- 『Ripple for Good』の発足
- リップル社は27日、社会貢献を目的に教育や金融包摂に焦点を当てる『Ripple for Good』プロジェクト発足を発表した。同社は、以前から社会貢献活動に積極的な姿勢を見せている。
- 注力される教育と金融包摂
- この『Ripple for Good』プロジェクトは、教育や金融包摂(Financial Inclusion)に焦点が当てられていくとされた。金融包括の実現に向け、RippleWorksと共同で取り組みを行なっていくとも言及された。
- 金融包摂とは
- 発展途上国などで金融システムにアクセスできない人々が、そのシステムにアクセスできるようになること。
『Ripple for Good』発足へ
9月27日に、ブロックチェーン決済企業のリップル社が、プレスリリース にて社会的インパクトを与える『Ripple for Good』と呼ばれるプログラムを開始すると発表しました。
当プロジェクトは、教育や金融包摂に焦点を当てていく方針です。
以前、コインポスト で報じたように、リップル社は今年6月に仮想通貨や、ブロックチェーン技術のさらなる普及に向けた大学ブロックチェーンリサーチ構想((UBRI)と呼ばれるプロジェクトを開始しました。学術研究や、技術開発、仮想通貨関連のイノベーションを促進することを目的として、MITやプリンストン大学を始めとする世界的に有名な大学17校と提携を結び、5000万ドル(約55億円)を寄付していると発表されます。
さらに、リップル社は今年3月にも、教育系クラウドファンディングサイトDonorsChoose.orgに掲載された3.5万にものぼるプロジェクトに2900万ドル(約32億円)を寄付しました。
このように、同社は今回の『Ripple for Good』プロジェクトにて2500万ドル(約28億円)を出資、過去に同様に投じられてきた資金と合算すると合計で約1.05億ドル(約120億円)に達したことが明らかになっています。
リップル社のソーシャルインパクト部門の責任者を務めるKen Weber氏は、今回の発表に対し、以下のようにコメントしました。
「社会的インパクトを与えるというリップル独自の役割に焦点を当てた結果、我々は、この新技術がもたらす恩恵をできるだけ多くの人々に届けるという考えに行き着いた。 仮にグローバルな変革に注力すると、銀行システムにアクセスのある人やない人、あらゆる経済分野も含め、銀行業や国際決済におけるイノベーションへどこでも誰でもアクセス可能にすることが第一優先となる。我々の目標は、価値のインターネット(Internet of Value、IoV)をあらゆる人に提供することだ。」
注力される教育と金融包摂
そして、その教育において、リップル社は、STEM(科学・技術・工学・数学)とフィンテックの分野に関して特に注力していくと言及し、社会的にインパクトを与える実用性に焦点を当てた、さらなる技術の理解、普及、イノベーションを促進していくことを強調しています。
またリップル社は、金融包摂に向けて、Chris Larsen氏、および、Doug Galen氏によって創業された非営利団体RippleWorksと共同で取り組みを進めることも明らかにしました。RippleWorksは、社会にインパクトを与えることのできるプロジェクトを選出し、そのビジョン実現に必要な専門的なリソースを提供してきた実績を持っていることから、『Ripple for Good』に実践的な知見をもたらすと考えられています。
このように仮想通貨業界の中でも最も注目されている企業の一つであるリップル社が、積極的に社会貢献を掲げ、教育的な側面から仮想通貨やブロックチェーン技術の発展、普及を支援し、既存金融システムへのアクセスがない人々に対する金融サービスの提供を進めていることは、仮想通貨業界全体にとって良い影響を与えることになると言えるでしょう。