はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

BitmainがIPOを正式申請、財務詳細が公開|ビットコインキャッシュの高騰に影響か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BitmainのIPO計画
世界最大の仮想通貨マイニング企業であるBitmainが香港証券取引所でIPOの申請を行なったことが明らかになった。その申請書の中で、Bitmainの財務詳細が公開され、着実な成長を遂げていることが示唆された。
Bitmainの取り組み
Bitmainは、過去に3回の資金調達ラウンドを経て合計7.6億ドルを調達し、積極的に海外への進出も果たしている。そして、その収益の大半を占める仮想通貨マイニング機器の分野で競争性を保つため、研究分野に資金、人材ともに多く投資していることも明らかになった。

世界最大の仮想通貨マイニング機器製造会社Bitmainが香港証券取引所(HKEX)にて公式にIPO(新規株式公開)申請を行なったことが明らかになりました。

ライバルチップメーカーのCanaanやEbangがそれぞれHKEXに上場したことも含め、今年2018年の初めからBitmainがIPOを行うことが噂されてきましたが、今回の公式文書の公開によってその噂が事実であったと証明されました。

その申請は未だドラフトの段階であり、HKEXがIPOを許可したわけではないため、今後Bitmainがどれほどの評価を得るのか、何株を売りに出すのか、いつそのIPOが開始されるのかなどは未だ定かではありません。

しかし、その申請に伴い謎にされてきたBitmainの実状が明らかになりました。

その文書によると、同社は、2017年に2,517,719,000ドル(約2830億円)の収益をあげ、2016年の277,612,000ドル(約310億円)から大きく収益を伸ばしています

出典:IPO文書

2018年6月30日時点での2018年の収益は2,845,467,000ドル(約3200億円)であると記述し、2017年の収益を凌駕する勢いであることが示唆されました。

そのうちの粗利益は、2016年の151,351,000ドル(約170億円)、2017年の1,212,750,000ドル(約1360億円)、2018年上半期で1,030,151,000ドル(約1160億円)、税引き前利益は2016年に137,750,000ドル(約150億円)、2017年に897,376,000ドル(約1010億円)、2018年上半期に907,792,000ドル(約1020億円)となっており、2018年の仮想通貨価格の下落に反してと堅調な推移を見せていると言えるでしょう。

費用、経費調整後のBitmainの純利益は、2015年に4860万ドル(約54億円)、2016年に1.1億ドル(約120億円)、2017年に9.5億ドル(約1070億円)、2018年上半期で同じく9.5億ドル(約1070億円)であるとされています。

さらに、Bitmainはビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコイン、ダッシュなどの仮想通貨を8.8億ドル(約990億円)分所有し、総資産の28%を占めていることが明らかになりました。

出典:IPO文書

2017年にその仮想通貨所有額は8.7億ドル(約980億円)であったことから、あまり増加していないように錯覚します。しかし、2018年に入り仮想通貨市場が全体的な下落を見せたにも関わらず、その所有額が減っていないことから、評価額ではなく、仮想通貨保有総量は増加していると予想されています。

Bitmainの取り組み

Bitmainは、ビットコインやその他の仮想通貨にも対応しているAntiminerと呼ばれるマイニングデバイスを販売していることで有名で、その利益は、2016年に全体の77%、2017年に90%、2018年上半期には94%にまで上昇し、大半の利益をAntiminerの販売によって得ています。

そのうちの80,000人もの顧客が中国であると主張する一方で、それ以上の顧客が海外に存在していると言及しました。

そして、その他の利益は、マイニングファーム、マイニングプール、AIチップ、ブロックチェーン関連のサービスで構成されていると既述されています。

このように、マイニングデバイスに利益が集中しており、今後より高性能のマイニングデバイスが台頭してきた場合、Bitmainはその収入が脅かされる可能性がることが懸念されていました。

しかし、Bitmainは、2017年に7300万ドル(約82億円)、2018年上半期に8600万ドル(約97億円)を研究費に費やしており、2600人近くいる従業員の3分の1に当たる人員を研究に割いていると主張し、現時点で、BitmainがASICマイニングハードウェア市場の75%を牛耳っていることから、充分な対策が講じられていると言えるでしょう。

結果的に、今月9月中旬にBitmainは、次世代7nm ASICチップを使用した新マイニングデバイスBM1391も発表しています。

そして、Bitmain共同創業者のJihan Wu氏は、人工知能チップなど、ASICが重要視される仮想通貨外の分野にも進出したいと示唆しており、今後5年のうちにBitmainの収益の40%は人工知能チップによる売り上げになると語っています。

さらに、Bitmainは2017年8月、2018年6月、8月と、過去に3回の資金調達ラウンドを経て合計7.6億ドル(約850億円)の資金調達に成功しているとされており、モンゴル、中国、アメリカ、カナダなどでマイニング施設を運営または、今後運営開始する予定で、香港、アメリカ、カナダ、ブラジル、ジョージア、イスラエル、キルギス、マレーシア、オランダ、ロシア、シンガポール、スイスでオフィスや倉庫などのビジネス上必要なスペースを確保していることが明らかになりました。

このIPOは未だ申請の段階であり、いつこのIPOが行われ、どれほどの規模の新規株式発行になるのかも定かではありません。

しかし、仮想通貨業界で非常に影響力の強く、最も注目されている会社の一つであるBitmainのような企業がHKEXに上場することでメインストリームの市場からどのような評価を得るのかが注目されています。

