既存・新規資産クラスのデジタル化
大手証券取引所のフランクフルト証券取引所を運営するDeutsche Börse Group(ドイツ取引所株式会社)は7日、2026年までの成長戦略を発表した。
その中で、長期的な観点から、既存または新規の資産クラスのデジタル化に関する新技術による成長可能性を挙げている。
クラウド利用のさらなる拡大などに加えて、ブロックチェーンを活用したデジタル証券レジストリの開発や、デジタル資産取引プラットフォームを構築することが、投資可能な商品、取引可能な商品の範囲を大幅に拡大するために重要であると述べる格好だ。
ドイツ取引所のテオドール・ヴァイマーCEOは、2026年までの3つの成長戦略について次のように述べている。
第一に、近年ドイツ取引所の強みであることが証明されているオーガニックな成長の継続を行う。第二に、強力な成長機会とシナジー効果が期待できる新たな投資運用ソリューション部門を成功させる。
第三に、取引資産のデジタル化における主導的役割を拡大することだ。
株式や不動産、貴金属その他現実資産(RWA)トークン化については金融業界で現在、注目が高まっているところだ。今回、ドイツ取引所も成長戦略に組み入れていることが明らかになった。
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ドイツ取引所は、以前よりデジタル資産分野に力を入れている。2021年には、スイスの仮想通貨関連企業Crypto Finance AGを買収した。Crypto Finance AGは機関投資家向けに仮想通貨のトレーディングやカストディ、資産のトークン化などを提供する企業である。
証券取引所の参入事例
ドイツ取引所の他に、ロンドン証券取引所も、現実資産トークン化が含まれるブロックチェーン基盤取引プラットフォームの開発を計画していると伝えられるところだ。
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また、ドイツのシュトゥットガルト証券取引所(Börse Stuttgart)は3月、同取引所に属するblocknoxが、ドイツ金融規制当局から仮想通貨カストディアンとしての最終的なライセンスを取得した。
機関投資家の顧客に、仮想通貨の仲介、取引、カストディという一連のサービスを提供していく。
カストディとは
投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す。仮想通貨以外の資産にも広く使われる用語。資産の保管や売買に係る決済、また元利金・配当金の受領や議決権行使など、幅広い業務を代行するサービスを指す。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。
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