はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

DeFi投資を最適化し、効率的なポートフォリオ管理を実現する「DeFi Saver」とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2種類以上のDeFi(Decentralized Finance:分散型金融)サービスを活用して資産形成を行っている場合、全体的なアセットの管理や、総合的な利益・損失の算出が煩雑に感じることもあるでしょう。

この点、「DeFi Saver」では、分散型アプリケーションによる管理が実現できます。DeFi管理プラットフォームは、複数のDeFiプロトコルのアセット管理を一元化・効率化できるサービスです。

DeFi管理を効率化し、全体の取引管理や損益計算にかかる時間を大幅に節約できれば、価格分析や市場動向のリサーチなど、利益に直結する作業により多くの時間を割くことが可能となるでしょう。

本記事では、効率的なDeFi資産管理に特化した「DeFi Saver」について、概要や機能について詳しくご紹介します。また、DeFi Saverを利用するメリットや、利用する上で気になる安全性も解説します。

1.DeFi資産の管理を効率化・一元化するDeFi Saver

DeFi Saverは複数のDeFiプロトコルにおけるアセット管理を一元化したい投資家向けのDeFi管理プラットフォームです。DeFi元年とも呼ばれる2019年に誕生したDeFi Saverは、DeFiエコシステム最初のアプリの一つ。DeFi管理プラットフォームの先駆者として、高い評価を得ています。

多くのDeFiプロトコルにおけるポートフォリオ管理に対応しており、レンディング(貸付)およびボローイング(借入)、資産のスワップといった幅広い機能をユーザーフレンドリーなインターフェースを通じて提供することで、複雑なDeFi管理を簡易化します。

DeFi Saverは、Maker、Aave、Compound、Liquity、CurveUSD、Sparkを含む、複数のDeFiレンディングプロトコルを一つにまとめることができます。

貸出アグリゲーションに加えて、DFSは0x、1inch、Paraswap、KyberswapのようなDEXアグリゲーターを統合することで、取引所ダッシュボード上でメタアグリゲーションも提供し、最適なスワップルートを見つけることが可能になります。

このアプリは現在、イーサリアム(ETH)メインネットのほか、Arbitrum、Optimism、Baseといったブロックチェーンで利用可能です。

詳しくは後述しますが、本プラットフォームには特定の資産を担保にした他のトークンの借り入れや、チャートの追跡、レバレッジ管理の効率化ツールなどが搭載されており、豊富な自動化オプションによって取引を最適化できる点も魅力と言えるでしょう。

2.DeFi Saverのコア機能・搭載ツール

DeFi Saverにおいて、メインとなる機能・搭載ツールは以下の通りです。

  • Lending & borrowing
  • Advanced decentralized exchange
  • Leverage management
  • Loan shifter
  • DFS Automation
  • Custom transaction builder
  • 2-1.Lending & borrowing

    まずDeFi Saverは、レンディング(Lending)とボローイング(borrowing)に焦点を当てた機能を提供しています。DeFi Saver上では、Ethereumネットワーク上に構築された主要なDeFiプロトコルにアクセスし、異なるプロトコル間でもアセットの貸し付けや借り入れが可能です。

    2-2.Advanced decentralized exchange

    Advanced decentralized exchange(高度な分散型取引所)というツールでは、トークンの即時スワップやリミットオーダーの設定に加え、ドルコスト平均法を用いた投資戦略の設定などにも対応しています。また、プロトコル上で最適なレートを検索し、取引を最適化できる点も魅力です。

    2-3. Leverage management

    Leverage management(レバレッジ管理)は、レバレッジポジションの管理を簡易化するツールです。「Boost」「Repay」という2つのオプションから選択することで、シームレスなレバレッジの増加・解消を可能とします。

    具体的には、Boostは担保の設定からポジションサイズの増加まで、Repayはポジションの解消による担保比率の上昇までに必要な一連の作業を、単一のトランザクションを通じて実行します。

