Axie Infinity: OriginsのiOS版
ブロックチェーンゲーム「Axie Infinity: Origins」のiOS版が、一部地域のApple App Storeでリストされたことが17日に明らかになった。
このリリースは、米Apple社が外部で購入したNFT(非代替可能トークン)の使用を許可する初めての試みとなる。一方、ゲーム内仮想通貨Smooth Love Potion(SLP)を使用したアイテム生成ができない等の機能制限がある。
Sky Mavisが開発したAxie Infinity: Originsは、従来の「Play to Earn(稼ぐためにプレイ)」モデルを超え、より持続可能な「Play and Earn(プレイして稼ぐ)」アプローチを採用。ゲームは、オリジナルのAxie Infinityより刷新されたバトルシステムとユーザーインターフェースを導入している。
従来のゲームモデルとは異なり、新規ユーザーはNFTを購入やレンタルすることなく「スターターキャラクター」を入手可能。また、フィールドプレイヤーの活動からLANDオーナーが追加の利益を得るための統合システムが実装されている。
OriginsのiOS版では、アドベンチャーモードとアリーナモードが利用可能。アップグレード可能な「スターターアクシーズ」を駆使して、クラスバッジや名誉メダルを獲得し、アクシーズを強化していく。
ユーザーはまた、外部のNFTをiOSアプリに転送して戦闘や繁殖に使用できる。Sky Maves COOのAleksander Leonard Larsen氏は、現在のOriginsはライト版であり、将来的にさらなる機能を追加予定だと確認している。
現状の機能制限としては、プレイによってトークンの報酬が蓄積されるものの、これらの報酬はリリース時にはアプリ内で直接表示されないという点がある。さらに、ゲーム内で獲得した仮想通貨SLPは、アイテムの作成やクラフトに使用できない。
Axie Infinity: Originsは、2022年2月に発表され、同年4月には早期アクセス版がSky Mavis独自のイーサリアムサイドチェーンであるRonin上でリリースされた。テストプレイの段階でも、ゲームは大きなファンを集め、2022年6月時点で60万人以上の登録ユーザーを獲得した。
iOS版は、現在はLATAM地域やアルゼンチン、コロンビア、ペルー、メキシコ、ベネズエラ、インドネシア、マレーシア、ベトナムなどの主要なアジア市場のユーザーにアクセス可能。将来的にはグローバルで利用可能にする予定だ。
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Apple App Storeと仮想通貨アプリ
Apple App Storeは、仮想通貨アプリに対して厳格な審査基準を設けてきた経緯がある。2022年には、App Storeの審査ガイドラインを更新し、NFTに関する規定を追加した。これにより、アプリ内課金を通じたNFTのミンティング、リスト、転送を許可する一方で、外部で購入したNFTに関連する追加コンテンツや機能は許可していない。
この方針により、Coinbase WalletアプリからNFTの転送機能が削除されるに至った。Coinbaseはまた、Appleがイーサリアムの送金手数料(ガス代)に30%の手数料を追加しようとしたが、技術的には不可能であるとも指摘した。
Axie Infinity: OriginsのiOSリリースは、この複雑な状況の中で前進する一歩のように見える。Larsen氏はSky MavisがApple社との強い関係を維持していると考えており、「Appleとの調整に2年間を費やした。当社とAppleの関係は強固だ」と述べている。
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