はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米SEC、対リップル社裁判で罰金額めぐり反論

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

テラフォームラボとの違いを指摘

米証券取引委員会(SEC)は14日、対リップル社裁判で新たな書類を提出。民事罰の額が過大であるというリップル社の主張に反論した。

経緯として、リップル社側は暗号資産(仮想通貨)テラ(旧)の開発団体テラフォームラボが、SECと和解した件を参照して罰金は過大と申し立てていた。

テラフォームラボの件では架空データによる宣伝や価格操作など詐欺行為が指摘され、投資家へも損害があったが、民事罰の額はテラフォームラボ総売上高の約1.27%に相当するものだった。

一方でSECがリップル社に対して科そうとしている8億7,600万ドル(約1,380億円)はそうした比率を超えるものであり、罰金は1,000万ドル(約16億円)以下にすべきだと主張していた格好だ。

関連: リップル社、罰金はテラフォームラボの事例と比べても過大と主張 対SEC裁判で

この申し立てにSECは今回反論を展開。リップル社は、テラフォームラボとSECの和解における、「民事罰と違反行為の総利益を比較することを避けている」と述べた。

テラフォームラボの違反行為による利益は35億8,700万ドルとされており、同社への民事罰4億2,000万ドルは、この不正利益の11.7%にあたると続けている。

このように不正利益を基準とすると、SECはリップル社が不正に得た利益として8億7,630万ドルの返還を求めていることから、この額の11.7%は1億260万ドルの罰金となる。リップルが上限だと主張する1,000万ドルよりもはるかに高いことになると主張する形だ。

ただ、SECはリップル社に対して8億7,600万ドルの民事罰を求めていたところであり、この額よりは低くなる見積もりだ。SECが姿勢を軟化させていることを示す可能性もある。

また、SECはテラフォームラボの場合には和解にあたって、同社が永久に廃業し、投資家に多額の金額を返還することに同意し、違反当時の取締役2人を解任したと指摘した。こうした状況が、現在も事業を続けるリップル社とは異なるとする形だ。

テラフォームラボは、民事罰や不正利益の返還など合計44億7,000万ドル(約7,049億円)を支払うことに同意してSECと和解した。

和解条件には、テラフォームの共同創業者ド・クォン氏がいかなる公開会社の役員または取締役にも就任できないようにし、証券とみなされる仮想通貨に関わる取引に関与できないようにすることが含まれている。

関連: テラフォームラボ、米SECと44億7000万ドルで和解へ

SECの姿勢が軟化か

なお、リップル社のスチュアート・アルデロティ最高法務責任者は、Xへの投稿で、今回のSECの申し立てに反論。次のようにコメントしている。

裁判所は、XRPが証券ではないことを明確にした。本件では補償すべき「被害者」もいない。

さらにSECにとって最悪なのは、リップル社が繁栄していることだ。しかし少なくともSECは20億ドルという不条理な罰金額の要求については放棄したようだ。

アルデロティ氏は、今回のSECの申立書の一部を、SECが民事罰の額について姿勢を軟化させていることを示唆すると捉えた模様だ。SECが持ち出した不正利益の11.7%という額が先に提示されていた罰金額より低かったことを、そう解釈したとみられる。

SECは、リップル社に対し民事罰に加えて不正利益など合計19億5,000万ドル(約3,074億円)の支払いを求めていたところだ。アルデロティ氏の指摘するように、地方裁判所は昨年7月、デジタルトークンとしてのXRP自体は有価証券ではないと判断している。

関連: XRP(エックスアールピー)の価格・チャート|今後の将来性や買い方を解説

SEC(証券取引委員会)とは

株や債券などの証券の取引を監督する米国の政府機関のこと。1934年設立。公正な取引の確保と投資家保護を目的としており、インサイダー取引や企業の不正会計、相場操縦などを防止する。仮想通貨が有価証券に該当するかという判断も行う。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
14:54
暗号学者アダム・バック、ビットコインの現実的な量子リスクは最短でも20年後 「備えは十分可能」
暗号学者アダム・バック氏が量子コンピュータによる脅威について「20-40年は安全」との見解を示した。一方、専門家の間では5-10年以内のリスクを指摘する声もある。
13:40
エルサルバドル、下落局面で約155億円相当のビットコイン押し目買い 保有高は7474BTC
エルサルバドル政府が市場下落局面で約155億円相当のビットコインを追加購入し、保有高は7474BTCに達した。2025年1月に法定通貨地位を撤廃したものの、ブケレ政権は戦略的準備資産としての蓄積を継続している。
13:25
ヴィタリック、イーサリアムのプライバシー保護ツール「Kohaku」を紹介
仮想通貨イーサリアムのブテリン共同創設者がプライバシー保護ツール「Kohaku」を新たに紹介した。Railgun連携やゼロ知識証明で匿名性を強化する開発ロードマップを解説する。
13:10
CZ氏、6650億円の罰金返還なら米国に再投資と言及
バイナンス創業者CZ氏が米司法省への約6650億円の罰金返還時に米国再投資を表明。トランプ大統領からの恩赦後、民主党議員からの腐敗疑惑批判に対し、感謝と慎重さのバランスを強調した発言として注目される。
11:25
伝説投資家ドラッケンミラー、ブロックチェーン融資企業フィギュアの株式を120億円相当取得
フィギュア株価上昇 米ウォール街の伝説的なヘッジファンドマネージャーであるスタンリー・ドラッケンミラー氏が運営するデュケイン・キャピタルは11月15日、第3四半期の13F報告書…
10:55
ソラナ保有企業フォワード、367億円相当SOLをコインベースへ入金 警戒高まる
仮想通貨ソラナを財務資産として保有するナスダック上場のフォワード・インダストリーズが約367億円相当のSOLをコインベース・プライムに移動させた。売却か社内再編成かは不明だ。
09:50
「ビットコイン下落の背景は米ドル流動性低下」アーサー・ヘイズが年末までの市場予想
アーサー・ヘイズ氏が仮想通貨ビットコイン下落の原因を米ドル流動性縮小と分析した。ETF資金流出の背景や今後の下落および急騰シナリオを解説している。
09:30
自称「IQ276」のキム・ヨンフン、BTCは今後45日間で22万ドルまで上昇すると予想
自称IQ276のキム・ヨンフン氏は、仮想通貨ビットコインの価格は今後45日間で22万ドルに到達すると予想。明確な根拠は示していないが、世界最高のIQ記録保持者として価格を予想すると主張した。
09:20
Cboeが無期限型ビットコイン・イーサリアム先物を12月15日に開始、米国規制下で提供
Cboeが仮想通貨ビットコインとイーサリアムの無期限先物取引を12月15日に開始する。米国規制下でポジションのロールオーバーを不要にする。
08:15
米政権、海外仮想通貨口座の税務報告規則を審査中
米ホワイトハウスが海外仮想通貨口座に関する税務報告規則案の審査を開始した。国際的な仮想通貨資産報告枠組みCARFへの参加を実現し、租税回避を取り締まる狙いだ。
07:45
グレースケールのドージコインETF、11月24日取引開始見通し 新たなソラナETFも上場
グレースケールのドージコインETFが11月24日にも取引開始となる見通しだ。ヴァンエックは17日にソラナETFの提供を開始した。
07:10
仮想通貨投資商品、先週の資金純流出額が2月以降最大規模
仮想通貨投資企業CoinSharesは、ETFなどのデジタル資産投資商品全体の先週における資金フローは約3,100億円超の純流出だったと報告。今回もビットコインとイーサリアムが流出を主導した。
06:55
ビットコインの25%下落は「浅い調整」と米投資銀行が分析、トム・リーはイーサリアムのスーパーサイクルを予測
投資銀行バーンスタインがビットコインの約25%下落は大幅な下落の始まりではなく短期的な調整だと分析した。ビットコインETFの機関投資家保有率は2024年末の20%から現在28%に上昇。
06:25
95%のビットコインが採掘済み、2140年に完全流通へ
ビットコインのマイニング済みコイン数が1,995万BTCを超え、固定上限2,100万BTCの95%に達した。残りの5%は極めてゆっくりと放出され、2140年頃に最後の端数が採掘される見込みだ。
06:00
ビットコインが今年の上昇分を帳消しに、新規投資家が14.8万BTC損切り 流動性悪化と日本債券ショックも影響か
ビットコインが約7カ月ぶりに9万3,000ドルを下回り、2025年の上昇分をすべて失った。新規投資家が14万8,000BTCを損切りし、流動性逼迫も下落要因となっている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