    2-4.Loan shifter

    Loan shifter(ローンシフター)は、ポジションの担保や借入資産の変更し、異なるプロトコルへ資産の移動を簡易化するツールです。

    例えば、MakerDAOからCompoundへとプロトコルを跨いだポジションの移動を行いたい場合を例にあげましょう。この場合では、最低150%の担保率(最大LTVは66%)のMakerDAO ETH-A VaultをCompoundに移動させることで、最大LTVを75%にまで高められます。またCompound上での借入資産を、DAIからUSDCなど別のトークンに変更することも可能です。

    Loan Shiferを活用することで市場の動きやユーザーニーズに応じて投資条件を柔軟に調整でき、より効果的なDeFi運用が可能となるのです。

    2-5. DFS Automation

    DFS Automation(DFSオートメーション)は、DeFi Saverに統合されたDeFiプロトコルのポジションを自動管理するための機能です。ストップロスといったリスク管理や利益確定、利回り収益の自動化、レバレッジの自動管理を通じて、損失の最小化と利益の最大化を実現します。

    2-6. Recipe Creator

    Recipe Creator(レシピクリエイター)は、プラットフォーム上で実行可能な複数の操作を1つのトランザクションに統合するツールです。異なるプロトコル間におけるアセットのスワップや、ローン機能、特定プロトコル内での売買注文などのアクションを事前に組み合わせることで、複雑な操作を1回のトランザクションで実行可能にします。

    3.DeFi Saverを利用するメリット

    DeFi Saverを利用する主なメリットは、以下の通りです。

    • 複雑な操作を1回で実行、オリジナルのDeFiプログラムを作成
    • 資産管理や取引を自動化
    • 完全無料のシミュレーションで全機能を体験

    3-1.複雑な操作を1回で実行、オリジナルのDeFiプログラムを作成

    DeFi Saverを利用する最大の利点は、そのカスタマイズ性の高さ。前述したRecipe Creatorを活用することで、アクションを組み合わせてオリジナルのDeFiプログラムを作成できます。

    MakerDAO、 Compound、Aaveなどのプロトコルを組み合わせて、AaveとdYdXのフラッシュローン、0xを用いたトークンスワップなどが可能です。Recipe Creatorでは複雑で高度なプログラミング知識は不要で、自然言語で指示を送れるのも魅力の一つです。

    例えば、「Aave v2から100 Daiを借りて、DAIをUNIに交換する」と入力すると、自動でカスタムレシピが作成されます。ブロックを組み立てるようにアクションを組み合わせて、それらを1つのトランザクションで実行できます。その他にも、「ETH VaultからSparkへETHを移動させる」「DAI、USDC、USDTをETHにマルチスワップする」などのアクションも可能です。

    ユーザー独自のニーズや要件に合わせてプログラムをカスタマイズすることで、より複雑な運用戦略を手間をかけずに展開できるでしょう。

    3-2.資産管理や取引を自動化できる

    DeFi Saverの自動売買戦略の大半は、清算保護、または市場動向を可能な限り活用することに重点を置いており、資産管理ではブースト、リペイ、ストップロス、テイクプロフィット、トレーリングストップを選択可能です。トレーディングに関しては、指値注文とDCAのみ利用できます。

    例えば、市場動向に応じて自動でレバレッジやポジションを調整することで、清算リスク(Liquidation)からポジションを保護。また、ストップロスと利益確定を組み合わせることで、利益を最大化しつつ損失を最小限にする上で役立つでしょう。

    DeFi Saverは、取引手数料(ガス代)の高騰やトランザクションの混雑に対抗するためのメカニズムを持っています。

    3-3. 完全無料のシミュレーションで全機能を体験

    DeFi Saverに搭載されたテスト環境「シミュレーションモード」では完全無料でDeFi Saverのすべての機能を体験できます。ウォレットの接続なども必要ありませんが、実際のウォレットを繋いでテストすることもできます。

    また、Recipe Creatorを通じて作成したオリジナルのプログラムが、実際に機能するかテストする目的でも活用できます。

    4.DeFi Saverのセキュリティ

    DeFiプラットフォームを利用する上で安全性が気になるところですが、DeFi Saverでは以下のセキュリティ対策が施されており、高いセキュリティも特徴の一つです。

