はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨OHMとKlimaがビットコイン同様の商品とみなされる、CFTC勝訴のヘッジファンド裁判で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨詐欺

米商品先物取引委員会(CFTC)は3日、2022年に提訴した詐欺的な暗号資産(仮想通貨)ヘッジファンド運営と資金の不正流用に関する訴訟で、連邦地裁がCFTCの訴えを全面的に認める略式判決を下したと発表した。

イリノイ州北部地区連邦地裁のMary Rowland判事は、Sam Ikkurty被告と被告が経営する複数の会社に対し、詐欺の被害者に対する賠償金と不当利得の返還として、1億2,000万ドル(193億円)相当を支払うように命じた。

Ikkurty被告は、Jafia LLCを設立し、Rose City Income Fund(RCIF)、Rose City Income Fund II(RCIF II)という二つの仮想通貨ヘッジファンドを運営。仮想通貨へのエクスポージャーで収入を得る仕組みのファンドであり、PoSマイニングなどの手数料から、「年間15%の安定した配当」や、「100ドルの投資に対して2,708%のリターン」を約束していた。

被告は、ウェブサイトやウェビナー、トレードショーなどを通じて、RCIFやRCIF IIへの参加を募集し、約170人の投資家から約4,400万ドル(71億円)を集めることに成功した。

Ikkurty被告はRCIFで集めた資金をビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)、WBTC、仮想通貨Olympus(OHM)に投資したが、投資家に利益を配分することはなかった。

その後、Ikkurty被告は仮想通貨貯蓄債券(CSN)とカーボンオフセット債券(COB)を投資手段として提供。約束手形の形式で投資家に毎月利息の支払いと満期時の全額返還を謳っていたが、被告はCSN資金の大部分を仮想通貨KLIMAとOHMに投資するなど、資金を不正流用していた。

瓢箪から駒

裁判所は、Ikkurty被告が投資家に約束した担保を取得する代わりに、新規の投資家から獲得した資金を以前の投資家に支払うなど、「典型的なポンジースキーム」を実行したと認定した。

CFTCは2022年に提訴した際、被告が違法な商品プールを運営していただけではなく、運営者としてCFTCに登録していないことも告発していたが、裁判所はこの主張も認めている。

被告は、商品の売買や商品取引業者との取引には従事していないため、CFTCの規制の対象とはならないと主張していた。しかし裁判所は、商品取引法に基づいてCFTCが提訴したことに疑問の余地はないと、この訴えを却下した。

その過程で、裁判所はこの事件で使用された仮想通貨の証券性について、以下のような、非常に興味深い判断を下した。

ビットコインとイーサリアムがCFTCの管轄下にある商品であるだけでなく、「ビットコイン以外の2つの仮想通貨であるOHMとKlimaも商品として適格」であると認定し、これらの仮想通貨は規制された先物取引があるビットコインと同じ一般的なクラスに分類される。

(CFTCの声明より)

影響は限定的

仮想通貨データサイトCoinGeckoによると、OHMは時価総額259位、KLIMAは747位と、ビットコインやイーサリアムなどの主要仮想通貨からは程遠い規模だ。

トークンの証券性について、CFTCとSEC(証券取引委員会)の管轄をめぐる議論が続く中、今回の裁判で示された判断は、CFTCの管轄権を確立する以外には、大きな影響力を持つものではないと、Katten Muchin Rosenman LLP のJames Brady弁護士は指摘した。

