれ1500万円と1200万円の課徴金納付を勧告した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