大手海外メディアのBloombergも以下のように既述しました。

「もしBitmainがIPOを行うのであれば、投資家が仮想通貨を一時的な流行りとして捉えているのか、大きな影響を持ち続けるイノベーションと捉えているのかが明白になる大規模なテストとなるだろう。」

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/02 木曜日
18:50
日本の暗号資産投資家67%が長期保有を選択ーBinance Japan調査
Binance Japanが実施した1,076名への調査で、日本の暗号資産投資家の67.1%が長期保有を選択していることが判明。収益性を最重視し、XRPが人気1位に。税制の影響で短期売買より長期投資が有利な日本独自の投資傾向を詳しく解説。
17:48
ブロックチェーンゲーム開発のDJT、魁 三国志大戦など2作品のサービス終了と事業転換を発表
double jump.tokyoが創業以来の主力事業だったブロックチェーンゲーム開発からの事業転換を表明した。新規流入が伸び悩んだ際に崩壊するトークン経済圏の限界が露呈する中、OASトークンを軸としたトレジャリー事業とN Suite事業に注力し、Web3の基盤整備企業への転身を目指す。
17:00
Baseトークンのエアドロップ対策をわかりやすく
コインベース支援のL2「Base」が独自トークン発行を検討。エアドロップの可能性、想定される配布条件、メタマスクでのブリッジ方法からDeFi活用まで解説。価格目安やリスク対策も網羅。
13:55
PUMPトークン30%急騰、アークインベストが「新クリエーター経済」と評価
米アークインベストがミームコイン発行プラットフォームPump.funを高く評価した。再導入されたストリーミング機能が「新たなクリエーター経済を構築」と指摘し、PUMPトークンは24時間で30%以上急騰した。
13:35
ポケモンカードなどのトークン化資産が次のビッグトレンドとなる可能性=バイナンス
仮想通貨取引所バイナンスがポケモンなどトレーディングカードのトークン化市場のポテンシャルを指摘する記事を公開した。新市場として注目を集める背景を解説している。
13:18
SBIホールディングス子会社のマイニング企業「SBI Crypto」から仮想通貨が不正流出
SBIホールディングス傘下のマイニング事業である「SBIクリプト」から約2100万ドル相当の仮想通貨が不正流出した。ブロックチェーン調査員が9月24日に疑わしい資金移動を報告し、北朝鮮による攻撃との類似点を指摘。SBIは連結業績への影響は軽微とコメント。
13:10
スウェーデン野党議員、ビットコイン準備金創設の動議を議会に提出
2名のスウェーデン民主党議員が国家によるビットコイン準備金創設を求める動議を議会に提出した。押収したビットコインを中央銀行に移管する予算中立的なアプローチを提案し、10月15日から財務委員会で審議される予定だ。
12:01
ビットコイン上昇で12万ドル台回復も視野、政府閉鎖の影響でETF承認プロセスは一時凍結へ
暗号資産(仮想通貨)ビットコインが12万ドル台回復を目指す中、米政府閉鎖でSECが仮想通貨ETF承認を一時凍結している。100件超の申請が停止し、10月の承認ラッシュは延期へ。一方でゴールドマン・サックスは世界株式に強気の見通しを示している。
11:10
今年最後の3ヶ月間、仮想通貨市場の好材料とリスクは? グレースケール分析
グレースケールは、これからビットコインなどの仮想通貨相場は最高値を更新する可能性があるとの見方を示した。25年4Qの展望を述べ、投資家が注意すべきリスクも指摘している。
11:03
SBIがグループ総合力で切り拓く金融新時代──ステーブルコインを武器に先陣を担うSBI VCトレードの戦略とは
SBI VCトレード代表取締役社長の近藤智彦氏への独占インタビュー。国内唯一のステーブルコイン取扱業者として、USDC、RLUSDの展開戦略や円建てステーブルコイン、ビットコイン・トレジャリー支援など、SBIグループの総合力を活かした取り組みを語る。
10:35
ステーブルコイン配ったら生活は変わるのか? コインベースが低所得者に180万円相当USDCを給付開始
ニューヨーク市で、18歳から30歳の低所得者160人にステーブルコインUSDCで5カ月間合計1万2000ドルを配布するコインベースの支援プログラムが始まった。
09:45
ビットコイン、価格上昇に有利な状況で16万ドルから20万ドルへ向かう可能性=CryptoQuant
CryptoQuantが最新レポートで、仮想通貨ビットコインが16万〜20万ドルに向かう可能性があると分析した。クジラとETFの需要拡大など、価格上昇を支える要因を解説している。
08:50
米共和党議員「政府による強力なビットコイン投資も必要」
ベギッチ下院議員がワシントンD.C.のカンファレンスで、国家バランスシートの多様化にビットコインが必要だと述べた。ルミス上院議員と共同提出した法案では、5年間で100万BTCを取得する計画が示されている。
08:10
サムザップ、ドージハッシュに250万ドル融資 Dogecoinマイニング能力拡大へ
米上場のサムザップ・メディアがドージハッシュ・テクノロジーズに250万ドルの融資を実行した。買収完了前の資金提供で500台以上のASICマイナー追加を支援し、年内に総数4000台超の稼働を目指す。
07:50
英当局、1兆円相当のビットコインを押収
ロンドン警視庁は、仮想通貨ビットコインに関連する大規模な詐欺を巡り、中国籍の被告に有罪判決が言い渡されたことを発表。今回の捜査では1兆円相当のビットコインが押収されている。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