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タイ大手銀KBank、仮想通貨取引所「Satang」を買収

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

カシコーン銀行が仮想通貨に参入

タイの大手銀行カシコーン銀行(KBank)は30日、子会社を通じて現地の暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するSatang Corporationを買収したと発表した。

タイ証券取引所に提出された書類によると、Satangの株式の97%を10月27日に取得した格好だ。買収は、カシコーン銀行の完全子会社で資本金約164億円(37億バーツ)のUnita Capitalを通じて行われている。

Unita Capitalは、仮想通貨カストディアン、仮想通貨ファンド管理、ブロックチェーンインフラ開発事業のために、Orbix Custodian、Orbix Invest、Orbix Technology&Innovationという3つの子会社も設立した。

SatangをOrbix Tradeと名称変更して運営していく計画だ。

Unita Capitalは2022年に登録され、仮想通貨事業を運営する企業に投資することを目的にしている。

Web3企業への投資

カシコーン銀行はWeb3セクターへの進出を始めたところだ。9月には、同銀行のテクノロジー部門であるカシコーン・ビジネス・テクノロジー・グループ(KBTG)がWeb3と人工知能(AI)のスタートアップに投資するため約149億円(1億ドル)のファンドを立ち上げている。

KXVCと呼ばれるこのファンドは、世界中のAI、Web3、フィンテックスタートアップをターゲットにしており、アジア太平洋地域に重点を置くことも検討している。

Web3セクター内では、ゼロ知識証明やリキッドステーキングなど、さまざまなテクノロジーのスタートアップを出資対象として考慮する計画だ。

Web3とは

現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

▶️仮想通貨用語集

カシコーン銀行はタイの銀行の中でも総資産が2番目に大きく、同国の銀行サービスデジタル化においても中心的な役割を果たしている。2025年までに東南アジアにおける包括的な地域テクノロジー企業になるという目標も設定している。

タイでは、過去に他の大手銀行も仮想通貨セクターに関心を示した。サイアム商業銀行は2021年、タイ最大の仮想通貨取引所ビットクブの51%を買収する約802億円(5億3,700万ドル)の契約に署名している。

しかしその後、2022年に市場環境が悪化したことや、タイの証券規制当局が求めた規制上の対応についての問題が浮上し、買収取引を22年8月に取りやめた。

商品購入を禁止

タイの証券取引委員会は2022年4月より、仮想通貨を商品やサービスの決済に利用することを禁止している状況だ。投資として取引は行えるものの商品購入などには使えなくなった。

証券取引委員会はこの理由として、仮想通貨決済が普及することにより、「金融システムの安定性」に影響を与える可能性や、「価格変動による価値喪失、サイバー犯罪」 などのリスクが考えられることを挙げている。

関連タイの金融当局、仮想通貨による商品・サービスの支払いを実質禁止へ

一方、タイ政府はブロックチェーンの活用にも着手している。

タイの与党であるタイ貢献党は9月、景気対策としてタイ国民にデジタルウォレットを使って、それぞれ約4万円(1万バーツ)を配布する計画だ。

デジタルウォレットに、居住地から半径4km以内に位置する店舗で商品やサービスを購入できるようなユーティリティトークンの形で資金を配布することを計画している。

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