TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインの対円は緩む展開、マイナーやハッシュレートの動向も注視が必要か|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

6/8(土)〜6/14(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週、6/8(土)〜6/14(金)の仮想通貨相場の仮想通貨相場週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円は緩む展開となり、14日正午時点で、1050万円周辺で推移している。

7日の米雇用統計の上振れを受けて、BTC円は1120万円から1090万円台まで反落し、今週は米消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)といったインフレ指標と、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え小動きで取引を始めた。

しかし、11日東京時間に、コインベースに30万イーサ(ETH)の送金が確認されると、相場は下値を模索する展開に転じ、一時は1050万円をわずかに割り込んだ。

翌12日には、売り一服で相場は徐々に戻りを試すと、米CPIの下振れを受けて1090万円を回復したが、その後のFOMCでは年内の利下げ回数想定が3回から1回へと修正され、上げ幅を掻き消した。

13日に発表された米PPIも下振れたものの、相場の上値は重く、米国で現物イーサETFの取引開始が9月の見通しになったことも嫌気され、相場は再び1050万円を割り込んだ。

その後は米株の反発につれて1050万円を回復するも、マイナーから取引所に200BTCを超える送金が確認され、上値の重い状態が続いている。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成

BTCの対ドル相場は先週、3月から続く下降チャネルのブレイクアウトに成功していたが、5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数の増加が市場予想比で上振れ、ブレイクアウトはまたもダマシとなった(第2図)。今週は米CPIとPPIが下振れたが、大口によるETH売却の思惑や、タカ派的だったFOMCで上値を抑えられた格好だ。

【第2図:BTC対ドルチャート(日足)】
出所:Glassnodeより作成

FOMC前の市場では、年内1回の利下げと2回の利下げが五分五分に織り込まれており、結果が前者となったことでBTCには向かい風となった。

一方、今回のFOMC声明では、「インフレ目標達成の更なる進捗が欠如している」という文言が「インフレ目標達成の更なる進捗が多少あった」に置き換えられた他、パウエル議長からもインフレの鈍化を認める発言があり、5月のFOMCと比べればトーンが和らいだ部分もあった。

また、「ほとんどのメンバーは会合中に意見を変えることはない」とも発言しており、FOMC開催中に発表された5月のCPIの結果は今回の金利見通しには盛り込まれていない可能性もある。

さらに言えば、FF金利先物市場はFOMCの金利見通しよりCPIとPPIの結果を重視している模様で、13日時点で9月と12月の2回の利下げがコンセンサスとなりつつある。14日のBTC相場はFOMCの結果を消化しきれず上値を重くしたが、売り一巡後には押し目買いが入りやすいと指摘される。

他方、以前にもBTCマイナーの売り圧力について指摘していたが、今週はマイナーのアドレスからのBTC流出が加速した(第3図)。昨年末からのBTC相場上昇に伴って、マイナーの換金売りが加速していた可能性があるが、4月の半減期前後でネットフローはニュートラルで落ち着いていた。

このことからマイナーは相場に影響を与えずにキャッシュフローを確保することができることがわかるが、半減期を通過して収益性が悪化した現状では、相場への影響がやはり気になる。2018年の「ハッシュ闘争」や2022年の「FTXショック」などで、相場がマイニングの損益分岐点を割った際は、相場の復調にある程度の時間が掛かった。

【第3図:BTC対ドルとBTCマイナーのネットポジション(30日平均)】
出所:Glassnodeより作成

MacroMicroによれば、BTCの平均マイニングコストは約74,500ドルと相場水準を大幅に上回っており、これが相場が思うように上昇しない一つの要因かもしれない。

だとすると、過去の傾向から言えば、ハッシュレートの底打ち及びハッシュリボンのゴールデンクロスが相場復調の先行指標として使える筈だが、ハッシュリボンは5月にデッドクロスを示現しており、買いシグナルはまだ点灯していない。

米インフレ減速に伴う国債利回りの低下と、外部環境はBTC相場の味方と言えるが、マイナーやハッシュレートの動向も注視しておいた方がいいかもしれない。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:週央のCPIとFOMC結果次第で、ビットコインは出鼻を挫かれる可能性も

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。
06:40
トランプ次期政権、史上初の仮想通貨特命官ポストを検討
トランプ次期大統領の移行チームは仮想通貨政策に特化した史上初の常勤のホワイトハウスポジションの設置を積極的に検討しているようだ。
06:20
マイクロストラテジー時価総額が米国トップ100に、ビットコイン史上最高値更新受け
仮想通貨ビットコイン続伸を受け、BTCを大量に保有する米マイクロストラテジー社の株価も続伸し、史上最高値となる504.7ドルに到達し米国で時価総額トップ100にランクインした。
11/20 水曜日
17:03
韓国の仮想通貨課税、2025年1月から導入見込み
韓国政府が2025年初頭から実施予定の仮想通貨課税について解説。免税限度額を250万ウォンから5000万ウォンへ大幅引き上げで、年間利益560万円未満は非課税に。取得価格不明時の代替計算方法導入など、投資家に配慮した新制度の詳細を紹介。11月下旬の法案可決を目指す。
14:00
BONK急騰、アップビットでウォンペア提供開始
韓国最大の仮想通貨取引所Upbitは20日にソラナ基盤の犬系ミームコイン「BONK」の新規上場を実施し、韓国ウォンの通貨ペアを新たに提供し始めた。
13:57
Ledger Stax・Flex完全ガイド|仮想通貨の高性能ハードウェアウォレットを徹底比較
10周年を迎えたLedgerの次世代ハードウェアウォレット「Stax」と「Flex」を詳しく解説。大画面タッチパネル搭載の最新モデルの特徴から、定番のNanoシリーズとの違いまで完全網羅。セキュリティと使いやすさを兼ね備えたウォレットの全貌を紹介しています。
13:20
マイクロストラテジー会長、マイクロソフト株主総会でビットコイン投資を提案へ
米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長が、マイクロソフト株主総会で3分間のビットコイン投資プレゼンを実施すると発表。ビットコイン投資は株主にとっても、株価を左右する重要な議題であり、総会で議論されるべきだと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