CoinPostで今最も読まれています

Ripple社CEO、Brad Garlinghouse氏が説く仮想通貨の現状と可能性

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

新興の仮想通貨市場には大きなチャンスがある
様々なことが実現できる可能性があり、想像以上の進歩を遂げる市場
XRPは電信送金サービスの提供だけではない
Ripple社の技術は送金サービスのみならず、別のサービスの提供を目指している

Ripple社CEO、Brad Garlinghouse氏が説く仮想通貨の未来

Brad Garlinghouse氏はRipple社のCEOであり、またXRP(世界4番目に価値のある仮想通貨)の所有者でもあります。

その通貨について、私(Eric Jackson)は先週、Brad氏と今年度の仮想通貨の爆発的な人気について話す機会を持ちました。

さらにその対談の中で、彼がみる世界での長期的な仮想通貨の役割やドットコム時代との比較などを話しました。

※CoinPsot注:

Eric Jackson:

インタビュアー(緑色)

Brad Garlinghouse:

Ripple社CEO(青色)

Eric Jackson:

あなたは数年前、Ripple社にCOOとして就任し、今ではCEOになりましたね。

Rippleの何があなたを魅了させたのですか?

Brad Garlinghouse:

Rippleはドットコム時代を連想させます。

というのも、Rippleは私たちの想像を超え、たくさんの産業に影響を与える革新的なプラットフォームであるからです。ブロックチェーン技術は広範囲で取引を変えていくでしょう。

私は早い段階でビットコインの存在を知りました。その時、消費者への応用を思いつき、銀行や企業にとってさらに迅速なブロックチェーンの採用方法があると思ったのです。

シリコンバレーの新事業をみると、世界的に影響を与えるようなアイデアはごく僅かです。しかし私がChris Larsen(エンジェル投資家)と会ったとき、彼のビジョンは『インターネットの価値化』をすることでした。彼のビジョンには第二さらには第三の暗示があることに未だ気付いていない弊社の社員がいると思います。

Jackson:

なぜ最初に銀行の電信送金に焦点を当てたのでしょう?

Garlinghouse:

『電信送金』という言葉は1800年代にさかのぼり、それは旧式システムに基づきます。

価値を移動する際に生じる摩擦は驚くことにまだ大きいのです。XRPは決済問題を解決すべく開発され、私たちはそれをインターネット対応のプロセスにすることができます。

Jackson:

XRPのどの要素が旧式のSWIFTプロセスより優れた電信送金を可能にさせるのですか?

Garlinghouse:

弊社は銀行間で電信送金を可能にさせ、また従来では数日かかるはずの取引を数秒で完了にさせる金融プロセスを銀行に販売しています。

それに掛かるコストは劇的に低いですが、全プロセスの透明化はかなり高コストです。

例えば本日私があなたに電信送金します。

しかしその取引を探知するFedex番号が存在しないのです。それなのに、私たちはオンデマンドの通知やプロセスでなにが起きているのか知らせる通知を求めているのです。

だから私たちは莫大なスケールでさらにはリアルタイムで送受信を可能にする弊社のソフトウェアを銀行に売っているのです。

ビットコインコミュニティの一部の人は常にアンチ政府、アンチ不換紙幣、アンチ銀行の立ち位置をとっています。

Ripple社は中立的な立場を守ります。私の生涯の内に政府と銀行がなくなることはないでしょう。

ほとんどの政府が“Know Your Customer”及びマネーロンダリング対策の規制をかけていくでしょう。

それは絶対になくなりません。さらに私たちは電子資産が強大な役割を果たすことになる一方で不換紙幣が継続して使用されると信じます。

なぜなら私たちは銀行、政府、規制者と従事し、彼らにどのように電子資産から利益を得るか教えているからです。

私たちは既にイングランド銀行、連邦政府のFaster Paymentシステムを含む90以上の銀行と契約を結びました。

Jackson:

一部の自由意思論者の批評家は、Ripple/XRPは中央型なので、取引をリバース(利用者の特定)させることができると言います。

Garlinghouse:

