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フェラーリ、ビットコインやUSDCなどの仮想通貨決済を可能に=ロイター

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BTC、ETH、USDCの決済を導入へ

イタリアの高級車メーカー「フェラーリ」は、自動車の購入代金として、ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)の受け入れを開始する計画だ。同社のエンリコ・ガリエラ最高マーケティング責任者がロイター通信に話した。

まず米国で、ビットコイン、イーサリアム(ETH)、USDコイン(USDC)での購入を許可する予定だ。仮想通貨決済導入にあたっては、大手仮想通貨決済企業BitPayと提携する。

ガリエラ氏は、すでに米国のフェラーリ・ディーラーの多くがこのシステムに登録を始めていると述べた。

さらに2024年の第1四半期(1~3月)までには、欧州でも仮想通貨決済を提供し、その後、仮想通貨が法的に認められている他の地域にも拡大していく方針だ。

この動きの背景についてガリエラ氏は、顧客の中には仮想通貨に投資している人も増加傾向にあり、市場やディーラーからの要望に応えて行ったものだと話している。

フェラーリの顧客の中には、仮想通貨によって富を築いた若い投資家や、伝統資産への投資が中心だがポートフォリオを多様化するために仮想通貨にも出資している投資家がいると述べた。

また、フェラーリの製品を購入する余裕のある新たな客層にリーチするためにも役立つだろうと続けている。

仮想通貨の価格変動による影響回避のため、Bitpayは、フェラーリに代わって、仮想通貨による支払いを即座に法定通貨へと変換する。さらにBitpayは、仮想通貨がマネロンや脱税に使われていないことについて確認を行う。

環境への影響について

ガリエラ氏は、仮想通貨決済の導入は、フェラーリの炭素削減目標とも矛盾しないものだとしている。同社のバリューチェーン全体で、2030年までにカーボンニュートラル(炭素中立)を達成するという目標は確固として維持すると話した形だ。

ガリエラ氏は、仮想通貨セクターは、新しいソフトウェアの導入や再生可能資源の利用拡大などにより二酸化炭素排出量を削減する努力をしてきたとも指摘した。

カーボンニュートラルとは

二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量から吸収量と除去量を差し引いた合計をゼロにすること。排出量が実質的にゼロな状態を指す。日本政府は2050年までに「カーボンニュートラル」達成を目標にしている。

▶️仮想通貨用語集

電力消費について、イーサリアムは2022年9月にPoWからPoSへと移行する大型アップグレード「The Merge(マージ)」を完了。消費電力を従来よりも99%以上削減する体制となった。

関連イーサリアム大型アップグレード「マージ」実装完了

また、ビットコインについては英ケンブリッジ大学オルタナティブ金融センターが、電力消費を分析する指標を見直した。マイニングマシンが最新になっていることを考慮すると、電力消費量はこれまでより大幅に見積もることができると発表している。

関連英ケンブリッジ大学、仮想通貨ビットコインの電力消費を分析する指数見直し

自動車業界ではテスラが2021年にビットコイン決済を導入したものの、わずか2ヶ月弱で中止した事例がある。

この際イーロン・マスクCEOは、仮想通貨のクリーンエネルギー使用率が50%に達した際にはビットコインの決済を再開する可能性があると述べていた。2021年時点で、再生エネルギーの比率はすでに70%を超えていると意見するアナリストもいたが、正確な数値を測定することには困難があるとされる。

関連テスラ社のBTC決済、再開の条件が明らかに ビットコイン420万円台に

PoS(プルーフオブステーク)とは

保有(ステーク)する仮想通貨の割合に応じて、ブロックを新たに承認・生成する権利が得られるコンセンサスアルゴリズムのこと。取引の承認に高性能なコンピューターが必要で、大量の電力消費を伴うコンセンサスアルゴリズム「Proof of Work(PoW)」の代替手段として生まれた。承認を行うと、報酬として新規発行される仮想通貨を受け取ることができる。

▶️仮想通貨用語集

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