「投資契約」の定義めぐり控訴求める
米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは13日、米証券取引委員会(SEC)との訴訟で、控訴裁判所に中間控訴(仮抗告)する許可を求める書面を地方裁判所に提出した。
証券取引委員会が、仮想通貨などデジタル資産の取引を「投資契約」として規制できるかどうかという点について、第2巡回地区控訴裁判所(高等裁判所)がただちに検討できるようにするものだ。
コインベースが中間控訴の許可を求めたことは、SECとの訴訟において異議に関する重要な法的根拠を持っている可能性が高いことを示している。
コインベースのポール・グレワル最高法務責任者は、今回の動きの意味を次のように説明している。
We’re asking to take this up on appeal earlier than normal because it's critical to our industry. The SEC’s action against us and other digital asset companies goes way beyond the legal authority granted by Congress and puts an unjust cloud over US digital asset innovation. 2/5
— paulgrewal.eth (@iampaulgrewal) April 13, 2024
私たちの業界にとって重要な問題であるため、通常よりも早くこの点について控訴裁判所の判断を仰ぐことを求めている。
当社および他の仮想通貨企業に対するSECの行動は、議会によって付与された法的権限をはるかに超えており、米国のデジタル資産イノベーションに不透明な状況をもたらしている。
背景としてコインベースは、取引を証券性のある「投資契約」とみなすには正式な契約書などが必要だと主張し、SECによる訴訟の棄却を求めていた。しかし、ニューヨーク南部地区のキャサリン・ポーク・フェイラ判事は3月、この指摘に同意せず裁判の続行を許可している。
今回の訴状でコインベースは、ある資産の証券性を判断するハウィーテストを取引にどのように適用するかについて、SEC委員や米国の議員、判事の間でも意見が分かれていると指摘した。
「ハウィーテストを仮想通貨取引に適用しようとすると様々な難問が浮上する」とも述べている。
以前よりコインベースは、SECはハウィーテストの基礎となった判決の要件を無視していると主張していた。証券性をみとめるには単に投資家がお金をある資産に投資する以上のことが必要だと論じていた格好だ。
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ハウィーテストとは
ハウィーテストとは、米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。1946年のHowey社訴訟事件の際に裁判所が「投資契約」の判断基準として定めた。
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また、米上院のシンシア・ルミス議員とカーステン・ギリブランド議員は昨年8月、SECの訴訟を却下するよう裁判所に請願書を提出している。仮想通貨は国家的に重要な問題であるため、裁判ではなく、まず議会で方向性を示すべきだという趣旨だ。
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リップル裁判への影響は
仮想通貨XRPを支持するビル・モーガン弁護士は、今回のコインベースによる抗告申し立てがリップル社対SECの裁判に影響を与える可能性もあるとして、次のように意見した。
コインベースに抗告の許可が与えられ、コインベースが敗訴した場合、トーレス判事による「XRPの一般投資家への販売は投資契約ではない」という判決に対するSECの控訴が成功する可能性がより高まるかもしれない。
背景として、トーレス判事が昨年7月に個人投資家へのXRP販売の証券性を否定した後、SECはこの点に対して中間控訴を申し立てていたが、これは10月にいったん拒否された。
一方で、モーガン弁護士は、地裁で最終判決が下される前に、一部の論点で控訴裁判所への中間控訴が認められることは少ないとも指摘している。
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