そのような批評をきいたとき、私は彼らがRippleの技術に追い付いていないと思います。

もしRippleが明日なくなったとしても、XRPのレジャーは継続して存在し、取引も引き続き行うことができます。

RippleはXRPレジャー上の承認を与えますが、それは私たちだけではありません。

レジャー利用者は私たちに限らず他の承認者を選択することができるのです。つまり選択権は利用者にあるのです。

取引をリバースできることに関して言及すると、銀行が取引をリバースできるのは相手側の銀行がそれに同意したときに限ります。取引は続き、他の取引でリバースされます。

さらに個人情報(アイデンティティ)は銀行の承認が必要です。私もRippleもXRPレジャーで行われている取引上の個人情報を見る権限はありませんが、必要に応じて技術を使って銀行間の取引を特定することは可能です。

利用者間で匿名の取引を提供する仮想通貨があるみたいですが、私たちは銀行、法律、規制に従って活動しています。

銀行を通さない(グレーゾーン)マーケットには数兆ドルの価値の市場機会が存在するので、Rippleはそのチャンスを狙っています。

Jackson:

そのチャンスについて詳しく教えてください。それは単に電信送金なのでしょうか?それとも全く新しい形の市場チャンスなのでしょうか?

Garlinghouse:

ビジネスを構築するとき、常にそこには変革的な機会があると見ています。

このような機会に興奮しますが、それをどうのように実現するか考えなければなりません。

しかし考えすぎるのも決して良いことではありません。今現在、世界では155兆ドルの送金があり、もし私たちがこの決済チャンスをものにできたら、インターネットの価値化を可能にし、それを超えるさらなる機会を手にすることができます。

アマゾンが設立されたとき、彼らは書籍だけを売っていました。バーティカル(一つの事業)に集中に、いずれ他の事業に拡大していきました。私たちは同じようにブロックチェーン市場でも、他の事業を追跡していきます。

銀行の流動性は数兆ドルにも上り、デジタル資産を使い銀行のコスト削減及び流動性のニーズ削減を可能にすれば、数十兆ドルの機会をものにすることができます。

アマゾンが当初書籍に集中したように、私たちはまず銀行の決済に焦点を合わせます。弾みがついてくれば、他の事業にも参入する予定です。XRPレジャーは、トランザクションのスピード、および取引ごとのコスト削減において非常に優れていると考えています。

Jackson:

なぜXRPは他の仮想通貨よりも大きな容量の取引を扱うことができるのでしょう?

Garlinghouse:

ビットコインは取引完了までに4時間を要することもあります。XRPは3.7秒です。

ビットコインが一秒に3~4の取引しか処理できないですが、XRPは1,500の取引を処理できます。

これが可能な理由は、使用事例によって異なる設計がされているためです。

XRPは承認者の一致によって取引が確定されますが、ビットコインはProof-of-Work構造を使っているのでパフォーマンスに制限があるのです。XRP利用者を増やすために、我々のエンジニアは日々奮闘しています。

Jackson:

数週間前にDavid Sacks氏と対談したとき、彼は金融システムがここ(米国)より優れている発展途上国では、ブロックチェーン技術はより早い段階で採用されると思っていたと述べました。

あなたと取引をしている銀行にも同じことが言えるでしょうか?

Garlinghouse:

私はこれをテレコミュニケーション産業と比較したほうが良いと思います。

私はたくさんの発展途上国がいきなり近代の技術を採用する飛び級のようなケースを見てきました。同じように政府や金融機関も直接ブロックチェーン技術が可能にする段階まで飛躍することができるでしょう。

Rippleの経験上、たくさんの発展途上国がより強力でより早い段階の技術に頼るのを見てきました。

Jackson:

XRPのソフトウェアを銀行に販売する目的で開発されましたが、今現在たくさんの投資家が注視しているのは、『どのように仮想通貨の価値を評価するか』です。あなたはなにが仮想通貨の価値評価の最適な方法だと思いますか?

