仮想通貨の監督で増員を計画
米証券取引委員会(SEC)は、2025年の予算要求を提出した。暗号資産(仮想通貨)セクターの監督についても資金増額を求めている。
SECは、審査部門について2025年度に追加で23名のポストを求めており、増員理由を次のように説明した。
重要な市場インフラ、サイバー・情報セキュリティ、仮想通貨および新興テクノロジーの回復力に関連するリスクなど、重要かつ進化するリスクに対処する部門の能力を強化する。
また、SECの投資家教育擁護局も、2025年に追加のポジションを一つ要請。主に、「仮想通貨証券」関連の詐欺についての苦情処理などに重点を置くとしている。
SEC(証券取引委員会)とは
株や債券などの証券の取引を監督する米国の政府機関のこと。1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。
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SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は、予算要求書で次のように述べた。
私たちは、コンプライアンス違反が蔓延し、投資家が苦労して稼いだ資産を投機性の高い資産クラスのリスクにさらす仮想通貨市場の「ワイルドウェスト(無法地帯)」を目の当たりにしてきた。
ゲンスラー氏は22日、ロースクールのカンファレンスでも仮想通貨業界には、「開示などを義務付ける登録要件を回避しようとする事業者がいる」と話している。
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SECは今後も「執行による規制」継続か
グローバル法律事務所Norton Rose Fulbrightは2月、SECが仮想通貨セクターに対する「執行による規制」アプローチを継続・強化するだろうと予測した。
SECは2023年にもクラーケンやコインベースをはじめ、様々な企業に対して未登録証券を提供したなどとして訴訟を起こしていた。
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CFTCの予算要求
米商品先物取引委員会(CFTC)も、2025年の予算要求では仮想通貨についての追加リソースを求めている。
仮想通貨商品のデリバティブ清算機関ライセンスを求める企業が増えており、これに関連するリスクに対処するための予算が必要だとする格好だ。
なお、CFTCのロスティン・ベーナム委員長は、イーサリアムの証券性については明言を避けるSECのゲンスラー委員長とは対照的に、イーサリアムはコモディティ(商品)であるとの見方を示してきた。
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