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米SEC、仮想通貨企業DEBT Box訴訟の棄却申し立て「事実に基づかず不当」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

訴訟却下と制裁回避

米証券取引委員会(SEC)は1月30日、暗号資産(仮想通貨)企業Digital Licensing Inc.(通称DEBT Box)に対する訴訟の棄却申し立てを近日中に行うと、米ユタ地区の連邦地方裁判所に通知した。SECは昨年12月21日に、同訴訟で不正確な発言があったことを認める回答を提出していた。

ユタ地裁のロバート・シェルビー判事は11月30日、SECが同訴訟において「重大な虚偽及び誤解を招くような表明」を行い、民事訴訟規則第11条に違反しているとして、「裁判所がSECに制裁を課すべきではない理由」について開示命令を出した。

SECは12月の裁判所への説明文書で、7月に行われた審議では以下のような誤りがあったとして謝罪している。

  • 当時、SECの弁護士が知らずに不正確なことを主張
  • 発言内容が不正確であったことが判明した後も、訂正せず
  • 裏付けられた事実を根拠とするものではなく、推論による表明を行った

関連:米SEC、仮想通貨企業に対する訴訟で過ちを認めて謝罪

裁判の経緯

SECは昨年7月、DEBT Boxが「ノードライセンス」と称する未登録証券を販売し、数千人の投資家から4,900万ドル(約72億円)超を詐取したとして提訴。同社に対し、暫定的差し止め命令(TRO)の発動を求める申請書を提出した。

ユタ地方裁判所は、SECに対する審問後、DEBT Boxの資産を凍結するTROを発したが、9月に被告側がTRO取り消しの申し立てを提出。この申立てに対する審理で、SECがTROが発行されないことで「取り返しのつかない損害が生じる」事実を示さなかったため、裁判所は「TROは不注意に発行された」と結論づけ、10月にTROを取り消した。

その後、シェルビー判事は12月の裁判所命令の中で、SECがTRO申請に関して「著しく虚偽で誤解を招く」表現を行ったことに懸念を表明し、規制当局に制裁を科す可能性があると警告していた。

関連:「証拠不十分で仮想通貨企業を提訴した疑い」米連邦判事、SECに理由開示命令を下す

DEBT Boxの主張

DEBT Box側は、裁判所から理由開示命令を受けたSECの弁護士らに対し、制裁を加えるように求める書類を1月12日に裁判所に提出した。被告らは、TROの影響で、DEBT Boxのネイティブトークンは56%以上暴落し、130カ国以上、約30万人のユーザーに混乱をもたらしたと主張している。

また、TROの発動を受け、同社への融資が打ち切られ、従業員の給与支払いができなくなったが、クレジットカード会社や銀行からは支援を拒否されたという。被告の一人は、これまで数百万ドルの取引を行なってきたにもかかわらず、融資業者からの融資を断られた結果、自身の融資事業及び不動産事業が破綻した。

SECの主張

SECは、DEBT Boxによる裁判所への制裁要請に呼応する形で、今回再回答書を提出したものとみられる。

再回答書の中でSECは、DEBT Boxに対する訴訟を「他の権利に影響を及ぼすことなく」却下するように求めている(”dismiss without prejudice”)。この要請が認められた場合、SECは後日、被告を再度起訴することも可能だ。

SECは「権利に影響力を及ぼす」形で訴訟を棄却すること(”dismiss with prejudice”)、つまりSECの敗訴が確定的になり、再起訴の可能性が断たれることは、「故意の違法行為の場合にのみ適切な極端な制裁」であると主張。この訴訟では「そのような意図的な違法行為は発生しなかった」と説明している。

また、SECは「裁判所に対し同委員会の弁護士は、もっと包み隠さず対応すべきであった」と認識しているものの、裁判所によるSECへの制裁は、「適切でもなく、必要でもない」と主張した。

制裁が必要ない理由

SECは「裁判所が提起した懸念が再度、発生することがないよう」、以下のような「広範な是正措置」を講じているため、裁判所による制裁の必要はないと主張している。

  • 調査および訴訟に関与するすべての執行部職員に対し、「正確さや誠実さ、不正確な事項が判明次第迅速に修正する」特別研修を義務付ける
  • この問題を監督するため、SECデンバー事務所の経験豊かな弁護士を任命

SECとDEBT Boxに対する法廷での審理は、3月7日に予定されている。

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