    第三者機関によるスマートコントラクトの監査 バグ報奨金の随時募集 完全に非中央集権的な管理体制

    4-1.第三者機関によるスマートコントラクトの監査

    DeFi Saverスマートコントラクトは、ConsenSys AuditsおよびDedaubの監査を受け、監査結果をホワイトペーパー上で公開しています。

    ConsenSys Auditsはブロックチェーンプロジェクトやスマートコントラクトを使用したDapps開発やサービス提供を行う企業向けに、セキュリティ監査やコンサルティングなどを提供する企業です。同じくDedaubも、スマートコントラクトやDeFiの監査を提供しており、ホワイトハッキング活動を行っています。

    4-2.バグ報奨金の随時募集

    またユーザーに常にセキュアな環境を保障できるよう、DeFi Saverは常にブロックチェーンセキュリティプラットフォーム「Immunefi」においてバグの発見を報奨金付きで募集し、バグの発見を促進しています。

    なお、DeFi Saverの運営にとってクリティカルな影響を及ぼすバグや脆弱性には最大25万ドルが支払われる条件となっており、ホワイトハッカー側に大きなインセンティブが生まれるように設計されています。

    4-3.完全に非中央集権的な管理体制

    DeFi Saverでは、資産の管理について完全に非中央集権的な体制が敷かれています。ユーザーの資産について運営や第三者機関は介入せず、常にユーザー自身が資産へのコントロール権を持ちます。また、DeFi Saver上の取引は全てスマートコントラクトを使用して、トラストレスな手法で実行されます。

    先述したようにスマートコントラクトの監査結果は公開されているので、透明性の高い運営がなされていると判断できるでしょう。

    5.DeFi Saverを活用して一歩先の資産管理を

    本記事では、DeFiの資産管理を効率化するツールである「DeFi Saver」をご紹介しました。レンディングやボローイングなど基本的な機能はもちろん、レバレッジ管理やローンシフターなどDeFiプロトコル上で効率的に資産管理できる高度な機能が搭載されています。

    こうした機能を組み合わせることで、オリジナルのDeFiプログラムの作成や、資産管理や取引の自動化が可能です。

    DeFiを通じた資産形成を活発に行っており、DeFi取引のオリジナルプログラムの作成や自動化、シュミレーションなどに興味のある方は、一歩先の資産管理ができるDeFi Saverを利用してみてはいかがでしょうか。

    CoinPost App DL
    厳選・注目記事
    注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
    07/05 土曜日
    13:40
    トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
    World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
    13:00
    リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
    リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
    10:20
    1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
    14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
    09:45
    ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
    ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
    08:20
    Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
    ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
    07:10
    英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
    ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
    06:55
    14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
    14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
    06:30
    Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
    RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
    06:21
    初心者向け|仮想通貨取引所のKYC手続きとは?スマホでできるeKYCの流れと注意点
    口座開設の必須手順 暗号資産(仮想通貨)取引所を利用し始めるには、口座開設時に「KYC(本人確認)」と呼ばれる手続きが必要です。これは、ユーザーの身分確認や、利用目的の確認を通…
    06:10
    スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
    スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
    05:40
    2800分の1の確率を突破 個人マイナーがビットコイン採掘に成功、5000万円獲得
    個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
    07/04 金曜日
    17:43
    マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
    アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。
    17:11
    SMBCグループ、事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設 Web3や生成AIの活用を目指す
    SMBCグループが事業共創施設「HOOPSLINK」を丸の内に開設。Web3などを活用し、スタートアップから大企業まで多様なパートナーと新事業を創出。
    15:08
    みんなの銀行、ソラナ基盤のステーブルコイン事業化に向け共同検討を開始
    みんなの銀行がソラナ(SOL)基盤のステーブルコインとweb3ウォレットの事業化に向け共同検討を開始。Solana Japan、Fireblocks、TISの3社と協業し、新たな金融体験の創出を目指す。
    13:50
    米上場アンバー・インターナショナル、約37億円調達で仮想通貨準備金戦略を加速
    米上場のアンバー・インターナショナルが機関投資家から2550万ドルを調達し、1億ドルの仮想通貨リザーブ戦略を強化。パンテラ・キャピタルなど著名投資家が参加。

    通貨データ

    グローバル情報
    一覧
    プロジェクト
    アナウンス
    上場/ペア
    重要指標
    一覧
    新着指標
    一覧