Garlinghouse:

私はドットコムバブルを生きてきた人間です。

Josh Hannah氏はバブルについて記事を執筆し、その中で今現在仮想通貨になにが起きているかにも触れています。

ほとんどの人がディスカウンテッド・キャッシュフロー法が企業の価値評価の最適な方法だと思い込んでいます。しかしデジタル資産は需要と供給に沿って取引される商品であり、一定の供給に対して、需要は増えています。

私は将来、需要はさらに増えると思っています。将来あなたのSchwab口座からBTCやRippleを買うことだって可能になるでしょう。

Rippleが会社として成功した事例を人々は見ています、それによりXRPの価値が増えたと信じています。私たちはXRPがさらなる価値のあるツールになるように努め、それによりXRPの価値は増大するでしょう。

仮想通貨自体の価値が増えることに私は強く賛同します。

ここで強調したいのは、ディスカウンテッド・キャッシュフロー法のため金の総資産は9兆ドルです。

金はジュエリーなどの利用方法がありますが、根本的には価値の蓄蔵にすぎません。短期的に見たときに、仮想通貨の値段がどうなるかはわかりませんが、長期的に見たときに値段は上向き傾向にあると私は思います。

価値の蓄蔵を元に、仮想通貨と金と比較することは正しいと思います。今現在、金の総資産は9兆ドルで、ビットコインは750億ドルです。

Jackson:

RippleのIPOの良い点と悪い点はなんでしょう?

Garlinghouse:

とても嬉しい質問です。

我々は経営上の成長、インフラ、及び推測能力を保持したいと願います。やく4年半活動中ですが、いずれわかるはずです。でも今日ではありません。

Jackson:

VISAと競うのですか?

Garlinghouse:

ブロックチェーン技術の変革的な要素は今までになかった早さで二者の取引を処理することです。

我々の技術を使えばVISAのようなスケールを提供できます。私たちはRippleの未来に期待できると信じていますが、VISAがこれからどのように進化をするのかは不明です。

Jackson:

XRPはInternet of Things(IoT)を活用するのでしょうか?

Garlinghouse:

私が話したインターネットの価値化(Internet of Value)に話題を戻すと、これがIoTにもたらす影響にも期待できるでしょう。

将来マイクロトランザクション(オンラインゲームなどで仮想世界の商品やサービスを購入できるシステム)をする際に電子機器間で活用されるであろう事例は確実に存在し、私たちはそれを可能にさせたいと思っています。

Jackson:

例をあげていただけますか?

Garlinghouse:

もちろんです。これから経済的な役割を果たすであろうたくさんの電子機器が開発されるでしょう。

あなたの自動運転できる車は自動でセルフサービスのガソリンスタンドで給油しなければなりません。

どうやって決済するのか

もしかしたらこれはVISAやNFCネットワークによって実現されるかもしれません。

しかし私はサンフランシスコの南に住んでいて、職場の市街までに運転をしなければなりません。

ある日私は仕事に遅れています。そこで道を譲ってくれる車一台に対して5セント払えるようなシステムが登場したらどうでしょう?

どの技術がそれを可能にさせますか?今現在既存する旧式の金融システムでは無理な話です。

これは私たちが開発中の新しい技術によって確実に可能になります。

将来のインターネットの可能になるであろう使用事例に対して20年前可能だと思ったことを比較してみてください。私たちの想像以上にインターネットによって可能になる事例は多く存在します。同じことが仮想通貨にも言えます。

Jackson:

ドットコム時代に話を戻すと、たくさんの企業が破産し、アマゾンやPricelineのように生き残った企業は少ないです。

仮想通貨産業でも同じことがいえるでしょうか?

Garlinghouse:

はい、この比較は100%正しいと思います。理由は適者生存にあります。

過剰な結果を残すためにはなんらかの問題を解決しなければなりません。勝者が全てを得るようなシチュエーションは十分に考えられます。

これから3~5ヶ月先、なにが起こるのか予測するのは難しいですが、これから3~5年の間に本当の価値が生み出されるのは確実だと思います。

Ripple CEO Brad Garlinghouse explains why the world has barely scratched the surface with cryptocurrencies

11 Sept 2017,Eric Jackson

参考記事はこちらから

CoinPostの考察

非常にわかりやすい内容です。XRPの目標は銀行などの送金にはとどまらず、提供できるサービスの可能性です。今は想像することができないようなことが、将来的には形となって私たちの社会にRipple社が提供するサービスがある可能性があります。それがどのようなサービスかは想像できませんが。

