- 仮想通貨企業のIPO
- 仮想通貨業界では一般的にICOが資金調達の手段としては主流だが仮想通貨関連事業を展開する大企業のIPO出資に関する憶測が飛び交っている。今回は最近噂されているCoinbaseとBitfury、BitmainのIPOについての情報をまとめた。 CoinbaseのIPOに関して
- *CNBCの仮想通貨番組の最新情報によれば、Coinbaseは評価額80億ドルの5億ドルを調達している。初期投資家Adam Draper氏が80億ドルは過小評価と言及した。
- IPOとは
- Initial Public Offeringの略語。 日本語では「新規公開株」や「新規上場株式」と表す。具体的には、株を投資家に売り出して、証券取引所に上場し、誰でも株取引ができるようにすることを指す。
憶測絶えない仮想通貨大企業のIPO
仮想通貨業界では、一般的に行われるIPOではなく、ICOという独自の資金調達手段を利用しており、昨年はICOで総額5600億円相当の資金調達が行われていた。
しかしそうした中で、仮想通貨取事業やマイニング事業で成功を収めている3大企業がさらなる発展の為にIPOによる出資を検討しているニュースが頻繁に見受けられる。
今回はここ2ヶ月噂されているCoinbaseとBitfuryのIPOについての情報をまとめた。
最新情報:Coinbase噂のIPOに関して
昨夜 (10月26日)、CNBCの番組「CryptoTrader」のホストRan NeuNer氏は、先日米ロサンゼルスで開催されたカンファレンスCrypto Invest Summitにて、Coinbaseに関するIPOの噂について、以下のように報じたビデオを掲載した。
CNBC CRYPTO TRADER EXCLUSIVE: Coinbase Pre IPO Raise details.
— Ran NeuNer (@cryptomanran) 2018年10月26日
We look at the numbers that make up the $8bn valuation.
We also ask @stevewoz why he is excited about Crypto.
Global Equities Crash Ahead in November – Good for Crypto?https://t.co/auDOBZfviS
Coinbaseに詳しい情報筋(Coinbaseの従業員ではない)によると、Coinbaseは評価額72~80億ドルを見込み、現在5億ドルのファンドを調達している最中である。
このファンディングラウンド、『優先出資』と『普通株』の二つの段階と分かれている。
同番組によると、Coinbaseの経営現状は以下の通り。
- 取引所の口座数:2500万
- 仮想通貨か法定通貨を保有する口座数:700万
- 毎月取引している口座:60万
- 前四半期の売上高:9000万ドル
- 2017年Q4の売上高:4億5000万ドル
- 顧客による売上高:80%
- 機関投資家による売上高:15%
CNBC Cryptotrader exposes details of the Coinbase IPO raise tomorrow on a Cryptotrader exclusive. pic.twitter.com/YG4UOP3ju8
— Ran NeuNer (@cryptomanran) 2018年10月25日
そして、NeuNer氏は、Coinbaseの初期投資家(6年前に約1千万ドルを出資した)Adam Draper氏(米著名ベンチャーキャピタリストTim Draper氏の息子)にIPOの噂について取材を行い、Adam氏はこの様に語った。
Coinbaseの株に対する需要がとても多いだろう。もしIPOを行うなら、もっと購入したい。
Coinbaseは間違いなく、1兆ドルの価値を持つ上位10企業の一つになると思う。
80億ドルという評価額は、むしろ過小評価だ。
CoinbaseのIPO噂の背景
今月上旬、Recode社の報道でCoinbaseがIPOをした場合、評価額は80億ドルとなると匿名ソースが発言し、波紋を呼んだ。
またそれに続き、以前CoinPostでも報道した 億万長者で仮想通貨界隈の著名人であるMichael Novogratz氏がCoinbaseに対しTiger Capital社が5億ドルの出資を検討している事を明らかした。
これらの報道から最も有名な仮想通貨取引所の一つであるCoinbaseのIPOに対する期待が高まっている為、Crypto Traderで報道される内容に注目が集まっている。
Coinbaseの業績
世界最大級の仮想通貨取引所であるCoinbaseは5月には4つの機関投資家向けの新たなサービス・新製品を開始した。
- Coinbase Custody
- Coinbase Markets
- The Coinbase Institutional Coverage Group
- Coinbase Prime
また今月には上述したCoinbase Custodyが同社の子会社として独立した上で、ニューヨーク州金融サービス局から信頼憲章の交付をもらった。
これにより、従来のカストディ業者と同様、機関投資家は規制に準拠しながらCoinbaseに資産管理を託すことが可能となった。
さらに仮想通貨取引所Coinbaseは9月末に長らく主要5つの銘柄しか扱わなかった仮想通貨の取り扱い銘柄を拡大していく方針を明らかにするなど、下落相場の中で着実に事業拡大を展開している。
Bitfury
Bloomberg誌の報道内のソース元によると本日仮想通貨マイニングにおける有名事業のBitfury社もIPOを検討中である事が判明した。
身元を明かさなかった内部関係者によると複数の世界規模の大銀行と話を進めているとのこと。
BitfuryのGlobal Ambassadorを務めるMarc Taverner氏によると今年5月時点で世界における約11〜15%のマイニング機器がBitfury社のマシンであるという企業だ。
同社は2013年から独自ASICの開発を開始した他、データセンターの運営、外販やホスティングサービスも行なっており、ソフトウェア事業に力を入れている。
Bitmain
また以前CoinPostでも報道した通り、Bitmainは既に世界最大級の取引所の一つである香港証券取引所でIPOの申請を行なっている。
Bitmainは中国の世界最大級のマイニング企業で、ビットコインのハッシュレート、マイニング量も随一を誇っている。
s9を筆頭としたAnt Minerなどのマイニング機器の販売、クラウドマイニングやマイニングプールなどのマイニング事業展開している。
なお、本稿執筆時点でも香港証券取引所へのIPO申請は未だ承認されておらず、どのような査定を受けるか、IPOの開始時期や公開される株式数も明らかにされていない状態だ。