これは、被告が強引にCFTCに管轄権がないという主張したことに対する反応だったと考えている。

関連米SECの執行措置に制約か 最高裁が過去の事例を調査、仮想通貨規制に影響も

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/07 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:00
週刊ニュース|JPモルガンによるストラテジーのBTC売却回避能力の評価に高い関心
今週は、FRBの量的引き締め終了、チャールズ・シュワブの仮想通貨取引開始、JPモルガンによるストラテジーのビットコイン売却回避能力の評価に関する記事が関心を集めた。
12/06 土曜日
13:46
仮想通貨市場構造を定める「クラリティ法案」を遅滞させる3つの争点とは? 専門家見解
仮想通貨に詳しい弁護士が、ビットコインなどについて米国の規制を明確化する「クラリティ法案」の年内進捗は期待薄だと見解。3つの争点が議論のハードルだと指摘する、
11:15
メタマスク、予測市場取引機能を導入 ポリマーケットと連携しウォレット内で完結
メタマスクが12月4日、トラストウォレットが12月2日に予測市場機能を相次いで発表した。ユーザーは自己管理型ウォレット内で実世界のイベント結果を予測し仮想通貨で取引できるようになる。
10:45
SBI VCトレードとサッポロビール、黒ラベルTHE BARリニューアル記念でNFT配布キャンペーン開始
仮想通貨取引所SBI VCトレードとサッポロビールがWeb3技術を活用した実証実験を12月5日に開始した。黒ラベルTHE BARのリニューアルを記念し、応募者全員にNFTを配布。保有者は店舗で特別なビール体験が受けられる。
10:10
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、5週連続で資金流出 4200億円規模に
ブラックロックの仮想通貨ビットコイン現物ETF「IBIT」から5週連続で約4200億円が流出した。上場以来最長の流出超過を記録。同社の事業開発ディレクターは「正常な動き」と述べた。
09:30
米SEC、仮想通貨プライバシー円卓会議を来週開催 ジーキャッシュ創設者も参加
米証券取引委員会が金融監視とプライバシーをテーマにした円卓会議を12月15日に開催予定。ジーキャッシュ創設者ゾーコ・ウィルコックス氏を含む専門家がパネリストとして参加し、仮想通貨の匿名技術と監視措置について議論を行う。
08:35
トム・リーのビットマイン、今週約9.8万ETHを追加購入 総保有額1.8兆円相当
ビットマインは今週もETHの押し目買いを実施し9万7650イーサリアムを追加購入した。アーカムのデータによると、同社の総保有額は1.8兆円に達しETH総供給量の3.16%を占めている。
08:00
KLab、ビットコインと金を組み合わせた財務戦略を発表
KLabは、仮想通貨ビットコインと金を財務資産に組み込むデュアル・ゴールド・トレジャリー戦略を実施すると発表。同日発表した資金調達で得る約51億円のうち36億円を充当する。
07:35
ウィズダムツリー、欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場
ウィズダムツリーが4日、Lidoプロトコル経由でミントされたstETHのみを保有する欧州初の完全ステーキング型イーサリアムETPを上場した。運用資産約5000万ドルでドイツ、スイス、フランス、オランダの取引所で取引が開始された。
06:30
ビットコイン保有企業の指数除外方針に反対、ストライブ社がMSCIに書簡
米ナスダック上場企業ストライブがMSCIに対し、ビットコイン保有企業を株式指数から除外する提案に反対する書簡を送付した。同社は7500BTC以上を保有する企業として、50%基準は不公平で実行不可能だと主張。
05:55
仮想通貨評価損不計上でフィスコとクシムに課徴金勧告 金融庁監視委が虚偽報告を指摘
証券取引等監視委員会が5日、フィスコとクシムに対し、仮想通貨の評価損を適切に計上せず有価証券報告書に虚偽記載を行ったとして、それぞれ1500万円と1200万円の課徴金納付を勧告した。
12/05 金曜日
19:26
テザー投資家が英政党に史上最高額寄付 改革党に18億円相当
ステーブルコイン発行会社テザーの投資家クリストファー・ハーボーン氏が英国改革党に900万ポンド(約18億円)を寄付し、存命個人からの政党寄付として史上最高額を記録。米国でもトランプ大統領が選挙期間中に仮想通貨業界から2600万ドル超を集めるなど、仮想通貨資金が英米両国の政治に影響力を持ち始めている。
18:40
Cloudflare障害でコインベースなど取引所が一時アクセス不能 11月に続き再発
12月5日夕方、Cloudflareの障害により、コインベースやクラーケンなど複数の仮想通貨取引所とDeFiプロトコルのユーザーインターフェースが一時的にアクセス不能に。11月18日に続く障害で、インフラ依存のリスクが再び浮き彫りとなった。
17:24
米上場AlphaTON Capital、約630億円調達へ TONトークン取得とAI投資
ナスダック上場のデジタル資産運用企業AlphaTON Capitalが、米SECに4億2069万ドル(約630億円)の資金調達枠を申請。TONトークンの追加取得とテレグラムのCocoon AIネットワークへの投資を計画。TONエコシステムへの機関投資加速が見込まれる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