同様に、これはXRPだけではなく、他の仮想通貨にも言えることです。仮想通貨市場はどんどん拡大し、そこには様々なチャンスがあります。現在の仮想通貨の種類は1,000種類ほどあるとも言われています。これらの中で技術の進歩とともに淘汰され、真の価値を持つ仮想通貨が生き残っていくでしょう。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
10/05 土曜日
14:30
Ubisoft新作「Captain Laserhawk: The G.A.M.E.」、アービトラムでNFTリリースへ
新ゲーム「Captain Laserhawk」 フランスの大手ゲーム会社Ubisoftは、近日中にイーサリアムレイヤー2のアービトラム上で1万体のNFTコレクションを発売する計…
13:00
26000以上のBTC保有 米マラソン、ビットコインHODL戦略を継続
米マイニング大手マラソンがビットコインHODL戦略を継続。9月に売却を行わず26,842BTCを保有している。9月の採掘実績も発表した。
11:30
ビットワイズ、ビットコインとイーサリアム先物ETFで戦略変更 米国債ローテーションを採用
ビットワイズが3つの仮想通貨先物ETFの戦略変更をSECに申請。独自の「トレンドワイズ」戦略で市場下落時に米国債へローテーション。
10:45
EigenLayer、8億円の仮想通貨EIGENが不正売却 公式側が調査
イーサリアムのリステーキングプロジェクトEigenLayerで約8億円相当のEIGENトークンが不正売却。投資家のメールが侵害され、攻撃者がトークンを売却。
07:40
IMF「エルサルバドルはBTC投資に制限を」
仮想通貨ビットコインへの公的な投資に制限を課すことなどをIMFはエルサルバドルに勧告。IMFの報道官が会見で、同国のビットコイン政策に言及した。
07:15
コインベース、欧州でUSDTなどのステーブルコイン廃止へ MiCA法準拠で
大手仮想通貨取引所コインベースは10月4日、年末までに欧州連合(EU)域内で規制に準拠していない「ステーブルコイン」の上場廃止を行うと発表した。
06:45
ビットコインクジラ、2009年採掘のBTCを5億円分取引所へ送金
古参のビットコインクジラが5日、5億円相当のビットコインを米仮想通貨取引所クラーケンに送金したことが明らかになった。
10/04 金曜日
23:26
Sanctum(サンクタム)でソラナのステーキング利益最大化
仮想通貨ソラナ(SOL)のブロックチェーン上のDeFiプロトコル「Sanctum(サンクタム)」を詳しく解説。LSTの仕組みやCLOUDトークン、具体的な使用方法、将来展望まで。SOLのステーキングなど、投資利益を最適化したい方向け。
17:30
Bunzz Audit、AI搭載監査でWeb3事業のセキュリティを強化【独自取材】
Web3時代のセキュリティ課題に挑むAI駆動スマートコントラクト監査サービス「Bunzz Audit」を解説。従来の監査の問題点と革新的解決策を探る。DeFi、NFT事業者向け。
16:38
バイナンス、4種類の仮想通貨取引ペアを取扱い中止
海外の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは4種類の現物通貨ペアの取扱いを中止した。流動性向上を目的とした戦略の一環で、他の通貨ペアは引き続き利用可能。
15:00
ソラナの猫系ミームコイン「MEW」、米クラーケンに新規上場
米大手仮想通貨取引所クラーケンは8日にソラナ(SOL)基盤の猫をモチーフにしたミームコイン「MEW」を新規上場する予定だ。
14:30
リップル社、ラテンアメリカ大手仮想通貨取引所と協業
仮想通貨を活用した国際送金を変革するため、リップル社がラテンアメリカ大手取引所Mercado Bitcoinと協業。今後のユースケースなどを発表した。
13:00
ビットコイン発明者「サトシ・ナカモト」の正体に迫るHBOドキュメンタリー公開へ
ビットコイン考案者サトシ・ナカモトの正体を追うドキュメンタリーが近日公開。関係者へのインタビューなどで開発状況に迫る。
12:29
ビットコイン6万ドルの節目で下げ渋る、SEC控訴でXRPは急落
暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコインが6万ドルの節目で下げ渋り反発した。SECのリップル控訴を受け、XRPは急落している。
12:00
おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング
コインチェック、bitFlyer、bitbank、GMOコインなど、国内大手のおすすめ暗号資産(仮想通貨)取引所のメリット・デメリットについて個人投資家の口コミ評価を集め、比較ランキングにしたページです。優先して口座開設すべき取引所探しに役立てて下さい。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア