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ムード悪化のビットコインは売りシグナル点灯、来週は材料豊富な1週間に|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

6/15(土)〜6/21(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週、6/15(土)〜6/21(金)の仮想通貨相場の仮想通貨相場週次レポート:

ビットコイン(BTC)対円は今週も緩む展開が続いており、21日正午時点では、1040万円周辺で推移している。

週明けのBTCは、アルトコイン相場の下落や、仏政局不安を受けた欧米の国債利回り上昇が相場の重石となり、1050万円周辺から1030万円周辺まで下落するも、米株の上昇につれて下げ幅を奪回した。

しかし、17日の夜からコインベース、クラーケン、デリビットに大口ETHの入金が確認されたことで、18日東京時間に主要アルトが急落、BTCもつれて1020万円台まで下げた。その後は下げ一服で戻りを試すも、この日の海外時間には戻り売りが入り、相場は一時1015万円まで下落した。

一方、これによりドル建てBTC相場が6.4万ドルにタッチすると、相場は反発。コンセンシスが、米証券取引委員会(SEC)がETHの証券性をめぐる調査を打ち切ったと明かしたことも相場の追い風となり、週央のBTCは1040万円近辺まで戻した。

さらに20日の相場は、アジアの株式市場のリスクオンや米株先物の上昇につれて戻りを試したが、米時間には米株や米国債相場が高値から反動安を演じたことや、機関投資家向けマーケットメーカーのB2C2に大口BTC送金が検知されたことが嫌気され、上げ幅を縮小した。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

今週は目星い材料に乏しい状況が続いたBTCだが、短中期のテクニカル的なセンチメントの悪化に加え、ダブルトップが完成し、上値の重い展開となった。しかし、下げ幅としては依然として控えめといえ、18日の下落後は揉み合いに転じており、思いの外底堅さもある。

ドル建てのBTC相場は、足元、5月1日安値56,500ドルと5月21日高値72,000ドルを基点とするレンジの丁度半値押し水準で下げ止まっている格好だ(第2図)。

また、短期保有(Short-Term Holder、STH)されるBTCの損益レシオ(含み益/含み損)は1周辺まで低下しており、足元の相場水準では売り買いの勢力が拮抗することを示している(第3図)。

【第2図:BTC対ドルチャート(日足)】
出所:Glassnodeより作成

【第3図:短期保有BTCの損益レシオ(日足)】
出所:Glassnodeより作成

BTCのSTH損益レシオは、相場の上昇トレンド時の押し目買いのポイント、下落トレンド時の戻り売りのポイントを探るヒントとなり、昨年末からの相場上昇時にも調整が一巡するタイミングを捉えていた。

売り買いの勢力が拮抗することで、それ以上に相場が押す、あるいは戻す力が後退すると言えるが、STH損益レシオがニュートラルの水準で下げ止まる、あるいは上げ止まるかはその時々の市況によると言える。

直近では、前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)はタカ派的だったものの、実際のインフレ指標は物価上昇ペースの鈍化を示唆し、FF金利先物市場では年内2回の利下げがコンセンサスとなっている(FOMC前は1回だった)。今週は、米小売類上げ高や住宅着工件数が下振れ、データ的にはBTC相場の下値は堅そうだ。

一方、BTCドルはトレンド反転サインとしては確度が高いと言われるダブルトップが完成し、売りのシグナルが点灯。こうした中、ETFからの資金流出や、大口によるBTCや主要アルト売却の思惑も見え隠れし、ムードが悪化していると言える。

今週は幸いにも重要な経済指標や、その他にも市場にとって大きなインパクトのある材料がなく、BTC相場も大きく動くことはなかったが、来週には米国のGDP成長率などの一連の四半期データや個人消費支出(PCE)価格指数、さらに27日にはバイデン大統領とトランプ前大統領の初回テレビ討論会が予定されており、材料豊富な1週間となりそうだ。

【第4図:BTCオプションのストライク毎の建玉】
出所:Glassnodeより作成

また、来週は四半期末のオプションカットがあることにも注目したい。足元の相場は、建て玉が集中する6万ドルと7万ドルの丁度中間で推移しており、オプションカットに向けてどちらかに相場が吸い寄せられる可能性がある。

ただ、オプション市場の建玉からBTC相場の上値目途は7万ドルと言えるが、相場下落の場合は6万ドルを割り込む可能性に注意したい。

と言うのも、第2図で指摘の通り、BTCドルは半値押し水準で下げ止まっているが、半値押しのサポートが陥落すれば、相場は全値押し水準まで下げることがあるからだ。

3月から続くBTCドルの下降チャネル(第2図内薄紫線)の下限も、足元では全値押し水準となる5.65万ドルと交差しており、下値目途としては意識されやすそうだ。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ビットコインの対円は緩む展開、マイナーやハッシュレートの動向も注視が必要か|bitbankアナリスト寄稿

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